通常の報酬より低額の休業手当を支払った場合、随時改定の対象になる?

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、東京都は11月28日から再び営業時間短縮要請がされました。いまだに終息のめどが立たず、休業を検討している、または今現在休業をしているという企業もあるのではないかと思います。
今号では、休業をさせ休業手当を支給した場合の随時改定について解説していきます。

継続して3か月を超えて通常の報酬よりも低額の休業手当等が支払われた場合、随時改定の対象となる

一時帰休のため、継続して3か月を超えて通常の報酬よりも低額の休業手当等が支払われた場合は、固定的賃金の変動とみなし、随時改定の対象となります。

被保険者を一時的に休業させる一時帰休では、一時帰休による休業手当が支払われた日も支払基礎日数に含め、1か月の間に一時帰休による休業手当が1日でも支払われていれば、一時帰休の月として扱いますが、「継続して3か月を超えて」が随時改定の対象となる条件のひとつですので、休業手当が2か月だけ支払われ、次の月は通常の報酬が支払われた場合には、随時改定の対象となりません。

また、一時帰休が解消され、継続して3か月を超えて通常の報酬が支払われる場合も、随時改定の対象となります。

一時帰休に伴う休業手当が支払われた月、一時帰休が解消している、解消していない、一時帰休中に別の固定的賃金の変動があるなど、事例により随時改定の有無、定時決定の対象月が変わりますので、注意が必要です。

【ケーススタディ】こんな場合、随時改定の対象になる?

自宅待機となった場合は?

現に支払われる休業手当等に基づき報酬月額を算定し、標準報酬月額を決定することになります。
その後、自宅待機を解消したときは、随時改定の対象となります。

参考:厚生労働省「一時帰休等の措置がとられた場合における健康保険及び厚生年金保険の被保険者資格及び標準報酬の取扱いについて

一時帰休状態の会社に入社した当初から一時帰休の資格取得時の標準報酬月額の決定は?

自宅待機の場合に準じて取り扱い、現に支払われる休業手当等に基づき報酬月額を算定し、標準報酬月額を決定することになります。その後、一時帰休の状況が解消したときは、随時改定の対象となります。

時給は変わらないが、勤務時間が変更になった場合は?

時給制の場合、シフトの勤務時間だけが増減しても原則月額変更の対象とはなりませんが、雇用契約の更新において、勤務時間が従来の内容から変更になった場合は、随時改定の対象になります。

残業が大幅に減った場合は?

残業手当などの非固定的賃金の変動のみによって、従前の標準報酬月額と比べて2等級以上の差を生じた場合であっても、固定的な賃金に変動がない限り、随時改定には該当しません。

困ったら専門家に相談することを検討

労務関係や助成金のことで、困ったことや具体的に聞きたいことがあれば社会保険労務士に相談してみるのも一つの方法です。
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