2020年度男性育休取得率が「12.65%」まで上昇!前年度比+5.17%

目下、政府主導で男性の育児休業取得率向上が目指されているところですが、少しずつ諸施策の成果が見られ始めているようです。厚生労働省公開の「令和2年度雇用均等基本調査」より、直近の男性育休取得率の推移を確認しましょう。

2020年度男性育休取得率「12.65%」!大幅引き上げも、政府目標「2020年度までに13%」には一歩及ばず

男性の育休取得率は直近8年連続で増加傾向にあり、特に2020年度は前年度比+5.17%の急上昇をみせ、「12.65%」を記録しました。「2020年度までに13%」の政府目標には一歩及ばない結果となりましたが、過去最高の伸び率を記録しました

男性有期契約労働者の育休取得率はさらに大幅引き上げ

同資料では、有期契約労働者の育休取得率も公開されています。こちらを確認すると、男性有期契約労働者の育休取得率は2020年度で「11.81%」、前年度比+8.74%の大幅引き上げが見られます

男性労働者全般の育休取得率は、女性労働者と比較すると依然として低い数字であることに変わりありませんが、少しずつではありますが着実に状況が改善していることが分かります。

男性育休取得者の3割弱が「取得期間5日未満」


男性労働者の育休取得率が向上しつつある背景で、依然として「取得期間の短さ」という課題が残ります。男性育児休業者のうち、28.33%が「取得期間5日未満」とのこと。企業としては、「とりあえず形だけ、男性にも育児休業を取得させればよい」というスタンスではいけません。育児休業の本来の目的である「男女共同参画社会の実現」「少子化対策」「持続可能な社会の維持」に鑑み、男性労働者にも趣旨に合う形で育児休業を取得させるべきことは言うまでもありません。

出典:厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査

2022年度施行予定の改正育児・介護休業法への対応準備を進めましょう

さて、男性の育児休業といえば、来年度より施行予定の改正育児・介護休業法においても重要なポイントとなっています。現場においては、2022年度以降の育児休業制度の変更点を正しく理解し、適切な実務対応ができるよう準備を進める必要があります。

雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置が事業主の義務に

2022年4月1日より、事業主として必ず取り組まなければならない事項は以下の通りです。

◎ 育児休業を取得しやすい雇用環境の整備(研修、相談窓口設置等)
◎ 妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する

育児休業の分割取得(出生時育児休業を除く)が可能に

現行の育児休業制度では原則不可となっている分割取得が、2022年10月1日(予定)より可能となります。

◎ 育児休業(新制度除く)を分割して2回まで取得可能とする
◎ 保育所に入所できない等の理由により1歳以降に延長する場合について、開始日を柔軟化することで、各期間途中でも夫婦交代を可能(途中から取得可能)とする

 
関連記事:『2021年改正育児・介護休業法では、「男性版産休制度」以外の改正項目も重要です!

出生時育児休業(男性版産休)の創設

男性の育休取得率向上のための出生時育児休業(男性版産休)が、2022年10月1日より施行予定です。制度概要については、既に以前の記事でご紹介した通りとなる見込みです。ただし、育休取得中の就労がどの程度可能なのか等、詳細については今後の情報公開が待たれるところです。

関連記事:『改正育児・介護休業法が成立!注目の「男性版産休制度」は2022年10月の施行予定

併せて、育休取得中の社会保険料免除基準についても変更予定のため、正しく理解しておく必要があります。

関連記事:『2週間以上の育休取得」で社会保険料免除へ。現行の保険料免除基準「月末時点の育休取得」を見直し

今後ますますの上昇が予想される、男性の育休取得率。御社の状況はいかがでしょうか?現状、男性の育休取得実績のない現場においては、今一度、労務管理の専門家である社労士とともに必要な施策を検討されることをお勧めします。

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