「業績不振により、解雇」こんなことがありえるかもしれません。失業は怖いですか?
外国には、この当たり前の価値観を崩す政策を行なっている国があります。フレキシキュリティという政策を、紹介します。
フレキシキュリティとは
フレキシキュリティとは柔軟性の高い労働市場を整えると同時に、社会保障によって労働者の生活を守る政策のことです。この政策が導入されると、企業は必要に応じて労働者を解雇しやすくなります。そして労働者には失業時の手当や職業訓練などの社会保障が手厚くなり、それによりもし解雇されたとしても安心して再就職を目指すことができるようになるという政策です。賛否はもちろんありますが、企業にも労働者にもメリットがあるとされています。デンマークやオランダでは、フレキシキュリティはすでに取り入れられ、実際に運用されています。
労働市場の柔軟性
フレキシキュリティは解雇規制を緩和する政策です。とは言っても、解雇自由化を認める政策ではありません。解雇をするための条件を緩やかにするだけで、一方的な解雇は依然として認められないことがこの政策の特徴です。実際にフレキシキュリティを導入している北欧では、働く人の多くが労働組合に加入済みです。労働者の人権はしっかりと守られたまま、より安心して働けるようにすることが目指されています。
解雇条件を緩やかにしつつ失業者が早く再就職できる仕組みが完成すれば、労働市場の柔軟性と流動性をもたせ経済発展に寄与することが期待されているのです。
労働者の権利
労働者側のメリットとなるのは、手厚い再就職支援です。デンマークなどフレキシキュリティが導入されている国では、日本よりも長い期間、失業手当を受け取ることができるようになっています。最長4年間、最大で失業前賃金の90%までが補填されるのです。これを受け取るためには職業訓練を受けるなどの条件はありますが、最長で1年、割合は50~80%程度となる日本と比べると、かなり安心できる環境であることは想像に難くないでしょう。
ただ、企業側は保障が充実していることを理由に自由に解雇通告をして良いというわけではありません。解雇通告をする際には、労働者の心のケアを行うことや次の就職先を探す支援をするなど、企業側の努力も求められています。国とともに企業が政策に協力することで、フレキシキュリティは成立するのです。
簡単そうで難しい政策
フレキシキュリテイが、読者の皆さんが働いている日本で導入されるかはまだわかりません。
ただ一つ言えるのは、フレキシキュリティを導入するためには、まず働きやすい環境を作ることが大切だということです。労働市場の柔軟性が高まっても、企業が成長できなければ意味がありません。それぞれの人材がいろんな場所で活躍できるよう、多様な働き方に対応できるような会社、また社会にしていく必要があるのです。
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