2024年10月より、人材開発支援助成金の一部で助成対象とされる「定額制サービスによる訓練」の要件が見直しに

社労士に寄せられるご相談の中でも「助成金」関連は特に多く、中小企業における関心の高さが伺えます。雇用関係助成金を受給するためには、まず大前提として「適正な労務管理が行われていること」が挙げられますが、これに加え、「要件・手順の遵守」もまた不可欠となります。これを実現するためには、常に最新の助成金情報をキャッチアップできていなければなりません。今号では、人材開発支援助成金の一部で助成対象とされる「定額制サービスによる訓練」の要件見直しについて確認しましょう。

2024年10月1日改正 人材開発支援助成金関連の「定額制サービスによる訓練」の要件

定額制サービスによる訓練は、人材開発支援助成金のうち、「人への投資促進コース(定額制訓練・自発的職業能力開発訓練)」及び「事業展開等リスキリング支援コース」で助成対象となっています。従来、助成金の支給対象外とされてきた定額受け放題研修サービス(サブスクリプション)が取り組みとして認められるようになったことは、企業における助成金活用促進に寄与するとして、個人的には特に注目していた部分です。

関連記事:「人材開発支援助成金に新設された「人への投資促進コース」!今後活用が進みそうな「定額制訓練」とは?

2024年10月以降の「定額制サービスによる訓練」見直し項目

このたび、「定額制サービスによる訓練」の要件について、見直しとなった点を確認しましょう。

○ 人への投資促進コースの定額制訓練、自発的職業能力開発訓練、事業展開等リスキリング支援コースの助成額の上限額を1人1月あたり2万円に設定

○ 人への投資促進コースの定額制訓練、自発的職業能力開発訓練、事業展開等リスキリング支援コースにおいて定額制サービスによる訓練を実施する場合、労働者1人1年度あたり3回に設定
※「労働者1人1年度あたり3回」というのは、4月1日から翌年3月31日までの支給申請回数となります。ただし、2024年度に限り、10月1日から翌年3月31日で3回とします。
※「労働者1人1年度当たりの支給回数の設定」に関しては、「人への投資促進コース(自発的職業能力開発訓練)」「事業展開等リスキリング支援コース」では従来も「3回」の回数設定がありました。しかしながら、今回の改正で、「①人への投資促進コースの定額制訓練」「②自発的職業能力開発訓練」「③事業展開等リスキリング支援コース」の3つのメニューで横断的に定額制サービスによる訓練を実施する場合に、回数のカウントは3つのメニュー合計で労働者1人1年度あたり3回となりました。例えば、定額制サービスによる訓練を①で1回、②で1回活用した場合、①~③のいずれかで残り1回となります。

○ 定額制サービスに係る訓練について、既に申請した定額制サービスと対象事業所、訓練内容が同一、かつ、契約期間が重複する定額制サービスを申請する場合は、重複している契約期間は原則助成対象外に

○ 契約が自動更新である定額制サービスの場合、改正前は契約の更新期間ごとに計画届を提出することを原則としていましたが、1年間を上限として、最初に締結した契約期間の初日から、事業主が任意に設定する日までの期間ごとに、計画届を提出するという方法に変更

申請は新様式で!

制度見直しに伴い、計画届の提出の際に必要な「対象者の一覧を記載する様式」、支給申請の際に必要な「経費助成額を算定するための様式」について、各コースで変更が生じています。「職業訓練実施計画書(様式第1-1号)」の届出日が2024年10月1日以降である助成金申請より、新制度の適用となりますので、漏れなく対応できるようにしましょう。
何かと複雑な助成金申請は、準備段階から社労士にご相談いただくのがお勧めです。

参考:厚生労働省「人材開発支援助成金(定額制サービスによる訓練)について、令和6年10月1日から制度の見直しを行いました。

LINEで送る

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事