2019年7月から、ハーモス勤怠と人事労務freeeがAPI連携に対応しています。
ハーモス勤怠も人事労務freeeも大きなカテゴリーとしてはHRテックに含まれますが、ハーモス勤怠は勤怠管理に特化したサービス、人事労務freeeは給与計算機能を軸に様々な機能を包含したワンストップ型のサービスであり、方向性が異なります。
ワンストップ型の人事労務freeeでは、機能の1つとして勤怠管理も提供されていますので、確かに、人事労務freeeだけでも勤怠管理を行うことは可能です。しかし、勤怠管理に特化したハーモス勤怠を併用したほうが良いケースが少なからず存在します。
そこで、本稿では、人事労務freeeだけで足りる場合、ハーモス勤怠の併用を検討したほうが良い場合について、私なりに整理して解説をさせて頂きます。
目次
人事労務freeeだけで足りる場合
①まずは、とにかく紙やエクセルの出勤簿を卒業したい場合
従来は紙やエクセルで手作業をしていた出勤簿を、まずは何らかのシステムに置き換えて効率化を図りたいといったように、差し当たってのニーズがミニマムな場合は、基本的に人事労務freeeだけで足ります。
エクセルに勤怠を入力していたのと同じように、人事労務freeeのインターフェースに勤怠を入力することで、クラウド上で出勤簿が作成されます。そして、その出勤簿に基づき、人事労務freeeで給与計算が行われる流れになります。
②人事労務freeeに「一元化する」というニーズが高い場合
後述するように、ハーモス勤怠を併用したほうが使い勝手が良くなったり、コストが低減できるケースは少なからず存在します。
しかし、複数のHRテックを使うのではなく、なるべく1つのHRテックにまとめたいという経営方針を持っている会社もあります。
「一元化する」ということの優先順位が高い場合は、人事労務freeeの上位プランを契約したり、人事労務freeeで自動化が難しい部分にRPAを併用するなどして、業務フローを組み立てていくということが考えられるでしょう。
ハーモス勤怠の併用を検討したほうが良い場合
①フレックスタイム制や変形労働時間制などを含む場合
単純にエクセル管理を卒業したいという場合は、人事労務freeeだけで間に合うと説明しましたが、フレックスタイム制や裁量労働制の従業員がいる場合は話が変わります。
確かに、人事労務freeeの勤怠管理機能は、フレックスタイム制や裁量労働制にも対応します。しかし、「プロフェッショナルプラン」という上級プランを契約しなければなりません。
ハーモス勤怠では、これらの特殊な労働時間制が適用される場合も含めて、無料から利用開始できますので、経営判断として「1つのソフトにまとめる」ということよりも「コスト」のほうが優先順位が高い場合には、ハーモス勤怠の併用を検討してみる価値があるでしょう。
②シフト制を採用している場合
ハーモス勤怠では、シフトを設定し、シフト制の勤怠管理に対応していますが、人事労務freeeでは、シフト制の勤怠管理には未対応です。
もちろん、シフトはエクセルなどで管理して、実績のみを人事労務freeeで管理し、勤怠集計時に双方を突き合わせる、というようなことも不可能ではありません。しかし、勤怠管理業務の効率化の観点からは、ハーモス勤怠を併用するほうが望ましいと考えます。
③アラートやレポートが必要な場合
勤怠管理は、勤怠結果の集計だけでなく、過重労働の発生を未然に予防したり、36協定を超過した場合に早急に対策を講ずるなど、「プロセス」の管理も重要です。
勤怠に問題があった場合にアラートメールを管理者に配信したり、勤怠の一覧を分かりやすくレポートで出力できるなど、専門の勤怠管理サービスだからこそ備わっている機能を活用し、より高品質な勤怠管理を行っていきたいという場合は、ハーモス勤怠を併用する価値は高いと言えます。
人事労務freeeも今後、バージョンアップしてこのような機能を実装する可能性はありますが、現時点においては、ハーモス勤怠を併用しなければ、アラートやレポートの機能は利用することができません。
④労働生産性を分析したい場合
人事労務freeeには備わっていませんが、ハーモス勤怠には日報機能が備わっています。
ハーモス勤怠では、1日の勤務時間のうち、どの業務に、どれくらいの時間を使ったのかを日々登録することで、その人の勤務実態の「見える化」や傾向管理をすることができます。
勤怠管理のクラウド化によって、単に、労働時間を管理するというだけでなく、戦略的に労働時間を分析し、生産性向上につなげていこうという目的がある場合は、ハーモス勤怠を併用する必要があります。
⑤ICカードで打刻を行いたい場合
勤怠打刻の方法に関し、インターフェースへの直接入力や、スマートフォンのアプリで打刻を行う場合は、人事労務freeeの機能で対応が可能です。
しかし、ICカードを使って打刻を行う場合は、ハーモス勤怠の併用が検討に挙がります。その理由として、人事労務freeeの場合は、専用の打刻機を利用する方法にしか対応しておらず、打刻機への初期投資が発生するためです。
社内で余っているノートパソコンにICカードリーダーを接続して、ミニマムコストでIC打刻環境を整えたいといったような、コスト重視の場合は、パソコン接続のICカードリーダーに対応しているハーモス勤怠を併用することに優位性がありそうです。
併用がオススメ!
人事労務freeeの勤怠機能も、もちろん非常に使いやすく、優れたインターフェースです。
しかし、勤怠専門サービスであるハーモス勤怠を併用することで、勤怠管理の幅が広がり、場合によっては併用したほうがコスト面でもメリットがあるケースもあります。
API連携になったことで、ハーモス勤怠で集計した勤怠を給与計算を行うために人事労務freeeに連携させるハードルも下がりましたので、是非、ハーモス勤怠と人事労務freeeの併用を検討してみてください。