インターンシップにも残業代を支払う必要があるってホント!?

今では学生は就業体験として気軽に参加し、企業も採用選考に組み込むなど簡単に受け入れることができるインターンシップ。そんなインターンシップですが、もしかして誤った理解のまま運用していませんか?もし次のような考え方でインターンシップを行っていたら、これらはすべて誤りです!

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・インターンシップとして受け入れれば、アルバイトと同じ業務をプログラムとして行っても賃金を支払う必要がない

・インターンシップに支払う報酬は最低賃金とは無関係なため、最低賃金よりも低い報酬で実際の業務に関わる内容を行ってもらっても問題ない

・インターンシップはどんな業務を何時間行っても労働ではないため、残業代を支払う必要はない

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現在、インターンシップを曖昧に運用してしまっているなら、一度自社のインターンシップを見直しリスクヘッジを行うとともに、正しい理解のもと運用し、自社の採用につなげていきましょう!

インターンシップとは?

現在インターンシップは大学側も企業側も積極的に導入しており、より自分にあった就職先を探すため、より自社にあった人材を探すために重要な手段であると考えられます。インターンシップについて、文部科学省では「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」と定義しています。

学生側の意義としては大学における単位の取得や、職業選択の幅を広げるチャンスでもあり、すでに内定を受けている企業でのインターンシップであれば、就職後の職場への理解や定着へつなげることができます。企業側の意義としては学生の業務内容への理解を深めることで志望者の確保につながり、内定者であれば早期に人材育成を開始できるという点があります。

インターンシップ受け入れのメリットとデメリットは?

企業がインターンシップを受け入れるメリットとしては、採用選考の前に学生へ広く知ってもらうことができる点、採用選考に組み込むことでよりほしい人材を見極める場が増える点、内定者の囲い込みにつながる点等が上げられます。またデメリットとしては、企業側の受け入れ態勢が整っていない場合、学生へマイナスイメージを与えかねない点、また期間が長期になるほど現場従業員の負担が大きくなる点等が上げられます。

学生側のメリットとしては、会社説明会だけでは知り得なかった社風や先輩社員との交流、また実際の仕事内容に触れることで、就職先の選択肢が広がるという点、また内定先でのインターンシップであれば、一足早く社会人としての基礎を身につけることができ、入社後のミスマッチを防ぐことができます。またデメリットとしては、インターンシップが長期になることで就職活動や学業へ支障がでる可能性があることが挙げられます。

インターンシップは労働者にあたるのか?

インターンシップは通常「就業体験」という名目で実施されますが、「就業体験」が労働に当たるかどうかは、実態で判断されます。一般に、インターンシップにおいての「就業体験」が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていないなど使用従属関係が認められない場合には、労働基準法第9条に規定される労働者に該当しませんが、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ,事業場と学生の間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当するものと考えられます。

具体的には、就業体験が現場実習を中心として行われ、一般の従業員が働く場所とは区別された場所で行われ、たとえ生産ラインの中で行われている場合であっても補助的作業のみにとどまり、直接生産活動に従事することはないこと、とされ、一般の従業員と一緒に同様の業務を行わせてはならないこととなります。

インターンシップに契約書は必要?

インターンシップは労働ではないため、雇用契約書や労働条件通知書は必要ありませんが、インターンシップの内容を企業と学生で確認するための通知書を取り交わすことが望ましいでしょう。内容としては、業務内容、インターンシップ期間、参加スケジュール、報酬の有無、交通費の有無、参加に当たっての行動指針、注意事項等が考えられ、受け入れ時に互いに内容を確認する必要があります。

インターンシップに報酬・残業代の支払いは必要?

インターンシップは「就業体験」であり労働ではないため、報酬は会社の任意で決めることができ、1日、2日等の短期のインターンシップでは特に報酬の支払がない場合や交通費のみの支給も多く見受けられます。また、数ヶ月の長期にわたり行われるインターンシップでは、交通費のほかに日当や手当てを支給することがありますが、労働者に当たらない場合、最低賃金の適用はされずあくまでも補助的、恩恵的な給付であると考えられます。

しかし実質的に一般の従業員と変わらない業務を行っている場合には、給与として最低賃金以上の支払が必要となるため、会社としてインターンシップが実際の業務にあたるかどうか、事前に判断しておく必要があります。一般の従業員と変わらないという判断を行った場合には、もちろん残業代の支給が必要になりますので注意が必要です。1日8時間、週40時間以上の時間外勤務に対しては法定の割増残業代を支払うこととなりますので、インターンシップの勤怠管理もしっかりと行う必要があります。

インターンシップ中、事故が起こったら労災対象となるのか?

インターンシップは原則労働者には当たらないため、インターンシップ中に事故が起こった場合労災保険の適用がされません。そのため、大学ではインターンシップ向けの賠償責任保険加入の推奨をおこなっているところもあり、受け入れ時に学生へ保険加入を求めることもできます。また、インターンシップが労働者と認められる場合には、労災保険の適用対象となります。

インターンシップが労働者にあたるかどうかにかかわらず、万が一企業側に事故への過失が認められた場合には、学生から損害賠償の請求をされる可能性も有りますので、企業側は学生に対し安全配慮を行い、必要に応じてインターンシップの内容を見直すことが必要です。

インターンシップが即戦力となり成長するために

インターンシップを単なる就業体験ではなく、早期育成と考えれば、入社時には即戦力となる可能性もあり、企業側へも多くのメリットがあるといえます。社会人としての基礎とは、まず学生の意識から社会人としての自覚を持つということから始まります。就業体験の範囲内であれば、まずは次の3点を学生に意識させることで、社会人としての自覚を持たせることができるのではないでしょうか。

・時間管理…1日の限られた時間の中で、優先順位をつけて与えられたタスクを行うために、時間を意識し、期日を守る。

・コミュニケーション…相手に好印象を与えられるような、社会人としての言葉使いを身につける。

・報連相…何を報告、連絡、相談すべきなのかを考え、報連相の適切なタイミング、手段を理解する。

また、より実践的な力を身につけさせ即戦力とするためには、入社前のアルバイトとして雇用し、実際の業務を行ってもらうことが一番早いと考えられます。実際の業務であれば、社内の従業員とのかかわりや、お客様とのやり取りも多くなることから、より幅広い社会人基礎力が身につけられるはずです。

適切に勤怠管理、最低賃金以上の給与支給、法定以上の残業代を支払えば、インターンシップをアルバイトとして雇用し働いてもらうことは問題ありません。より即戦力となる人材の採用に向けてインターンシップを見直してみてはいかがでしょうか?

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