テレワークは定着しない?在宅勤務にまつわる課題とその解決策&東京都独自「テレワーク定着促進助成金」

緊急事態宣言下でぐんと広がり、日本の新たな働き方になるかと思われたテレワークも、結局定着せずに終わってしまった企業は少なくないと思います。都心のターミナル駅では、コロナ以前と比べれば減ったとはいえ、やはり朝の通勤ラッシュは戻りつつあるようです。御社ではいかがでしょうか?

4~5月をピークに、その後急激に減少したテレワーク利用率

企業におけるテレワークの実態は、慶應義塾大学経済学部大久保敏弘研究室、公益財団法人NIRA総合研究開発機構が実施した「第2回テレワークに関する就業者実態調査」において明らかになっています。下記の企業規模別テレワーク利用率の推移をみると、緊急事態宣言下の4~5月では各企業規模で急激に増加したものの、宣言解除後の6月には大幅に減少していることが分かります。

出典:公益財団法人NIRA総合研究開発機構「第2回テレワークに関する就業者実態調査報告書

テレワークが定着しない理由は、労使双方にある

テレワークは、緊急事態宣言を乗り切るためだけの一時的な取り組みに過ぎなかったのでしょうか? 社会保険労務士として様々な企業でお話を伺う中で、テレワークが定着しない背景には労使双方の課題があるように感じられます。

企業側にとっては、テレワーク導入・運用に向けた「環境整備」が課題に

まず、企業にとってはテレワークを働き方の一制度として正式に導入することが、高い壁となって立ちはだかります。従業員に在宅勤務を認める上では、会社として労務管理・評価の方法、情報通信システム・機器を検討・準備することが不可欠です。各項目のポイントは一般社団法人日本テレワーク協会が「テレワーク導入のポイント」の中で解説している通りですが、これらを適正に整備するためには相応の時間と費用が必要となります。

さらに、実際にテレワーク制度を運用していく上でも、出勤させる場合以上に複雑な労務管理がついて回ることになるため、管理監督者や担当者の負担増が見込まれます。実務の現場では、労働時間把握に係る負担軽減のために安易な事業場外みなし労働時間制を導入するも、適正に運用できず、意図せず労基法違反を犯す結果となっている例が多々見受けられることも問題です。
テレワークについてあらゆる観点から検討すると、結局のところこれまで通りにオフィスで仕事をしてもらう方がスムーズであり簡単だ、という結論に落ち着いてしまう現場は少なくありません。

労働者側にとっての課題も、企業同様、テレワーク実践に向けた「環境整備」にあり

かたや、労働者側にとっては「通勤が不要になり、心身共に楽になった」という声が上がる一方、「自宅が就労環境に適しておらず、オフィスで仕事をさせてもらった方が良い」という意見も少なくありません。例えば、家族がいる自宅で集中して仕事に取り組むことは難しいでしょう。また、パソコンは会社が貸与できても、机・椅子、照明設備、空調等が作業環境として厳しいと言わざるを得ないケースもあります。もちろん、会社がこれらのツールを準備することは可能ですが、都心ではスペース的な問題もあり、必ずしも現実的とは言えません。
さらに、社外での作業に情報漏洩のリスクは付きものです。その他、「会社で仕事するよりも、かえって働き過ぎてしまう」という労働者も多いようです。

都内中小企業向け「テレワーク定着促進助成金」が創設予定

前述の通り、テレワークの導入については労使双方にとって様々意見が分かれるところですが、少なくとも会社としては、未だ収束の兆しが見えない新型コロナ対応として、さらに働き方改革の柱のひとつである「多様な人材活用」の観点から、「テレワークを選択できる働き方」の創出・定着に目を向けていくべきと言えます。

冒頭でご紹介した、公益財団法人NIRA総合研究開発機構による「第2回テレワークに関する就業者実態調査」において、各都道府県の中でも特にテレワーク利用率の高さがうかがえる東京都では、都内中小企業向けに「テレワーク定着促進助成金」の新設を予定しています。こちらは、「新しい日常」の働き方であるテレワークの定着・促進に向け、都内中堅・中小企業等のテレワーク機器・ソフト等のテレワーク環境整備に係る経費を助成するものとされ、詳細については後日発表されることになっています(2020年8月12日時点)。今後最新情報が入り次第、打刻ファーストでご紹介します。

出典:公益財団法人東京しごと財団「テレワーク定着促進助成金

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