当初は2019年度施行予定となっていた働き方改革関連法案ですが、中小企業における施行が一年程度延期の見込みであることが、年明けに明らかとなりました。
中小企業の働き方改革は、概ね一年猶予へ
ここ2年ほど、報道等で話題にあがることの多かった政府主導の働き方改革。最近ではすっかりおなじみのキーワードとなっています。しかしその一方で、いつから、どのような形で本格的に始まっていくのか、未だ不透明な部分が多いことも事実です。
厚生労働省によると、昨秋の衆議院解散の影響を受け、働き方改革関連諸制度の適用が延期の方向で調整されているとのこと。現段階での施行予定時期は、以下の通りです。
大企業 | 中小企業 | |
時間外労働の上限規制 | 2019年4月〜 | 2020年4月〜 |
高度プロフェッショナル制度 | 2019年4月〜 | |
同一労働同一賃金 | 2020年4月〜 | 2021年4月〜 |
参照:日本経済新聞「働き方改革、中小1年猶予 残業規制と同一賃金」
「高度プロフェッショナル制度」は当初の予定通り2019年度からの運用予定であるものの、中小企業の多くに関係する「時間外労働の上限規制」「同一労働同一賃金」については上記の通り、開始が先送りになる予定です。制度導入に伴う準備に時間を要す関係から、主に中小企業における導入が猶予されたことになります。
働き方改革の柱となる各種制度については、打刻ファーストでもすでにご紹介しています。
今一度、ご確認ください。
【参考記事】「年収1075万円以上の高度人材、本当に正しく評価できていますか?」
【参考記事】「労働基準法改正まであと2年!「残業時間100時間」が上限規制に?」
【参考記事】「管理監督者の勤怠管理も義務に?どうなる「時間外労働(残業)の上限規制」(続報)」
先延ばしは禁物!中小企業における働き方改革対応
現場においては、「働き方改革関連法案の施行延期=焦って準備する必要はない」ということにはなりません。
例えば、恒常的に残業時間が長くなりがちな職場で時間外労働の上限規制にどう対応するか。ベテランのパート・アルバイトを多く抱える現場で同一労働同一賃金をいかにして考えるべきか。このあたりの解決策の検討は一朝一夕にはいかないからです。既に定着している働き方を変えることは、労使双方にとって容易なことではありません。よって、単に就業規則や賃金規程などを整備するだけでは実運用がついていかず、結局、諸制度の導入に失敗してしまうだけです。まずは各制度について理解を深め、職場意識の改善を図っていきましょう。その上で、時間をかけて会社に合った形での導入を検討していかなければなりません。
働き方改革の実現は文字通り「改革」であり、おそらく事業主の皆さんが想像されている以上に大きな仕事となるでしょう。施行が猶予されたとはいえ、現場においては今すぐにでも準備を始めるべきです。
働き方改革の第一歩は、「適切な勤怠管理」から
とはいえ、働き方改革に向けて何から始めれば良いのか、いまいちピンとこない方は少なくないかもしれません。そんな場合にはまず、御社の従業員の「働き方」を正しく把握することから始めましょう。具体的には、正しい形で勤怠を管理し、実態を知ることです。勤怠データから、おのずと職場の問題点や課題が明らかになります。例えば、長時間労働が恒常化する人や部署が特定されることで、より効果的な取組みの検討ができるようになるでしょう。
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働き方改革は、「机上の空論」では何の意味もありません。勤怠管理で分かることを通じて、現場に活きる様な改革を検討されてみてはいかがでしょうか?