時差出勤とフレックスタイム制。柔軟な働き方を推進するうえでどちらを選択すべきか?

柔軟な働き方を推進するうえで、よく候補に挙がるのが「時差出勤」と「フレックスタイム制」。出勤時間や退勤時間を選択できることから似ているように思われる2つの働き方ですが、全く異なる制度になります。
今後、柔軟な働き方を推進するうえでも、今一度「時差出勤」と「フレックスタイム制」について整理してみましょう。

時差出勤とフレックスタイム制

時差出勤とフレックスタイム制の違いについては以下の通りとなります。

時差出勤

  • 始業時刻のパターンをいくつか用意し、その中から従業員が任意若しくは会社指示により選択する
  • 1日の所定労働時間は固定であり、8時間超の時間は時間外労働となる
  • 始業時刻から休憩時間を除いて所定労働時間が経過した時刻が、自動的に終業時刻となる

フレックスタイム制

  • 1日の始業及び終業の時刻を従業員が任意に決定する
  • 予め清算期間における総労働時間を設定し、その時間が所定労働時間となる
  • 1日の労働時間は流動的であり、清算期間内における法定労働時間の総枠を超えない限り、8時間超でも時間外労働とならない

毎日必ず8時間の勤務を想定されているのでしたら、時差出勤の導入を検討、1日8時間を基準としていても、従業員が任意に始業・終業時刻を決定(必然的に1日の労働時間も本人が決定)するいうことであれば、フレックスタイム制の導入を検討するのが良いでしょう。フレックスタイム制の清算期間については3ヶ月以内で会社が決定した期間となりますので、1週間とすることも可能です。

時差出勤やフレックスタイム制を導入する場合、就業規則に当該制度にて勤務させる旨を規定する必要があります。加えてフレックスタイム制の場合、対象の範囲や清算期間などを労使協定で定めることが必要となります。

現状と今後の企業運営を踏まえて方向性を定めましょう

現在、新型コロナウイルス感染症の影響で「在宅勤務」や「時差出勤」など柔軟な働き方を検討する時期だといえます。

しかしながら、実際の業務と照らし合わせ効率よく行えるものは何か、勤務形態を変更した場合に人事評価や勤怠管理など見直すべきものは他にあるのかをしっかりと認識しなければなりません。

新型コロナウイルス感染症により変えた働き方に、不具合な部分や営業に支障をきたす部分はなかったかを慎重に見極める必要があるでしょう。緊急時の対応と平常時の対応は異なるはずです。営業形態によってはフレックスタイム制より1年単位・1ヶ月単位の変形労働時間制が有効である場合もあります。これを機に、部門ごとに勤務形態を見直すことも選択肢といえるでしょう。

人事制度は一つ変えるだけで済むものではありません。整合性が不可欠となりますので、現状と今後の企業運営を踏まえて方向性を定める必要があると言えます。

困ったら専門家に相談することを検討

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