短時間休業における休憩時間の取扱いとは?|休憩時間は休業に含まれる?含まれない?

新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間を短縮し、短時間休業としている企業もあるのではないかと思います。
この短時間休業についても雇用調整助成金の申請が可能となったのは4月10日、5月20日付発行のリーフレットに記載されていますが、本稿ではこの短時間休業の際の休憩時間は休業に含まれるのかということを解説していきます。

休憩時間は休業に含んで計算するべきなのか?

例えば、8時~17時勤務(休憩12時~13時)の従業員について12時に退勤させた場合、休業時間は以下のどちらになるのでしょう?

・12時~17時(5時間)
・13時~17時(4時間)

結論は、短時間休業に休憩が含まれる場合、休業時間数は休憩時間を除外した実際の就業時間で計算を行うことになります。
なお、休業の中途に休憩時間が含まれる場合も同じ取扱いをいたしますので、上記で、例えば13時~14時が休憩時間の場合なども、休業時間数は4時間として計算することとなります。

なぜ休憩時間が休業に含まれないのか

休業とは、労働者が事業所において所定労働日に働く意思と能力があるにもかかわらず労働することができない状態を言い、休業手当の対象となります。雇用調整助成金の要領においては、所定労働日の所定労働時間内において1時間以上労働することができない状態を短時間休業と定義づけており、1日の所定労働時間のうち、一部(例えば9時~10時)を休業することをいいます。また、労働義務がない、労働の意思がない、労働能力を喪失している場合は休業手当の対象となる休業にはあたりません。

休憩時間とは、労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間を言い、途中付与、一斉付与、自由利用の3つの原則があります(労働基準法第34条)。休憩時間は労働から離れる(義務がない)わけですから労働時間には含まれません。また、就業規則の絶対的記載事項となっています。
これらのことから、休業手当の支給対象となる休業(短時間休業)に休憩時間は含めないことになります。

雇用調整助成金における短時間休業の取扱い

4月10日、5月20日付発行のリーフレットに、新型コロナの影響による特例措置が記載されています。
・部署や部門ごとの短時間休業(業績の落ち込んだ一部門のみ、製造ラインごとの短時間休業など)
・職種や仕事の種類に応じての短時間休業(常時配置が必要な労働者以外の労働者の短時間休業など)
・シフトなど、勤務体制による短時間休業(8時間4交代制を6時間3交代制とすることによる2時間分の短時間休業など)
が可能となりました。

就業規則が原則

就業規則には、始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項の記載が必ずあります。(労働基準法第89条 絶対的必要記載事項)

助成金の申請などにおいて、要件に該当するか否かを判断する際に重要な内容にもなります。就業規則に記載されている内容どおりに就業していることが原則ですので、仮に実態とかけ離れていることが判明したら、速やかに変更・改正することが必要です。

変更・改正した就業規則は、所轄労働基準監督署に提出する義務があることは言うまでもありません。

困ったら専門家に相談することを検討

労務関係や助成金のことで、困ったことや具体的に聞きたいことがあれば社会保険労務士に相談してみるのも一つの方法です。
もしお困りのことがございましたらこちらをクリックし、どんな小さなことでもお気軽にお問い合わせください。

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社労士法人 人事部サポートSR 社労士:針谷正昭

「外部人事部」をコンセプトに、幅広い人事領域をサポートする社労士法人、人事部サポートSRの針谷です。企業人事での実務経験、社労士として数々の企業様への労務コンサル経験をもとに、人事実務家の目線にたって企業様をサポートします。給与計算や手続きなど実務を通じて把握した労務課題への改善提案、さらに採用支援や人事制度の導入提案も手がけ、企業人事の皆様を幅広く支援します。まずはお気軽にお問い合わせください!