過労死防止対策のカギに!働き方改革の一手として「勤務間インターバル導入」のススメ

企業における過労死ゼロを目指す上での指針となる「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が、平成27年7月の策定から3年を迎えた今年、一部変更され、新大綱として公開されました。今回の改定では「勤務間インターバル制度」に関する数値目標が明記され、働き方改革の推進が強く意識された内容となっています

これからの過労死防止対策 ポイント5つ

このたびの「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更内容について、ポイントは下記の5点です。

出典:厚生労働省『「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更が本日、閣議決定されました

この中で着目すべきは、勤務間インターバル制度の周知や導入に関する具体的な数値目標が盛り込まれていることです。新大綱には、EU諸国では法令によって1日24時間につき最低連続11時間の休息時間の確保を義務化していることを踏まえ、日本においてもこれに準ずる形で、企業規模や職種・業種に応じた勤務間インターバル制度を導入できる様、政府が主体となって取り組みを推進していく旨が明記されています。

取り組みの内容は未だ具体的とは言えませんが、本文中では下記2つの方針を掲げています。

✓ 助成金の活用や好事例の周知等を通じて、勤務間インターバル制度の普及、導入に向けた取組を推進
✓ 「勤務間インターバル制度普及促進のための有識者検討会」における検討結果を踏まえた取組を推進

過労死防止対策として注目される「勤務間インターバル」制度とは?

ところで、皆さんは「勤務間インターバル制度」について、正しく理解されているでしょうか?
制度概要については、打刻ファースト内でも既に解説記事をアップしていますので、ご一読ください。

参考:打刻ファースト「勤務間インターバル規制とは?

併せて、図を参照しながら理解を深めましょう。

□ 勤務間インターバル制度とは・・・

「1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を確保する仕組み」のことを言います。
働く人が生活時間、睡眠時間を十分に確保するために有効な施策とされています。

出典:岐阜労働局「働き方改革 ~一億総活躍社会の実現に向けて~

平成30年1月の就労条件総合調査によると、調査対象6400社のうち、勤務間インターバル制度を導入している企業は1.4%だったほか、導入を検討している企業も5.1%にとどまるという結果に。つまり、9割超の企業が「導入を検討していない」という現状が明らかになりました

参考:日本経済新聞「インターバル制度導入 「検討しない」9割 厚労省調査

このたびの働き方改革を受け、今後、勤務間インターバル制度への現場の意識はどのように変わっていくのでしょうか?注目されるところです。

「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」は平成30年度から助成拡充

政府では、勤務間インターバル制度の普及のために、導入企業の好事例集を公開する、助成金を設けるなどの取り組みが行われています。
社内制度として、これから勤務間インターバル制度を導入される際には、ぜひ「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」の活用をご検討ください。

本助成金は、平成30年度から助成内容が拡充され、使い勝手が良くなっています。

            ↓   ↓   ↓

○ 一定の要件を満たした場合に、助成率を 3/4 から 4/5に上乗せして支給
○ 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入、業務研修、人材確保等のための費用等、助成対象となる取組を追加

時間外労働等改善助成金 – 対象事業主

労働者災害補償保険の適用事業主であり、次の①から③のいずれかに該当する事業場を有する中小企業事業主であること。

①勤務間インターバルを導入していない事業場
②既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下である事業場
③既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場

時間外労働等改善助成金 – 成果目標

・新規導入【対象事業主が①に該当する場合】
新規に所属労働者の半数を超える労働者を対象とする勤務間インターバルを導入すること

・適用範囲の拡大【対象事業主が②に該当する場合】
対象労働者の範囲を拡大し、所属労働者の半数を超える労働者を対象とすること

・時間延長【対象事業主が③に該当する場合】
所属労働者の半数を超える労働者を対象として、休息時間数を2時間以上延長して、9時間以上とすること

時間外労働等改善助成金 – 支給対象となる取り組み(下記の内、いずれか1つ以上実施)

1. 労務管理担当者に対する研修
2. 労働者に対する研修、周知・啓発
3. 外部専門家によるコンサルティング
4. 就業規則・労使協定等の作成・変更
5. 人材確保に向けた取組
6. 労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、デジタル式運行記録計の導入・更新
7. テレワーク用通信機器の導入・更新
8. 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

時間外労働等改善助成金 – 支給額

「成果目標」を達成した場合に、支給対象となる取組の実施に要した経費の一部を支給

※常時使用する労働者数が30名以下かつ、支給対象の取組で6から8を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5となります

以上、出典:厚生労働省「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)

「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」の申請受付は、平成30年12月3日(月)まで(必着)となっており、申請数によってはこの期限以前に締めきってしまう可能性もあるとのこと。働き方改革の柱である「長時間労働の抑制」に、勤務間インターバル制度の導入が有効かどうか、今一度ご検討ください。

実際の導入事例は、こちらからご確認いただけます。

参考:厚生労働省「勤務間インターバル制度導入事例

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HM人事労務コンサルティング 丸山博美

起業したての小さな会社支援を得意とする社労士事務所、HM人事労務コンサルティング代表・丸山と申します。 創業当初の事業主様に不足しがちな「経験」「人脈」「知識」を、 社会保険労務士という立場からサポートいたします。 労務関連の手続きやご相談、就業規則作成、助成金申請・・・等々、どんなことでもお気軽にご相談ください!東京はもちろん、日本全国からのご依頼に対応させていただきます。