管理監督者も「勤怠管理」が必要な3つの理由

「管理監督者には残業代が付かないから、労働時間の管理は必要ない」と勘違いをしている経営者の方や人事担当者の方が少なくありません。しかし、結論から申しあげて、管理監督者も、一般の社員と同様、労働時間の管理が必要なのです。

その理由を3つ、本稿では説明します。

第1の理由:正しい給与計算を行うため

「管理監督者には残業代が付かない」というのを勝手に拡大解釈して、「管理職には一切の割増賃金が発生しない。だから、管理監督者は労働時間管理が必要ない。」と考えてしまうのは、労働基準法の解釈として誤っています。

実は、管理監督者にも、労働時間に応じて支払われるべき割増賃金があるのです。割増賃金には「時間外手当」「休日出勤手当」「深夜割増手当」の3種類があります。時間外手当とは、1日8時間、1週40時間を超えて勤務を行った場合に発生する割増賃金です。休日出勤手当は、週1日以上、またが4週4日以上与えなければならない「法定休日」に出勤した場合に発生する割増賃金です。深夜割増手当は、午後10時から午前5時までの間に勤務を行った場合に発生する割増賃金です。

管理監督者には、このうち、時間外手当と休日出勤手当は発生しません。しかし、管理監督者であっても、深夜割増手当は一般の社員と同様に発生するのです。

ですから、管理監督者が午後10時から午前5時までの間に深夜勤務を行った事実があったのかどうか、また、あったとしたら何月何日の何時から何時まで深夜勤務を行ったのか、これを客観的に把握しなければ、正しく深夜割増手当を計算することができません。

したがいまして、深夜割増手当の額を正しく計算し、ひいては、正しい給与計算を行うために、管理監督者も労働時間の管理が必要なのです。

第2の理由:健康管理のため

労働時間の管理は、給与計算のためだけに行うものではありません。過重労働や過労死を防ぐため、社員の健康管理という観点からも労働時間の管理が必要です。「命」は「お金」では買えませんから、むしろ、給与計算のためよりも、社員の健康と命を守るためというのが、労働時間管理の第一目的と言っても過言ではないかもしれません。

私は、セミナーなどで「タイムカードは社員の命を守るためのカードです」という表現を使うこともあります。サービス残業なんかも、残業代未払いの論点で語られることが多いですが、タイムカードを正しく打刻させないことは、実は、社員の命を危険にさらしているということでもあるのです。

この点、厚生労働省では、いわゆる「過労死基準」と呼ばれている通達を発表しており、医学的な観点も踏まえ、月45時間以上の時間外労働が続くと過労死の危険が高まり、月の時間外労働が100時間を超えると単月でも過労死のリスクがあるなど、過労死の恐れがある時間数を具体的に示しています。

働き過ぎたら、過労死のリスクがあるというのは、一般社員も管理監督者も同じです。ですから、「健康管理」という意味での労働時間管理は、一般社員、管理監督者を問わず、同じように行わなければなりません。この視点を、是非忘れないようにして頂きたいです。

第3の理由:業務効率改善のため

昨今、「働き方改革」という言葉が随所で話題になるよう、業務効率を改善させ、生産性を高めることが重要な経営テーマになっています。業務効率を改善するためには、社内全体の労働時間数を可視化する必要があります。このとき、一般社員の労働時間だけを可視化して、管理監督者を可視化の対象から除いてしまうと、正確な労働時間数の把握ができません。

たとえば、一般社員の残業が減って、定時になったら帰るようになったので、業務の効率化が進んだのだと思ったら、実は管理監督者が終わっていない分のフォローを夜な夜な行なっていた、ということも起こりえます。また、無駄な会議や打ち合わせなどで、労働時間をロスしているのは、一般社員よりも、管理監督者側に目立つものです。

ですから、見た目だけ、表面的だけの労働時間削減ではなく、会社全体での本当の意味での業務効率化を図るためにも、管理監督者も含めた全社員の労働時間の把握を行って頂きたいのです。

以上3点が、管理監督者も労働時間の把握が必要となる理由です。

まとめ_管理監督者の「勤怠管理」の重要性

管理監督者も労働時間を管理する、というと、「俺は部長なのにタイムカードを切らなければならないのか」などと、逆に本人からネガティブな反応をされてしまうかもしれません。

しかし、労働時間管理は、時間で縛って窮屈にするため、とか、働き方の自由を奪うため、ではなく、健康管理や、会社としての業務効率の改善のためなど、より高次元の目的のために行わなければならないものなのです。

そのことを、経営者や人事責任者が認識するのはもちろんのこと、管理監督者たる立場の方々自身にも理解してもらい、管理監督者の労働時間管理を社内に定着させていきたいものです。

 

管理監督者の労働時間を正しく把握するために、無料のクラウド勤怠管理システムIEYASUをひとつの選択肢としてはいかがでしょうか。

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ABOUTこの記事をかいた人

ポライト 社会保険労務士法人

「社員から信頼される会社作りをサポートする」を経営理念に掲げている社会保険労務士法人です。目下は、電子タイムカードやクラウド給与計算ソフトなどのHR-Techの活用や導入支援に力を入れており、お客様企業の効率改善や残業削減に貢献していきたいと考えています。