緊急事態宣言解除後一時的に業務過多に。36協定特別条項付は再締結可能か?

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が解除され、一時的に業務が増えてしまったという企業もあるかと思います。
その際に注意しなければいけないのが36協定の上限時間についてです。

もし一部の部署で36協定限度時間(月45時間・年360時間)を超過する可能性がでてきてしまった場合、一度締結している36協定を特別条項付きの36協定を締結しなおすことは可能なのかということについて、本稿ではまとめていきます。

36協定の再締結が可能になった

令和2年3月17日厚生労働省発基0317第17号により、36協定の再締結が可能になりました。しかし再締結には労使双方による同意が必要になり、使用者による一方的対応はできないため、その点は注意をしなければなりません。

また、この場合は「再締結」であり、労使協議の後に新たな36協定を所轄の労働基準監督署に届出る必要があります。
  
再締結の際には再締結前の協定を上書きすることお勧めします。そうすると「年間の上限時間」や「特別条項における年6回の制限」の管理が煩雑にならずにすみます。有効期限についても再締結前の協定と同日とし、再締結前分と併せて保管するようにしてください。

再締結分が有効となるのは、労基署が受理した日以降です。そのため、限度時間の超過が発生すると予測された場合は、その月内に再締結した36協定を届出る必要があります。

特別条項の運用

特別条項運用において「通常予見することのできない業務量の大幅な増加」「臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合」をできる限り具体的に示す必要があります。 繫忙の理由が新型コロナウイルス感染症とするものと明記されていなくても、事由が具体的に記されていれば特別条項の理由として認められます。

非常災害等の理由による労働時間延長・休日労働許可申請

今回の新型コロナウイルス感染症による医療従事者、マスクや消毒液、治療に必要な医薬品等を緊急に増産する業務等については、例外なく36協定・届出を条件とすることは実際的ではなく、労働基準法第33条第1項の「災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合」に該当します。
『非常災害等の理由による労働時間延長・休日労働許可申請書』を、事後遅滞なくご提出ください。

どんな状況でも労務管理はしっかりと

新型コロナウィルスの影響で、通常以上の勤怠管理対応を迫られている企業も多いでしょう。日々刻々と状況が変化するなか、勤務の年間計画を立て、閑散・繁忙の時期を特定することが難しいと思います。

しかし、いくら一時的な業務量増加のためとはいえ、長時間労働を続ければ、疲労による体力低下でウイルス感染しやすくなるなど健康リスクは当然高まります。特別条項限度いっぱいの過度な長時間労働になる状況は極力避けるようにしたいものです。

現在お使いの勤怠管理システムがあれば、残業アラート機能などを使ってしっかりと管理していくことができます。時間外労働を管理する機能がないか、今一度確認してみてください。また、各種アラート機能など便利な時間管理機能を備えたシステムがありますので、お使いでない場合はこの機会に導入を検討されてはいかがでしょうか。

無料のクラウド勤怠管理システムIEYASUは、上記で記載している各種アラート機能など便利な時間管理機能を備えていますので、ぜひご活用ください。

困ったら専門家に相談することを検討

労務関係や助成金のことで、困ったことや具体的に聞きたいことがあれば社会保険労務士に相談してみるのも一つの方法です。
もしお困りのことがございましたらこちらをクリックし、どんな小さなことでもお気軽にお問い合わせください。

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