【学校の働き方改革】2022年度「小学校の教科担任制」開始の方針|教員の働き方はどう変わる?

2022年度にも、公立小学校高学年を対象に「教科担任制」を導入される見込みであることが判明しました。教科担任制の導入に際しては、小学校教育における指導充実の他、教員の働き方改革実現もまた、狙いの一つとのこと。本稿では、制度概要、学校における働き方改革実現への影響を確認しましょう。

【2022年から導入の見通しとなった「小学校の教科担任制」とは?

現在、中学校、高校で主流となっている教科担任制(教科ごとに専門の教員が指導する授業形態)が、2022年より小学校5、6年生を対象に本格導入される方針が中央教育審議会によって示されました。

参考:文部科学省「新しい時代の初等中等教育の在り方 論点取りまとめ(令和元年12月 初等中等教育分科会)

資料によると、教科担任制導入の主な狙いとして

  • 教材研究の深化
  • 授業準備の効率化による指導の専門性・質の向上、教師の負担軽減
  • 児童の学力向上
  • 複数教師による多面的な児童理解
  • 義務教育9年間を見通した指導体制の整備

等が挙げられるとのこと。今後は教科担任制に必要な教員の確保、教員間の分担の工夫、教員養成・研修の仕組みの構築等への対応が課題となりそうです。

教科担任制は教員の働き方改革を推進させるのか?

小学校の教科担任制に関わる制度設計への検討は今後さらに進められるとして、労務管理の観点から重要な議論といえば「教科担任制が働き方改革に寄与するのかどうか」です。

確かに、指導教科が限定されることで、授業準備に取り組みやすくなる他、労働時間の長時間化の是正や変形労働時間制導入がしやすくなる等、教員の働き方改革を考える上でメリットは多岐に渡るものと想定されます。

しかしながら、その一方で「そもそも小規模の学校では教科担任制に対応できない」「クラス担任が児童と向き合う時間を十分に確保できなくなることで、いじめ等への対応が困難となる可能性がある」といった問題を軽視することはできません。これらの点については、学校規模に関わらず専門教員を配置できるようにする、また、教員間で児童に関わる情報交換を行えるようにする等の対応を可能とするという観点から、国が主導して充分な人員を確保していく必要があります。

深刻化する働き手不足への対応は民間企業でもすでに大きな課題として浮き彫りとなっていますが、今後、教育現場においても同様に、

  • 多様な人材の活用
  • ICT環境の整備と活用

に注目していくべきであることは言うまでもありません。働き方改革の根本は、企業であっても学校であっても何ら変わりはないのです。

教育現場における「多様な人材の活用」「ICT環境の整備と活用」については、既出の資料にて下記の通り、大まかな方針が示されています。ここでは労務管理上特筆すべきポイントのみを抜粋してご紹介します。

多様な人材の活用

教育界内外から人材を確保するため、教員養成、採用、免許制度に関わる方策の検討
免許状を持たない社会人の登用及び社会人等による普通免許状取得
 教員免許更新制
 学校や自治体をまたいだ教職員の配置

ICT環境の整備と活用

教師を支援するツールとしてのICT環境や先端技術が不可欠
指導・支援の充実と時間・労力削減、校務効率化のため、デジタル教科書・教材、ビックデータの活用、校務支援システム導入の実現、遠隔技術を活用した教員研修・会議実施を推進

教科担任制導入と学校における働き方改革への着手は、いわば車の両輪。その両方を上手くかみ合わせることで初めて、教員の就労環境が改善されていきます。

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