10月20日より順次送付されている「被扶養者状況リスト」にご対応ください

例えば資格取得や喪失等、社会保険関連の諸手続きに関しては問題なく行えている事業所においても、被扶養者(異動)届を申請された後の状況確認に関してはなかなか対応できていないケースが多いのではないでしょうか? 協会けんぽでは毎年10月下旬から11月上旬にかけて「被扶養者資格の再確認」を実施し、保険関係の適正化を促進しています。事業場においては、被扶養者資格の確認にご対応ください。

事業所宛に「被扶養者状況リスト」は届いていますか?

「被扶養者資格再確認」とは、文字通り、現状被扶養者となっている方が現在も変わらずに健康保険被扶養者要件を満たしているかどうかを確認する作業のこと。2022年4月1日時点で18歳以上である被扶養者の方を対象として、被扶養者の届け出がされている方について状況確認が行われます。ただし、2022年4月1日以降に被扶養者となった方に関しては、2022年度被扶養者資格再確認の対象外となります。
協会けんぽは、2022年10月20日から11月2日にかけて、事業所宛に「被扶養者状況リスト」を送付しています。事業所ではこのリストを元に、被保険者に対して文書または口頭により、扶養する家族等が健康保険の被扶養者としての要件を満たしているかを確認の上、2022年11月30日までに確認事項を記入したリストを返送します。

参考:協会けんぽ「事業主・加入者のみなさまへ「令和4年度被扶養者資格再確認の実施方法等について」

被保険者資格の再確認の目的とは?

被扶養者資格の再確認実施の目的は、「保険給付の適正化」と「保険料負担の軽減」を図ることにあります。それだけ言われても分かりにくいため、具体的な事例を元に考えてみましょう。「保険給付の適正化」に関しては、本来であれば被扶養者とならない方が被扶養者として保険証を利用して保険給付を受けることで、不適正な保険給付が生じる点の解消が目指されます。「保険料負担の軽減」に関しては、協会けんぽが支出する高齢者医療制度への拠出金額に注目しましょう。高齢者医療制度は、税金、本人負担の他、協会けんぽを含む各医療保険者からの拠出金等(加入者から納められた保険料)によって支えられていますが、この拠出金額の算出には被扶養者数が反映されます。つまり、被扶養者でない方の分、拠出金の過剰な支出が生じることになり、これにより保険料負担増につながる可能性が生じてしまうというわけです。
事業所においては、今一度「被扶養者資格再確認」の目的や意義を踏まえ、適切に対応しましょう。

被扶養者認定の要件を総復習!「収入」「同一世帯」に係る要件

「被扶養者資格再確認」に先立ち、事業主および被保険者(労働者)が被扶養者として認定されるための要件を正しく理解しておく必要があります。被扶養者の認定は、原則として以下の要件を満たしていることを以て行われます。

✓ 日本国内に住所(住民票)を有しており、被保険者により主として生計を維持されていること、および次の(1)(2)いずれにも該当した場合

(1)収入要件
年間収入130万円未満(60歳以上または障害者の場合は、年間収入180万円未満)かつ
・ 同居の場合:収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満
・ 別居の場合:収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満

(2)同一世帯の条件
ア.被保険者と同居している必要がない者
配偶者、子・孫および兄弟姉妹、父母・祖父母などの直系尊属

イ.被保険者と同居していることが必要な者
上記ア以外の3親等内の親族(伯叔父母、甥姪とその配偶者など)
内縁関係の配偶者の父母および子(当該配偶者の死後、引き続き同居する場合を含む)

参考:厚生労働省「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き

ワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例について

健康保険被保険者の被扶養者の認定および例年実施している被扶養者資格再確認における年間収入の確認について、医療従事者への特例措置が講じられています。今般の新型コロナウイルスワクチン接種業務が例年にない対応として、期間限定的に行われるものであること、ワクチン接種業務に従事する医療職の確保が喫緊の課題となっていることを踏まえ、特例措置として医療職の方がワクチン接種業務に従事したことにより得た給与収入は、収入確認の際、年間収入に算定しないこととされます
被扶養者がワクチン接種業務に従事する医療職(医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士および救急救命士)に従事する場合には、本特例にご留意ください。

参考:協会けんぽ「ワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例について

被扶養者の扶養解除に際し、「健康保険被扶養者(異動)届」のお手続きを

確認の結果、扶養解除となる被扶養者がいる場合は、被扶養者状況リストに同封されている被扶養者調書兼異動届を記入し、解除となる方の保険証を添付して提出します。
前項の「収入要件」では「年間収入」の基準が挙げられていますが、この「年間収入」とは、過去における収入のことではなく、扶養に該当する時点及び認定された日以降の「年間の見込みの収入額」を意味する点にも留意し、適正な届出ができるようにしましょう。

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