小規模の支店・営業所を設置した際に必要な労働保険関係手続きをまとめて復習!

新年度を目前に控えたこの時期、新たに支店や営業所を設ける企業もあるのではないでしょうか?支店や営業所の設置に際しては様々な準備があり、開設に携わるご担当者様であればまさに多忙を極める頃かと思いますが、労働保険関係の手続きも忘れず適正に行いましょう。今号では、小さな支店や営業所を設置した際に必要な労災・雇用保険関係の諸手続きについて解説します。

労働保険関係事務を本社で一括する場合、手続きが必要です

小さな支店を設けた場合、「ここは従業員が少ないし、給与計算等も本社で行っているから、労働保険関係についても本社で一括してしまおう」と判断することもあると思います。しかしながら、労働保険の保険関係は原則として個々の適用事業単位に成立しますから、一括の取扱いをするためには所定の手続きを経なければなりません

労働基準監督署への手続き

① 「労働保険 保険関係成立届」の提出(支店・営業所の管轄労基署へ)
まずは支店・営業所についても労働保険の保険関係成立の手続きが必要です。
「継続事業一括認可申請」を予定している旨を申し出た上で、仮の労働保険番号の付与を受けます。

② 「労働保険 継続事業一括認可申請書」の提出(本社の管轄労基署へ)
①の手続きで労働保険番号の付与を受けたら、「労働保険 継続事業一括認可・追加・取消申請書」を提出します。

③ 「増加概算申告書」の提出(本社の管轄労基署へ)
支店・営業所の継続一括によって、本社が申告した概算保険料額が2倍以上となる場合は「増加概算申告書」の手続きが必要です。

継続事業の一括が認可されると、支店・営業所分の労働保険料の申告納付を本社でまとめて行うことができるようになります。ただし、支店・営業所に所属する労働者の労災保険請求に関してはそれぞれの事業を管轄する労基署宛に行う他、雇用保険関連の事務手続きも本社で一括する場合には別途「雇用保険事業所非該当承認申請」が必要になることにご注意ください

参考:東京労働局「労働保険継続事業一括申請の手続の仕方(パンフレット)

ハローワークへの手続き

○ 「雇用保険 適用事業所設置届」または「雇用保険事業所非該当承認申請書」の提出(支店・営業所の管轄ハローワークへ)
雇用保険適用についての手続きは、前述の労基署宛とは別に、ハローワーク宛に行わなければなりません。
雇用保険適用も原則は事業所ごととなりますが、本社でまとめて事務処理を行う場合には「雇用保険事業所非該当承認申請書」に事業所非該当承認申請調査書を添えて提出します。

参考:厚生労働省「雇用保険事業所非該当承認申請書(安定所用)

労働保険継続事業一括認可と雇用保険事業所非該当承認は、それぞれ受けるための要件が異なります

支店・営業所分の労働保険料徴収事務と雇用保険関係の諸手続きを、本社で一括して行えるようにするための要件はそれぞれ異なります。以下の要件を正しく理解し、必要な手続きに対応できるようにしましょう。判断に迷う場合には、お気軽に社会保険労務士までお問い合わせください!

労働保険 継続事業一括認可を受けるための要件

✓ 指定事業と被一括事業とで事業主が同一であること
✓ 指定事業と被一括事業がそれぞれ継続事業で、保険関係が成立していること
✓ 指定事業と被一括事業が、労働保険率表による「事業の種類」を同じくしていること
✓ 指定事業と被一括事業の保険関係区分(一元適用か、別々の適用なのか)が同一であること

雇用保険 事業所非該当承認を受けるための要件

✓ 人事上、経理上、経営上(または業務上)の指揮監督、賃金の計算、支払などに独立性が無いこと
✓ 健康保険、厚生年金保険、労災保険などについても、本社で一括処理されていること
✓ 労働者名簿、賃金台帳などの法定帳簿類が、本社に備え付けられていること

 

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