大手企業の11.2%が既に導入済み。フレックスタイム制を検討しなくて大丈夫?

厚生労働省の調べによると従業員が1000人以上所属する大手企業の11.2%が、フレックスタイム制を取り入れているという調査結果の発表がありました。(平成27年就労条件総合調査の概況より)採用や離職率などにも直結する「働き方」には急速に注目が集まっています。そのスピードに追いつけない企業は採用戦線の時点で淘汰される。そんな時代に入ってきました。今回はその入り口とも言える「フレックスタイム制」についてご紹介しましょう。企業側としても検討しやすい制度かと思います。

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出典:厚生労働省「平成27年就労条件総合調査の概況」より

フレックスタイム制とは?

政府の「働き方改革実現会議」の実施や、ノマドワーカーという型にとらわれない働き方が注目される中で、企業がフレックスタイム制を導入することも身近になってきました。
フレックスタイム制とは、1か月の一定期間(清算期間と呼びます)の中の総労働時間をあらかじめ定めておき、労働者はその枠内で働く時間を自主的に決定できるというものです。労働者がワークライフバランスの調和を図りながら、効率的に働くことができるという特徴があり、うまく導入できれば企業にも労働者にもメリットのある制度です。

フレックスタイム制の歴史

フレックスタイム制は、日本では1988年4月から正式に導入され始めましたが、古い慣習からなかなか抜け出せない日本においてはあまり浸透せず、2000年代になってようやく一般化してきました。中小企業では取引先に迷惑がかかるという理由や、従業員同士の連携が欠かせないという背景もあり、導入に踏み切れない事情を抱えています。一方で先の調査結果の通り、従業員が1000人以上所属する大手企業の11.2%が、フレックスタイム制を取り入れているという厚生労働省による調査結果も発表されています。

近年、男性の育児への積極的な参加に対する企業の理解度が高まったり、子育て中の女性の時短勤務がサポートされるなど、育休制度も充実しつつあります。これらの環境の変化が、導入する企業を増加させる追い風にもなっております。ひとつの会社に縛られずに、転職などを通じてキャリアアップしたり、自分らしく生きることが重視されつつある中で、従来の労働環境では無理が生じてきたという時代背景もあります。

導入すればOKではない?フレックスタイム制を成功させる秘訣

フレックスタイム制を上手に運用するために、どのようなことに注意すれば良いでしょうか。
ポイントとして、「フレキシブルタイム」や「コアタイム」をしっかりと設定するということが挙げられます。
せっかくフレックスタイム制を導入したのに、勤務時間が合わないことで社員どうしのコミュニケーションが希薄になったり、ミーティング等で業務を共有する時間を上手く捻出できなければ意味がありません。目的が「フレックスタイム制の導入」にならないように気をつけましょう。

「フレキシブルタイム」とは?

フレキシブルタイムは、従業員が自由に勤務時間を決められる「時間帯」を指します。例えば「8時〜20時」までをフレキシブルタイムと設定した場合、この時間の中で8時間を好きなタイミングで選択すれば良いよ。ということです。また、1ヶ月の総労働時間を超過しなければ、1日8時間、週40時間と定められている法定労働時間を超えて労働することも可能です。つまり1ヶ月の間で仕事の忙しさに波があったり、勤務時間帯に自由度をもたせたいというニーズには合致していると言えます。

但し、「フレキシブルタイム」だけを設定した場合時間帯によってメンバーが集まりにくくなったりすることがあります。
そのために「コアタイム」を設定する企業が増えております。

「コアタイム」とは?

設定した「フレキシブルタイム」の中に「この時間は出勤しましょう」という時間帯を設けることを指します。
具体的には先ほどの「8時〜20時」がフレキシブルタイムであれば、その間の「10時〜14時」をコアタイムに設定するなどが一般的です。
午前中の会議は10時からにする。午後の打ち合わせは14時までに切り上げる。(保育園のお迎えなどを考慮して)そんなコアタイムの利用方法が浸透しております。

コアタイムの最適な時間帯と長さは?

一般的にコアタイムの平均時間は4時間程度。時間帯では、休憩時間を含み10時~15時の時間帯が最も多いようです。

企業側は、コアタイムが極端に長くならないように気をつけなければなりません。厚生労働省でも、長すぎるコアタイムの設定は、労働者に労働時間を委ねていることにならないと注意を促しています。

では、フレキシブルタイムはどうかというと、朝は7時から、夜は22時までくらいの時間帯が最も多いようです。朝早めに出勤して、コアタイムを迎え早めに退社するか、もしくは、コアタイムに合わせて出勤して、遅い時間まで仕事をするかという選択肢になります。

特定の曜日だけ?コアタイム設定のイロイロ

例えば、1週間のうちの特定の曜日だけコアタイムを設けて、取引先の企業に合わせたり会議の時間に割り当てる、ということもできます。
また1日の時間を分散させて、10時~12時と15時~17時をコアタイムにするなど、2回に分けることも可能です。その間、従業員はランチタイムを自由に過ごしたり、カフェでのびのびとデスクワークをする、またはどうしても平日に済ませたいプライベートの用事にあてる、などという自由な時間の使い方をすることができます。

コアタイムを適切に設定することで、コアタイムの中で集中的に成果を上げるよう意識することにもつながり、多くのメリットが得られるでしょう。

まとめ -ひとりひとりが輝けるフィールドへ-

給与面よりも働きやすさを重視する人もいる中で、働くスタイルに選択肢を増やすこと。それは、従業員ひとりひとりが個性を伸ばしながら実力を発揮でき、やがては社内全体が最高のパフォーマンスを生み出すことにもつながります。

仕事のために自分の時間を犠牲にするのではなく、ライフスタイルの中に仕事があるという位置付けは、多くの人にとって本来あるべき姿でしょう。
従業員が笑顔でいきいきと働くために、柔軟性のある、自由度の高い職場環境を目指していきたいものですね。

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