【新型コロナウイルス】初の労災認定|労災認定の具体的な取扱いとは?

緊急事態宣言が39県で解除された今も、新たな感染者数は減ってきているものの、まだまだ先の見えない状況が続いています。本稿では新型コロナウイルスに仕事中に感染してしまった場合、労災認定されるのか? ということについてまとめていきます。

新型コロナウイルスで初の労災認定

5月15日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルスに感染した労働者について初の労災認定をしたことを明らかにしました。

加藤勝信厚生労働相は15日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルスに感染した労働者について、14日までに労災申請のあった39件のうち、これまで2件を認定、労災保険の給付を決定したと明らかにした。新型コロナを巡っての労災認定が明らかになるのは初めて。医療従事者らから速やかな認定を求める声が強まっていた。

厚労省によると、1件は医療従事者で、もう1件は理容室や美容室、旅行業などの生活関連サービス業従事者。3~4月に申請があり、労働基準監督署が調査していた。
加藤厚労相は「労災保険がセーフティーネットの役割を果たすことが重要だ」と述べた。

出典:ライブドアニュース「厚労省、コロナで初の労災認定 医療とサービスの2件

労災補償の考え方について

通常であれば、感染ルートが特定されなければ労災として認定されないのですが、新型コロナウイルスの感染者から労災認定の請求があった場合、感染ルートを厳格に特定できない場合でも、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められる場合には、労災保険給付の対象とすることになりました。

本感染症については、従来からの業務起因性の考え方に基づき、労働基準法施行規則別表(以下「別表」という。)第1の2第6号1又は5に該当するものについて、労災保険給付の対象となるものであるが、その判断に際しては、本感染症の現時点における感染状況と、症状がなくとも感染を拡大させるリスクがあるという本感染症の特性にかんがみた適切な対応が必要となる。
このため、当分の間、別表第1の2第6号5の運用については、調査により感染経路が特定されなくとも、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められる場合には、これに該当するものとして、労災保険給付の対象とすること。

出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて

具体的な取扱いについて

具体的な取扱いについては以下のとおりですが、医療従事者等は業務外で感染したことが明らかである場合を除き原則として労災給付の対象となり、それ以外については、感染源が業務に内在していたことが明らかに認められる場合であったり、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められる場合、個々の事案に即して判断することになっています。

国内の場合

・医療従事者等
業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災給付の対象になる。

・医療従事者等以外の労働者であって感染経路が特定されたもの
感染源が業務に内在していたことが明らかに認められる場合には、労災保険給付の対象となる。

・医療従事者等以外の労働者であって感染経路が不明なもの
調査により感染経路が特定されない場合であっても、感染リスクが相対的に高いと考えられる次のような労働環境下での業務に従事していた労働者が感染したときには、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められるか否かを、個々の事案に即して適切に判断する。
この際、新型コロナウイルスの潜伏期間内の業務従事状況、一般生活状況等を調査した上で、医学専門家の意見も踏まえて判断する。
(ア)複数(請求人を含む)の感染者が確認された労働環境下での業務
(イ)顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務

国外の場合

・海外出張労働者
出張先国が多数の本感染症の発生国であるとして、明らかに高い感染リスクを有すると客観的に認められる場合には、出張業務に内在する危険が具現化したものか否かを、個々の事案に即して判断する。

・海外派遣特別加入者
国内労働者に準じて判断する。

出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて

行動を記録することが大切

新型コロナウイルスの感染者から労災認定の請求があった場合、感染ルートを厳格に特定できない場合でも労災保険給付の対象とすることになりましたが、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められることが必要になります。感染ルートをある程度特定するためにも、業務に起因していたということを証明するためにも、いつどんな人と接触をし、どんな業務をしていたのかという記録を日報等でをつけておくことで、もし新型コロナウイルスに感染してしまった場合に労災申請をするとなったときに、必要な情報を日報から得ることができます。
無料のクラウド勤怠管理システムIEYASUでは、通常の勤怠管理機能のみならずIEYASU日報管理も無料でご利用いただくことができます。これを機にぜひお試しください。

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