ひょっとしたら手続き漏れ?!雇用保険被保険者資格取得手続きをしたかどうかの確認、及び遡及加入方法

従業員の入社・退社のたびに必要となる、雇用保険や社会保険の被保険者資格取得・喪失手続き。「同時期に複数名の入社・退社があった」「手続きに必要な情報の収集に時間がかかった」等の場合、行わなければならないはずの資格取得・喪失手続きにうっかり漏れが生じるケースも珍しくないようです。今号では、雇用保険被保険者資格取得状況の確認方法、そして資格取得手続きをしていなかった場合の遡及加入方法について確認しておきましょう。

雇用保険被保険者資格取得の状況は、「ハローワークへの照会」または「マイナポータル」で確認できます

例えば、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の資格取得手続きを行った際には健康保険証が交付されるので、「自分が被保険者かどうか」はすぐに分かるようになっています。仮に手続き漏れがあったとしても、いつまでも健康保険証が届かなければ従業員から問い合わせがあるでしょうから、会社は比較的早期に遡及加入手続きを行える可能性が高いです(ただし2024年12月2日以降、新規の健康保険証発行はなくなります)。
しかしながら、雇用保険被保険者資格取得後に交付される被保険者証は原則退職時に渡すものなので、手続き後すぐに被保険者に配布すべき書類がありません。そのため、万が一、資格取得手続きに漏れがあった場合も発覚が遅れがちになります。

もっとも、適正に手続きが完了していれば控えの書類が交付されるので、こうした書類の有無を以て、会社側で手続き実施状況を確認することは可能です。ですが、何かしらの事情から書類を見つけ出すことができず、会社側で「手続きをしたかどうか分からない」ことも稀にあるようです。
雇用保険被保険者資格取得の有無は、以下のいずれかの方法でご確認いただけます。

雇用保険被保険者資格取得の確認方法① ハローワークへの照会

ハローワークへの照会方法としては、2つの方法が想定されます。

1.会社が、雇い入れている労働者について、雇用保険の被保険者として加入手続きが行われているかを確認したい場合、「事業所別被保険者台帳(写)」の交付を請求することで、事業所ごとの被保険者の数等の確認を行
うことができます。
参考:厚生労働省「事業所別被保険者台帳(写)交付請求書

2.従業員が、自らの雇用保険資格取得状況について確認する場合、ハローワーク宛に「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会票」を提出することにより回答を得ることができます。
参考:厚生労働省「雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!

雇用保険被保険者資格取得の確認方法② マイナポータルの活用

従業員が、自らの雇用保険資格取得状況について確認する方法として、ハローワークへの照会の他、マイナポータルを活用する方法もあります。
参考:厚生労働省「マイナポータルであなたの雇用保険の加入記録などを確認することができます!

雇用保険被保険者資格の取得漏れが発覚した場合でも、遡及加入が可能です

確認の結果、被保険者資格を取得するはずの従業員について手続き漏れが生じていた場合でも、分かった時点で手続きを行うことで遡及して加入することができます。慌てず、冷静に、一つひとつの手順を踏んでいきましょう。

まずは管轄のハローワークにご相談を

万が一、雇用保険被保険者資格取得の届出に漏れがあった場合、原則として2年までは遡及手続きができます。更に、2010年10月1日以降は、事業主が届出漏れのあった労働者の賃金から雇用保険料を天引きしていた場合、その事実が確認できる給与明細等の書類があれば、2年を超えて遡って手続することが可能となっています。
手続き自体は通常の「雇用保険被保険者資格取得届」によって行いますが、遡及期間等によって必要な添付書類が異なります。管轄のハローワークにご相談の上、適切に手続きを行いましょう。
ちなみに、雇用保険被保険者資格喪失の届出に遅延が生じた場合も同様に、ハローワークに相談の上、指示を仰ぎましょう。

「ハローワークへの相談はちょっと・・・」、そんな場合は社労士の活用がお勧めです

手続き漏れからすでにかなりの期間が経過してしまっており、「ハローワークに相談するのは不安・・・」という場合は、お気軽に社会保険労務士にご相談ください。しっかりと状況をお伺いした上で、必要な手続きを代行させていただきます。手続き中にハローワークから問い合わせが入る場合も、事務代理者である社労士宛に連絡がまいりますので安心です。

関連記事:「こんなとき、どうする?雇用保険の加入手続きを行っていなかった場合に遡って加入する方法

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