【懲戒処分とは?】一般的な懲戒処分の種類と程度、懲戒免職と懲戒解雇の違いについて解説

懲戒処分とは、業務命令に従わない人や犯罪行為を行った人に対して執行するもので、会社組織の秩序を保つことを目的としています。従業員に不利益を及ぼすことから、処分の基準を客観的に定め、就業規則にリストアップしておくことが重要です。処分の種類について、それぞれの特徴や処分執行時の注意点について解説します。

企業における懲戒処分とは?

「懲戒処分」とは、従業員の秩序違反行為に対して課す制裁・罰則のことを指します。
企業が従業員に対して懲戒を行うには、予め就業規則にその種類と程度を記載しておき、就業規則に定める手続きを踏む必要があります(労働基準法第89条)。
つまり、企業における具体的な懲戒処分の内容や程度は企業ごとに異なります。
懲戒にはいくつかの種類がありますが、本項では一般的な懲戒処分についてご紹介いたします。

戒告・譴責〜厳重注意の意味合いもある〜

懲戒処分としては最も軽いもので、従業員が引き起こした非違行為(ルール違反)について反省を促す目的で行われるものです。戒告は口頭注意のみ、譴責では始末書の提出を求めるのが一般的とされています。同一理由での戒告・譴責処分が累積した場合は減給など別の処分が検討される他、ローパフォーマンス社員としての普通解雇を検討する材料としても用いられます。

減給〜減給額には上限がある〜

労働の対価である賃金の一部を差し引く処分で、従業員の生活への影響を実感させて反省を促す意味合いを持っています。1回の減額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、また、総額が賃金支払い期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない(労働基準法第91条)というルールがあるので注意が必要です。

出勤停止〜自宅待機とは異なる〜

会社の秩序を大きく乱す事案だと判断した時に選択される処分で、数日〜2週間程度の期間を想定する会社が多いです。出勤停止期間中の賃金は支払わず、有給休暇の充当も許さないことから労働者の収入が大きく減少することになり、即時解雇より重いと考える人もいるようです。懲戒処分を決定するための調査を行う目的で労働者を自宅待機させる場合は、懲戒処分の一環と解釈されないよう業務命令として対応する必要があります。

降格〜懲戒としての降格と人事政策上の降格とを区分する必要がある〜

管理職を解任したり職務の権限を狭めたりする処分で、労働者のモチベーションにも影響を及ぼします。非違行為の時期と人事異動の時期が近接する際は、人事権の濫用だと主張されないよう降格の理由を明確にし、降格を決定するための客観的資料を十分揃えておくのが賢明です。

諭旨解雇・諭旨退職〜〜

諭旨解雇とは、問題行動のあった従業員に対し一定期間内に退職届を提出するように勧告し、勧告に従い退職届が提出された場合は依願退職扱い、提出されない場合は懲戒解雇とする懲戒処分です。
懲戒解雇は従業員にとって不利益が大きいため、退職届を提出させる機会を与えるものです。

懲戒解雇〜重大な背信行為があった際に選択される〜

会社から即時追放しなければ秩序維持や事業の正常運営に重大な支障を及ぼすと判断したい際に選択される、懲戒処分としては最も重い処分です。退職金の全額又は一部を不支給とする措置も伴いますが、本人の反省度合いによっては諭旨解雇処分を選択して自主退職扱いとするケースもみられます。なお、解雇予告手当を支払わず即時解雇する場合は、労働基準監督署による解雇予告除外認定を受ける必要があります。

番外編|懲戒解雇と懲戒免職の違いとは?

懲戒解雇:企業に務める会社員
懲戒免職:公務員

懲戒解雇は一般の会社員に対してなされる処分で、懲戒免職は公務員に対する処分です。現在の仕事を失うという点では、一般的に同じ意味として使われています。

処分執行時は労働者の言い分を十分に聞くことが大切

懲戒処分は会社の一存で執行可能ですが、処分の重さや理由によってはADR機関(労働局)や裁判所に処分無効を申し立てられる場合もあります。また、就業規則に定めた基準以外では懲戒処分を行えません。処分検討する際に労働者本人が弁明する機会を設けて妥当性を検討することが、懲戒処分を適正に執行する上では大切なことです。

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