【退職金前払い制度とは】働き方の多様化に対応できる退職金の活用を検討せよ

社内で、働き方やキャリアアップのあり方の変化・多様化に応じた退職金の活用のあり方を検討することができているでしょうか。
働き方の多様化に対応しながら人材を育成していくことが企業の責務となりつつある中、退職金の活用を考えることが、企業・労働者の双方のメリットにつながる可能性があります。

本記事で詳しく解説します。

退職金前払い制度とは

退職金前払い制度とは、労働者に対して、本来は退職時に支払う退職金を、在職中に前払いする制度を指します。

その仕組みは、通常、勤続年数や在職中の給与額に基づいて算定し、退職時に支払う退職金を月々の給与に上乗せして支払うというものです。
この制度が生まれた背景には、働き方の変化・多様化があります。

これまでの日本では、新卒で採用された企業で定年まで働き続けることが推奨され、実際、多くの労働者もそれを当然視してきました。
しかし今では、転職を繰り返す中で自身のキャリアをステップアップさせていくという働き方が受け入れられるようになりました。

そのため、勤続年数に応じて算定された退職金が退職時に支払われるという制度と現状との間に齟齬が生まれるようになりました。
この齟齬を埋めるのが退職金前払い制度です。

企業にとっての退職金前払い制度のメリットとは

では、この退職金前払い制度には企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
この制度のもとでは、退職金をいわば分割払いすることになるので労働者の退職時に高額の退職金を一括で準備しなければならないという負担を避けることができます。

労働者にとっての退職金前払い制度のメリットとは

また労働者にとっては、月々の給与に退職金が加算されることで月ごとの給与が高くなるというメリットがあります。

老後の備えも大事だけれどキャリアアップのための投資も重要と考える若年層の間で、この制度の需要が高まりつつあります。
転職のための備えや老後に向けた資産運用にとっても、給与の増額で選択肢が増えるため、この制度は好都合です。

企業にとっての退職金前払い制度のデメリット

では逆に、この退職金前払い制度に存在するデメリットとはどのようなものでしょうか。企業視点からみてみましょう。

この制度のもとでは、労働者の転職が容易になることで企業と労働者の結びつきが弱くなるという点がデメリットとしてあげることができます。
両者の結びつきが弱くなれば、人的資源やノウハウの蓄積が難しくなるでしょう。

労働者にとっての退職金前払い制度のデメリット

そして労働者にとってのデメリットとしては、やはり退職時に一括で退職金を受け取る場合に得られる税制優遇が受けられないという点でしょう。
この制度のもとでは、法律上、退職金は「給与」としてみなされるため、「退職金」に適用される税制優遇が及ばないのです。

さらに同じ理由で、この制度で増額される給与の分については通常の給与と同様に社会保険料を支払う必要が生じます。
これは、企業・労働者双方にとってのデメリットとなります。

労働者の希望を尊重した退職金のあり方を考えることが重要

このように退職金前払い制度には大きなメリットが見込まれる一方で、見過ごせないデメリットもあることがわかります。
また多くの企業は、退職金前払い制度だけでなく「確定拠出年金」制度も設けたうえで、両者の選択制を採用しています。

労働者の希望を尊重し、働き方の多様化に応じた退職金のあり方を考え、制度を講じていくことが重要です。

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