2021年10月20日より、マイナンバーカードの健康保険証利用が本格開始!メリットや手続きについて

報道等ですでにご存じの方も多いと思いますが、2021年10月20日より、マイナンバーカードの健康保険証利用が本格的に始まりました。最近では身分証明書として、もしくは行政手続きのオンライン申請の必要に応じて、マイナンバーカードを保有する方は増えてきていますが、健康保険証として利用するかどうかについては迷われる方もいらっしゃるかもしれません。今号では、マイナンバーカードの健康保険証利用に係るメリットや必要な手続きを解説しましょう。

マイナンバーカードの健康保険証利用 4つのメリット

2016年1月から開始したマイナンバー制度ですが、単なる身分証明書としてのみならず、行政手続きのオンライン申請や民間のオンライン取引、マイナポイントの利用等、着実に活用の幅が広がってきています。2021年10月20日からは健康保険証機能が本格的にスタートし、医療保険領域での活用が目指されています。マイナンバーカードを健康保険証として利用することで、以下のメリットが期待できます。

コロナ禍の受診がスムーズに

マイナンバー健康保険証に対応可能な医療機関・薬局では、顔認証付きカードリーダーによる自動受付が可能になります。これにより、従来の対面受付が減り、コロナ禍で何かと不安な人との接触を最小限に抑えることができるようになるでしょう。
また、医療機関では本人の同意により、薬剤情報や特定健診情報を閲覧することができるようになります。これにより、被保険者自身が受診歴や薬剤服用歴を説明しなくても、正確な情報を元に医療を受けることが可能となります。

特別な手続きなしで高額療養費制度の利用が可能

健康保険には、「高額療養費制度」というものがあります。これは医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1ヵ月のうちに上限額を超えた場合、その超えた額が支給される制度です。

本制度を利用する際は、原則、被保険者本人が高額療養費の支給申請書をする、もしくはあらかじめ「限度額適用認定証」の申請をしておくという手続きが必要です。ところが、マイナンバーカード利用が可能な医療機関窓口でマイナンバーカードを健康保険証として利用すると、「限度額適用認定証」がなくても限度額を超える支払いが免除されます。

e-Taxとの連携で、確定申告が楽に

確定申告で医療費控除の手続きをするためには、必然的に、過去の領収書の管理の必要が生じ、人によっては煩わしさが感じられるでしょう。この点、マイナンバーカードを健康保険証として利用することで、マイナポータルで医療費通知情報を管理することが可能となる上、マイナポータルからe-Taxに情報を連携することができるようになるため、申告がぐんとスムーズになります。こちらの連携機能は、令和3年分所得税の確定申告から備わるとのことです。

健康保険証利用の申込は生涯一度きりでOK

マイナンバーカードの健康保険証利用に係る手続きは、一度行えばその後更新等を行う必要がありません。転職等で保険者が変わっても、社会保険被保険者資格取得・喪失手続きを適正に行っていれば、情報が引き継がれます。国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者は定期的な被保険者証の更新が不要となり、70歳以上75歳未満の高齢者については高齢受給者証の窓口持参も必要なくなります。

簡単!マイナンバーカードを健康保険証として利用するための手続き

現状、マイナンバーカードにあらゆる機能を付加することに対して不安を抱く方も多いと思いますが、一方で、マイナンバーカードを健康保険証として利用することで前述のようなメリットも期待できます。このあたりはご自身で十分にご検討の上、利用の可否を判断しましょう。

マイナンバーカードを健康保険証として利用する際の手続き自体は、自宅から、いつでも簡単に行うことができます。最もスムーズなのは、スマートフォンを用いたお手続きだと思います。


出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用が始まります!

その他、セブン銀行のATMやカードリーダー機能を備えたパソコンからも行えます。その他、医療機関や薬局の窓口に設置する顔認証付きカードリーダーからも手続き可能とのことです。私自身はスマートフォンから手続きしましたが、全く問題なく、スムーズでした。

現状では、マイナンバー健康保険証に対応可能な医療機関・薬局はまだまだ限られていますが、政府からは「2023年3月末には概ね全ての医療機関等での導入を目指す」旨の方針が示されており、今後さらに拡大していく見込みです。

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