【新型コロナウイルス】速報!雇用調整助成金が拡充予定 助成率引き上げの2パターンを解説

長引く新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、目下、中小企業において課題となるのが従業員への休業手当の支払いです。休業手当の一部を助成する雇用調整助成金についてはすでに幾度か特例措置が講じられてきましたが、2020年4月25日、さらなる拡充方針が示されましたので速報としてお伝えします。拡充内容の要件や助成率の確認にお役立てください。

※なお、今回の拡充に関する詳細公開は5月上旬となります。ハローワークや社労士宛のお問い合わせも詳細公開以降にてお願いいたします。

雇用調整助成金に「助成率10/10」が新設

このたびの雇用調整助成金拡充方針では、2020年4月8日以降の休業等に遡及して、下記2パターンが適用される旨が明記されています。

雇用調整助成金拡充① 休業手当の法定超過部分について全額助成

2020年4月29日時点で適用されている緊急対応期間中(2020年4月1日~6月30日)の雇用調整助成金では、中小企業が解雇等を行わず雇用を維持する場合の助成率を、実際の休業手当の支給率に関わらず一律で9/10としています。

今後、さらなる拡充が講じられると、60%を超える部分については10/10の助成率が適用されます。

雇用調整助成金拡充② 休業等要請対象施設では、要件を満たせば法定部分も含めて全額助成

加えて、休業等要請を受けた中小企業が解雇等を行わず雇用を維持している場合であって、下記の要件を満たす場合には、休業手当全体の助成率を10/10とする方針も示されています。

  1. 新型インフルエンザ等対策特別措置法等に基づき都道府県対策本部長が行う要請により、休業又は営業時間の短縮を求められた対象施設を運営する事業主であって、これに協力して休業等を行っていること
  2. 以下のいずれかに該当する手当を支払っていること
    1. 労働者の休業に対して100%の休業手当を支払っていること 
    2. 上限額(8,330円)以上の休業手当を支払っていること(支払率60%以上である場合に限る)※ 教育訓練を行わせた場合も同様

出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大について_【別紙】雇用調整助成金の更なる拡充について」

雇用調整助成金は拡充するも、使い勝手に課題あり

2020年4月1日から始まった緊急対応期間以降、雇用調整助成金についてはすでに助成内容の拡充、要件緩和、さらには申請書類の簡素化等の措置が講じられています。その一方で、申請件数、支給決定件数共に少ないことが問題視されているようです。

雇用関係助成金の申請手続きは複雑

なぜ、雇用調整助成金の活用は進まないのでしょうか?原因の一つに、「手続きの複雑さ」が挙げられます。これは雇用調整助成金に限ったことではなく、雇用関係助成金全般に言えることですが、助成金申請には確認すべき要件遵守すべきスケジュール用意すべき書類がつきものです。厚生労働省が公開する「雇用調整助成金ガイドブック」をご覧いただくと分かる通り、簡素化されたとはいえ、申請のための準備は実に膨大であることが分かります。企業の担当者が通常業務と並行して取り組むには、なかなか高いハードルと感じられることでしょう。

その上、膨大な資料をすべて紙媒体で用意しなければならない点も、雇用関係助成金ならではの煩わしさのひとつです。他の補助金等ではすでに幅広くオンライン申請が認められていますが、雇用関係助成金は窓口持参が原則であり、2018年10月からようやく郵送申請が出来るようになったくらいです。

雇用調整助成金の日額上限は据え置き(2020年4月27日現在)

また、雇用調整助成金に話題を戻すと、「対象労働者一人あたりの日額上限が8,330円」であることもネックとなっています。日額上限の引き上げについてはかねてより議論されていた話題ですが、2020年4月27日時点で、今回の拡充内容には盛り込まれていません。雇用調整助成金の活用をご検討いただく際には、助成率だけでなく日額上限についても注意しておく必要があります。

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