社員の4人に1人が勤務先をブラック認定!?「ブラック企業に関する調査」から学ぶ3つの対策

「今月すでに20連勤!」「深夜1時、まだ残業してま~す」・・・等々、最近では決して珍しくない、SNS上の“ブラック企業自慢”。いずれも個人が発信するSNS上の何気ない投稿ですが、そのまま放置していると会社の存続を脅かす事態につながりかねません。

果たして御社は、社員にどう思われているのでしょう?今一度、見つめ直してみませんか。

 「自社はブラック」と認識する若者が3割超

労働組合の中央組織・連合総研が昨年10月に行った調査によると、「自分の勤務先はブラック企業だと思う」と回答した人は全体の4人に1人、特に20代では3人に1人というデータが明らかになりました。この数字をどう見るかはそれぞれの主観によるところでしょうが、企業に勤める実に半数近くの労働者が、勤務先に何らかの不満を持っていることになります。

同調査では「勤務先がブラック企業であると思う理由」も併せて公表されており、1 位「長時間労働が当たり前(52.2%)」、2 位「仕事に見合わない低賃金(46.3%)」、3 位「有給休暇が取得できない(37.4%)」という結果になっています。

上記の他にも、事業主・人事担当者にとって興味深い結果が出ていますので、ぜひ下記より調査結果をご確認ください。

参照:連合総研「ブラック企業に関する調査」

 社員に「ブラック」と言わせないために、取り組むべき3つのこと

なぜ、これほどまでに多くの労働者が、勤務先を「ブラックだ」と感じるのでしょうか。その背景には、会社が違法を横行させている現状があることはもちろんですが、労働者側の理解不足に原因があるケースもあるかと思います。また、労働環境の整備を進めるだけで、状況を改善できる場合もあるでしょう。今一度、下記の3つの観点から、御社の労務管理を見直してみましょう。

使用者側が「労働関係のルールを正しく理解し、運用する」

第一に、使用者が人を雇用する上で必要な知識を有していることが大前提です。意図して「労働者をこき使ってやろう」と考える使用者など、おそらくそう多く存在しないのではないでしょうか?現に法を犯している企業においても、大半は「知らないうちに法律違反をしていた」というケースに該当するものと思われます。

必要に応じて専門家を活用しながら、事業主が主体となって正しい認識の元、適切な職場ルール作りを進めることが先決です。

労働者側が「会社のルールを正しく理解する」

労働関係の決まりを正しく認識すべきなのは、労働者側にとっても同様です。しかしながら、現行の教育課程においては労働関連法にまったく触れられませんから、結果的にほとんどの労働者が“働く上での決まり”を知らないまま社会に出ていることになります。

よって、たとえ合法の取扱いをしていたとしても、労働者側が「これではキツい」と感じれば、御社はたちまちブラック認定されてしまう可能性があります。

一方的に“悪”とされないために会社ができることは、「社内ルールを定めたら、従業員に周知徹底させること」。その際には、法律上の正しい取扱いについてもしっかりと触れ、ルールが法律に沿った内容であることを伝えるようにしましょう。

記録は正しく残すこと_勤怠管理や給与明細

社内ルールを正しく運用する際に必要なのは、「正しい記録」です。日々の勤怠や賃金の支払い状況、労働者に関わる情報等、労務関連で保存しておくべき記録は多岐に渡ります。ここに挙げたうち、特に適切な形での記録保存が困難であるのは「勤怠」です。社外業務に関わる勤務時間の扱いや、始業・終業時刻の正しい把握、そもそもの基本的な勤怠管理のルール運用等、難しさを挙げればきりがありません。

適切な労務管理の基本は、「正しい記録」にあります。クラウド勤怠管理システム等を上手く活用し、客観的かつ正しい形で勤怠データを残せるよう工夫しましょう。

SNS時代を生き抜く会社に必須となる「SNS利用規程」

ところで、御社には「SNS利用規程」が準備されているでしょうか?

冒頭で触れたとおり、今やSNS等を通して、誰もが不特定多数に向けて自由に考えを発信できる時代です。万が一、会社の悪評や企業機密が拡散されてしまったとしたら・・・、たちまち企業存続の危機に陥ってしまうかもしれません。数年前には、従業員による不適切な投稿が勤務先に風評被害をもたらし、結果廃業に追い込まれた事件も、記憶に新しいのではないでしょうか。

加えて、ご紹介した連合総研の調査では「“ブラック企業などの悪いうわさがないか”は33.3%と転職意向がある人の3人に1人が重視する」とのデータが公表されており、インターネット上の悪評が採用活動に直接的に影響してくる可能性は十分にあります。

現代を生き抜く企業にとって、社員のSNS利用に適切な規制をかけることは、もはや必須事項であると言えます。今は特に問題なくとも、今後どうなるかは分かりません。労務管理の一環として、SNS利用規程の作成と周知徹底にもしっかり目を向けてみてください。

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