日本の健康保険には、皆が知っておくべき 「被扶養者」 という重要な概念があります。会社の健康保険では、一定の条件を満たす配偶者や子供が被扶養者として保険料を負担せずに医療や給付を受けることができます。しかし、被扶養者として認定されるためには、収入条件だけでなく国内居住要件も満たす必要があります。この記事では、被扶養者の条件や注意点について詳しく解説します。
健康保険の被扶養者とは?
日本の健康保険は国民健康保険と会社の健康保険がありますが、会社の健康保険には扶養という考え方があり、一定の収入未満の配偶者や子供などは健康保険上の扶養となり保険料の負担はなく、病気・怪我・死亡・出産についても保険給付がされます。
健康保険上の被扶養者の収入は年130万円未満(60歳以上または障害を持つ場合は180万円未満)となっております。これは、収入の実績ではなく今後の見込みで判断されるものであるため、例えば配偶者が会社を退職し、すぐには就職しない見込みである場合、今後年130万円未満の収入が見込まれる場合は、扶養に入る手続きをします。
同居していない場合でも、年間収入が130万円未満であって、毎月扶養する人から仕送りがあることが確認でき、仕送り額よりも収入が少ない場合も扶養に入る手続きをします。
収入だけでなく、国内居住要件も扶養条件に
令和2年4月1日以降は、被扶養者が日本に住んでいることも扶養の条件に追加されました。ただし、留学している学生、配偶者の海外赴任に帯同する家族、一時的に海外に観光などで行く人は海外に住んでいても特例で健康保険の扶養となります。
収入に含まれるものに注意
被扶養者の年間収入は、継続して得られるものは非課税となるものでも含みます。例えば、健康保険の傷病手当金や出産手当金、雇用保険の失業等給付(日額3,611円を超える場合)も含まれます。
雇用保険の失業等給付の場合、待機期間中は配偶者の扶養に入り、雇用保険の失業等給付を受給中は扶養から外れ、雇用保険の受給が終了したら、また扶養に入ります。
一方で、課税・非課税を問わず一時金のようなものは収入には含まれません。例えば、一時金として支給された保険金、一時金として受け取った退職金、健康保険の出産育児一時金は収入には含まれません。
まとめ_条件を理解し適切な手続きを行いましょう
日本の会社の健康保険制度における被扶養者とは、一定の収入未満の配偶者や子供などが対象となり、保険料負担なく各種給付が受けられる仕組みです。被扶養者の収入要件は年130万円未満であり、令和2年4月1以降は国内居住要件も追加されました。収入には継続的に得られるものが含まれ、一時金は含まれません。これらのポイントを押さえ、適切な手続きを行うことで、健康保険の恩恵を最大限に受けることができます。