少子高齢化の波を受けて、企業側も人材の確保が難しくなってきているのではないでしょうか。2018年の今、18卒も19卒も学生数よりも企業の求人数が上回っており、企業は苦しい時期です。このような背景から、最近注目を集めているのが新しい雇用や転職スタイルです。今回はそのひとつである出戻り社員について解説してます。
出戻り社員とは:自己都合による退職後、再入社した社員
出戻り社員とは、その名のとおり一度何らかの理由で退職して再び同じ会社に入社してきた社員のことです。退職した理由はその人によって異なります。多くの場合は結婚や出産、介護などを理由に退職した後、しばらくしてプライベートが落ち着いたという人が出戻り社員になりやすいとされています。
ちなみに定年退職後に再雇用される場合は出戻り社員とはまたニュアンスが異なります。また、解雇や退職勧告をされた人が出戻り社員として入社するケースは非常に珍しいとされています。そのため、一般的には自己都合で退職した人たちが対象と言われており、場合によっては企業側から出戻り社員を打診される場合もあるようです。
出戻り社員のメリットとは
出戻り社員を雇用するメリットとして言われているのが、言うまでもなく即戦力になる点です。出戻り社員は一度企業の業務を経験しているので一から教育する手間や時間も省けますし、退職時と変更された部分のみを教育すればすぐに戦力として活用できる人材となります。また過去に雇用した人材なので、改めて適性や人となりを確認する必要もありませんし、企業側が解雇した人材でなければ問題なく雇用しやすい点もメリットのひとつです。
加えて、退職してからほかの企業での経験を積んでいる場合も多いので、退職時よりも様々な面でスキルアップしている可能性が高い点も大きなメリットとして挙げられています。
出戻り社員を雇用する場合のデメリット・注意点
出戻り社員の雇用は企業側にとってメリットは大きい反面、いくつかのデメリットも抱えているので慎重に検討する必要があります。
例えば出戻り社員を雇用することによって、既存の社員の中に不満が出てくる可能性があります。特に退職後に入社した社員との関係には注意しておかなければ人間関係のトラブルが起きる可能性があるので、出戻り社員の待遇だけではなく既存社員の理解や待遇にも配慮する必要があります。
また、出戻り社員の制度を導入する際には企業全体でルールや制度を調整しておかなければ、出戻り社員の待遇や勤務に関する調整がうまくできない場合が考えられます。このため事前にルールや制度を調整して、社員が再入社しやすいように配慮するのが大切です。
出戻り社員を雇用して人材問題を解消せよ
企業にとって出戻り社員の制度を導入することは、単純な人材不足や雇用の問題を解決できるだけではなく、人材育成に関する問題も解消できる点が大きな魅力となっています。結果的に離職率の改善にもつながると考えられているので、今後制度を導入する企業が増えていくと期待されています。