社員が新型コロナウイルス陽性に?コロナ禍の労務管理の留意事項

新型コロナウイルスの感染者が日に日に増えている状況にあり、コロナ禍の労務管理を見直す必要が出てきているかと思います。

新型コロナウイルス感染症の陽性反応が出た、それ以外にも、家族が感染し濃厚接触者になった、まだ陽性反応は出ていないが感染の疑いがある等、様々な状況に対応しなければならない状況にあるのではないでしょうか?

今号ではこのような状況で、コロナ禍の労務管理では何に気を付けるべきかということをまとめていきます

社員の新型コロナウイルス感染が判明した場合

陽性が判明した段階で、当然に休業の対象となります。状況によっては入院勧告を受けたり、特定業種に就いている場合には自治体の就業制限の通知を受け、それにより休業をさせます。

しかし、このような勧告や就業制限がない場合にも、感染拡大防止の観点から休業させる必要があります。これらの休業は、「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しないとされ、休業手当の支払いも不要です。

社員が濃厚接触者になった場合

保健所から該当社員に対し最低14日間の自宅待機要請がなされ、会社は該当社員の出社を控えさせる必要があります。

この時、濃厚接触者となった社員は新型コロナウイルスに感染した(陽性である)とは断言できない状況なので、具体的症状が出ていない限り就労可能な状態であると考えられますが、出社を命じることは感染防止の観点から適当ではありません。在宅勤務が可能であれば在宅勤務を命じ、在宅勤務が難しい場合には自宅待機を命じるのが適当だと考えます。

社員に新型コロナウイルス感染の疑いがある場合

息苦しさ・強いだるさ・高熱の有無、また基礎疾患の有無を目安に、感染拡大防止の観点から自宅待機・休業を命じることは可能です。

上記のような具体的症状が出ており、感染が疑われる段階では、出社を命じた場合感染拡大する恐れがあるため、社会通念上労務提供は不能と考えられ、感染の疑いのある社員を自宅待機・休業させた場合、法的には休業手当の支給の必要はないと解することが出来ます。

新型コロナウイルス感染後の復職について

感染者の場合、退院等の療養の解除を受ければ就労は可能となります。濃厚接触者の場合、保健所等の指示による自宅待機を経て、通常通り就労できる健康状態であれば復職を命じることが出来ると考えられます。

感染の疑いがある場合、PCR検査が不要と判断されたり、発熱やその他の就労の妨げとなる症状が消失し、治癒したかどうかをもって復職可能か判断します。

今一度、新型コロナウイルス感染時の対応を確認しましょう。

2020年3月の緊急事態宣言から1年以上経過しコロナウイルス感染症に対する会社対応が少なからず整って来ている頃かと存じます。感染症対策や定義は刻々と変化しております。

今一度「コロナウイルス陽性になった場合」「濃厚接触者になった場合」は会社としてどの様な扱いになるかを従業員に周知しましょう。先の見えない状況な時です。その様な時は不安感が増長します。準備をしておく事が社内感染拡大防止にも繋がります。迅速な対応が不可欠です。会社としての感染対策と感染時の対応を改めて確立し、明示しましょう。

困ったら専門家に相談することを検討

労務関係や助成金のことで、困ったことや具体的に聞きたいことがあれば社会保険労務士に相談してみるのも一つの方法です。

もしお困りのことがございましたらこちらをクリックし、どんな小さなことでもお気軽にお問い合わせください。

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