【働き方改革】運送業界、長時間労働是正のためのポータルサイト開設&「運転者職場環境良好度認証制度」創設

運送業界の働き方改革支援の一環として、政府では2019年9月6日に「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」を開設、さらに2019年度中には「運転者職場環境良好度認証制度」創設を予定する等の施策を講じ、業界全体の本格的な改革に乗り出し始めています。

2018年7月改訂の「過労死防止対策大綱(※1)」において、過労死や長時間労働の問題を抱える重点業種として位置づけられる運送業界について、今後の働き方改革推進の見通しを考察しましょう。

※1参考:厚生労働省「「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更が本日、閣議決定されました

そもそも「運送業」とは?

ひと口に運送業といっても、その種類は多種多様です。
業種全体をざっくり「荷物や人を運ぶ仕事」と捉えることができますが、働き方や就労環境の実態は、陸運・空運・海運の区分ごとに様々です。

本ページでは、2024年4月まで時間外労働の上限規制の適用猶予となっている「自動車運転の業務」(※2)を運送業と捉え、労働環境の現状や働き方改革の方向性を解説します。
「自動車運転の業務」とは、具体的には、トラックやバス、タクシーの運転者が該当するものとします。

※2参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

運送業界の就労環境、現状を知る

上記の前提を踏まえ、運送業界の現状を語るとするならば「慢性的な人手不足」と「ドライバーの高齢化」「低賃金・長時間労働」といった言葉に集約されます。
とりわけ、トラック運転者をとりまく厳しい現状については、厚生労働省が公開する「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」よりご確認いただけます。

参考:厚生労働省「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト_統計からみるトラック運転者の仕事

今後ますます進展する少子高齢化とそれに伴う働き手不足を鑑みれば、現状のままいけば、就労環境は一層過酷なものになっていくことでしょう。
今、業界全体でこれまでの当たり前を見直し、働き方改革の推進を目指していくことが求められます。

前述のポータルサイトより、各社の働き方改革好事例集の他、荷主と運送事業者が協力して労働時間の長時間化を是正していくためのポイントを示したハンドブックの閲覧が可能です。
現場の就労環境改善のために、ぜひお役立てください。

2019年度中にも「運転者職場環境良好度認証制度」創設へ

国土交通省は、トラック、バス、タクシーなど自動車運送事業に従事するドライバーの労働条件改善に向け、2019年度中に「運転者職場環境良好度認証制度」創設を予定しています。

「運転者職場環境良好度認証制度」とは、長時間労働の是正等の働き方改革に取り組む事業者を認証し、ホワイト経営に向けた自動車運送事業者の取組状況を「見える化」する制度のこと。
労働時間・休日に関する規定状況、労働実態といった職場環境について審査され、運転者の働きやすさが一つ星~三つ星の3段階で認定されます。
認証実施団体としては、一般財団法人日本海事協会が選定されました。

参考:国土交通省「働き方改革を重視した「ホワイト経営」へ ~トラック・バス・タクシー事業者の取組状況を「見える化」するための認証制度について検討会報告書をとりまとめ~

「自動車運転の業務」への時間外労働の上限規制適用は2024年4月から

2019年4月1日施行の改正労働基準法では、「自動車運転の業務」については2024年まで時間外労働の上限規制の適用が猶予されています。
また、猶予後の取扱いについても、その他の事業とは異なる点に注意が必要です。

出典:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

業務の特殊性は考慮されるものの、基本的には今後、全業種において、適切な労務管理が求められることになります。
働き方改革の推進が困難な業種においては、業界全体で「昔からこうだった」の思い込みにとらわれることなく、前向きに就労環境の改善に目を向けていく姿勢が重要となります。

2024年4月に向け、体制整備を進めましょう。

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