
全国的には徐々に落ち着きつつある新型コロナウイルス新規感染状況の一方で、依然として、職場における感染が終息することはありません。むしろ今後は、気の緩みから感染対策が疎かになり、職場にウイルスを広げてしまうケースに注意する必要がありそうです。今一度、職場の新型コロナウイルス感染防止対策の徹底・継続に留意すると共に、万が一、コロナ労災が発生してしまった際に必要な報告についても理解しておきましょう。
目次
秋田労働局が、2022年9月末日時点での職場の感染状況を公表
秋田労働局では、事業場から提出された労働者死傷病報告を基に、2022年1月から9月まで発生した職場における新型コロナウイルス感染状況や特徴的な事案を公表しました。
参考:秋田労働局「職場における新型コロナウイルス感染防止対策を継続してください ~職場における新型コロナウイルス感染状況をとりまとめました~」
職場における感染事例が緩やかな増加傾向に
グラフは、2020年11月から2022年9月にかけての、秋田県内の事業所における新型コロナウイルス感染状況です。概ね低い数字で推移していることが分かりますが、2022年に入ってから少しずつ感染が増えていること、さらに2022年8月には1ヵ月の感染者数として最多の407人を記録していることに留意する必要があります。新型コロナウイルス感染拡大は徐々に収束に向かっているものと考えることができる一方、油断をすればすぐに感染が広がっていく可能性があるようです。学校や職場のように人が密集する場所では特に、人々の気の緩みが感染拡大に直結すると言えます。
今一度、職場における基本的な感染防止対策の徹底を
秋田労働局によると、職場における新型コロナウイルス感染事例のうち、感染防止対策によって感染を防げた可能性のある事案は決して少なくないとのこと。例えば、マスク着用が徹底されない中で集まって作業を行ったり、休憩室での飲食時にマスクを外して談笑したり等の行為に対しては、互いにマスクを着用して三密を回避するといった基本的な対策で感染を防ぐことができます。
長引くコロナ禍で、職場における感染予防への意識が薄れていないでしょうか?もちろん、感染事例の中には対策が困難な事例も多々ありますが、可能な限り意識的に対策を講じることで、職場における感染拡大を防げる事例は多そうです。
職場のコロナ対策に必要な取り組み 5つのポイントをチェック
職場のコロナ対策を見直す際は、以下のポイントについて取り組みの状況を確認し、必要に応じて対策を講じていくと取り組みやすくなります。
具体的な対策を検討する際には、業種・業態別マニュアルも参考になります。
参考:厚生労働省「職場における新型コロナウイルス感染症対策のための業種・業態別マニュアル」
コロナ労災の発生時、「労働者死傷病報告」の提出をお忘れなく
従業員が就業中に新型コロナウイルス感染症に感染・発症して休業すると労災として認定されますが、これに伴い「労働者死傷病報告」の提出が必要となります。これまで労災事故を起こしたことのない事業所においてはなじみの薄い書類となりますが、以下を参考に、確実に対応できるようにしましょう。
「労働者死傷病報告」記入例
「労働者死傷病報告」の様式は労働基準監督署で配布している他、「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」で作成・印刷できます。
以下の記入例より、コロナ労災発生時の記入における注意点をご確認いただけます。
参考:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症による労働災害も労働者死傷病報告の提出が必要です。」
職場におけるコロナ感染の拡大により、会社経営に多大な影響が及ぶケースもあります。一年の中でもとくに感染症流行が懸念される冬を目前に、今一度、職場におけるコロナ対策の見直しを行いましょう!