9月は「職場の健康診断実施強化月間」!どうする?コロナ禍の定期健康診断

厚生労働省は、毎年9月を「職場の健康診断実施強化月間」に定め、労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断、その結果についての医師の意見聴取及びその意見を踏まえた就業上の措置等への実施を事業者に呼びかけています。コロナ禍においては特に進まぬ傾向にある職場の健康診断ですが、御社では順調に実施できているでしょうか?

9月「職場の健康診断実施強化月間」における重点事項

毎年9月の「職場の健康診断実施強化月間」においては、以下の項目について事業者宛の指導が行われます。

① 健康診断及び事後措置等の実施の徹底
② 健康診断結果の記録の保存の徹底
③ 一般健康診断結果に基づく必要な労働者に対する医師又は保健師による保健指導の実施
④ 医療保険者が行う特定健康診査・保健指導との連携
⑤ 新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた健康診断の実施に係る対応
⑥ 定期健康診断のうち特定健康診査に相当する項目の結果の医療保険者への提供等
⑦ 小規模事業場における産業保健総合支援センターの地域窓口の活用

これらのうち、2021年度の重点項目は「④ 医療保険者との連携」「⑤ 新型コロナウイルス対策」の2点です

「コラボヘルス」の推進を

事業者は、協会けんぽ、健保組合、市町村国保、国保組合、共済組合等の医療保険者から従業員の健康診断の結果を求められた際、提供に協力しましょう。これはいわゆる「コラボヘルス」の推進であり、保険者と事業者が積極的に連携し、明確な役割分担と良好な職場環境のもと、加入者の予防・健康づくりを効率的・効果的に実行していこうという考え方です。

コロナ禍でも計画的健康診断の実施を

コロナ禍では、感染リスクを懸念する方の「受診控え」が増加傾向にあり、これにより企業の定期健康診断の実施が妨げられるケースがあります。その他、新型コロナの影響等によって健康診断実施機関等の予約が取れない等で、やむを得ず健康診断の実施が滞る例も少なくありません。このように、様々な要因によって従来通りの健診実施が困難となる事例がありますが、企業においては早期かつ計画的実施に努める必要があります

参考:厚生労働省「「職場の健康診断実施強化月間」について

コロナ禍の受診控えに起因する定期健康診断実施難航・・・企業における対応は?

現状、コロナ禍の定期健康診断実施が困難となっている企業において、その原因が「医療機関での予約困難」にある場合には、早急に健康診断実施機関と協議の上、確実に健康診断を実施できるよう計画を立て、実施する必要があります。

一方で、「従業員側の受診控え」が顕著である場合、適切に受診を促していかなければなりません。受診促進には、以下の観点からアナウンスされるのが良いでしょう。

健康診断を受けないことにより、健康上のリスク増

従業員の健康診断は、そもそも従業員に対する企業の健康確保措置として行うものです。今般の感染拡大の状況に鑑みれば、確かに、健康な労働者をわざわざ医療機関に行かせること自体が安全配慮義務に反するのではないかという考え方ができなくもないでしょう。

しかしながら、健康診断が実施されないことによる弊害は確実に生じます。これは単に、事業者が法令違反に該当するということだけではありません。例えば、定期に自身の健康状態を確認できないことによって、従業員が健康上のリスクを負うことになりかねないといった見方をすることもできます。従業員の健康を脅かす病気は新型コロナウイルス感染症だけではなく、自覚症状が現れにくいものの中にも恐ろしい病気はいくつもあります

健診実施機関での感染防止対策は万全

医療機関や健診会場では、院内感染防止ガイドラインに基づき、最大限の感染予防対策をしながら健診を行っています。具体的には、健康診断の会場の換気の徹底、健康診断の受診者又は実施者が触れる可能性がある物品・機器等の消毒の実施、1回の健康診断実施人数の制限をする等の施策を講じ、万全な体制作りに取り組んでいます。

 

来月9月は、「職場の健康診断実施強化月間」です。従業員の健康を守るため、企業として健康診断の適正実施に目を向けましょう!

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