「労働時間」関連違反が顕著!トラック運転者の長時間労働改善に特別相談窓口の活用を

2023年4月から中小企業にも適用される「月60時間超の時間外労働割増賃金率引き上げ」、さらに2023年3月31日をもって「時間外労働の上限規制」の猶予期間が終了することから、目下、トラック運転者の長時間労働改善が急務となっています。今後、自動車運転業における課題、打開策の検討に、本格的に目を向けていく必要があります。

2021年度監督指導では「労働時間」関連違反が最多

厚生労働より公表されたトラック等の自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導状況では、全体の8割に労働基準関係法令違反があり、このうち「労働時間」関連の違反が最も多く確認される事態となっています


出典:厚生労働省「自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導、送検等の状況(令和3年)

労働時間関連での主な違反事項としては、「総拘束時間」「最大拘束時間」「休息期間」「最大運転時間」「連続運転時間」等が挙げられます。自動車運転者に対する、労働時間等改善の進まぬ現状が明らかとなりました。

2022年8月1日に「トラック運転者の長時間労働改善特別相談センター」が開設

こうした状況を受け、厚生労働省は、トラック運転者の長時間労働改善に向けて、「労務管理の改善」、荷主と運送事業者の協力による「作業環境の改善」等を図るための相談センターを設け、幅広く荷主企業と運送事業者の相談対応にあたっています。

「トラック運転者の長時間労働改善特別相談センター」に関わる詳細は以下の通りです。

  • 設置期間 2022年8月1日~2023 年3月31日
  • 開所日時 月~金曜日の9時~17時(祝日・年末年始、12時~13時を除く)
  • 相談料金 無料
  • 相談方法 電話または下記のウェブサイトから問い合わせを受け付け。
    ※対面の相談場所は設置しておりません。
    電話:東日本 0120-763-420
    西日本 0120-625-109
    ウェブサイト:トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト

参考:厚生労働省「トラック運転者の長時間労働改善特別相談センター」を8月1日に開設

2023年度中に予定される改正法施行に対応すべく、長時間労働の改善を

冒頭でも触れたとおり、2023年4月からは、13年間にもわたり猶予されてきた「月60時間超の時間外労働割増賃金率引き上げ」が、ついに中小企業でも適用となります。これに加え、「自動車運転業務に係る時間外労働の上限規制」適用猶予も、2023年3月31日をもって終了となります。自動車運転業に携わる運送事業者においては、かねてより問題視されてきた長時間労働の課題と本格的に向き合う段階に入ってきています。

中小企業において対応が必要となる「月60時間超の時間外労働割増賃金率引き上げ」

「月60時間超の時間外労働割増賃金率」に関しては、すでに大企業では2010年4月より「50%」に設定され、中小企業においては現状「25%」で良いことになっています。この点、2023年4月以降は中小企業でも大企業同様、「50%」の割増賃金率が適用されることになります。これにより、長時間労働の傾向にある事業場においては人件費増が深刻な経営課題となるため、労働時間削減に取り組む必要が生じるでしょう。

参考:厚生労働省「月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます!

関連記事:『2023年4月より中小企業でも適用!「月60時間超の時間外労働割増賃金率引き上げ」とは?

2024年度からは、自動車運転業務にも例外なく「時間外労働の上限規制」が適用に

加えて、時間外労働の上限規制については、現状、適用が猶予されている自動車運転業務を含む一部の事業・業務においても対応の必要が生じます。2024年4月以降、自動車運転の業務では、特別条項付36協定を締結する場合の年間の時間外労働の上限が「年960時間」となります。

参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

現状を知り、御社の課題を正しく見極めよう

トラック運転者の長時間労働対策においては、「労働生産性の向上」「運送事業者の経営改善」「適正取引の推進」「多様な人材の確保・育成」等、あらゆる観点からの検討が不可欠です。「何から手を付けるべきか分からない」という現場も少なくないでしょうが、これらのうち重点的に取り組むべきテーマの確認、課題抽出における大前提として、まずは「現状を正しく知ること」が挙げられます。そのための第一歩に、「適正な労働時間把握」があります。遅々として進まぬ御社の長時間労働対策、無料の勤怠管理システム ハーモス勤怠 by IEYASUの導入から始められてみてはいかがでしょうか?

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