助成金申請時には、未払い残業に要注意!

「キャリアアップ助成金」や「人材開発支援助成金」等、申請時に該当社員のタイムカード等と賃金台帳を提出しなければならない助成金は、多いものです。そこで、4~5年前から審査が厳しくなったのが、タイムカード等と賃金台帳です。どこがなぜ厳しくなったのか、説明いたします。

助成金申請に必要な書類

助成金の申請には、厚労省のHPからダウンロードできる申請書や共通要領書類の他にタイムカード等や賃金台帳を提出します。全社員が対象の場合は全社員分、キャリアアップのように該当者がいる場合は、該当者の分だけ必要となります。また、助成金に内容によって提出する書類は異なります。

タイムカード等に関しては、出勤簿でもパソコンの管理簿でもいいのですが、最近は出勤簿に関してはタイムカードにするように労基署の指導が入るようです。確かに就業時間が毎日同じように記載されている出勤簿では、信用性がないのかもしれません。賃金台帳については、台帳で管理していない場合は、給与明細書でも構いません。

タイムカードの問題点

助成金の申請で一番よく問題になるのが、タイムカードを採用している企業です。細かく時間が出てしまうので、「ちゃんと残業代を払っているかどうか」を問われます。例えば、「当社は15分未満の残業は認めていない」というルールの企業があるとすると、必ず「15分未満でも1ヶ月で合算すると結構な時間になり、残業代を支払う義務があります」と反論されます。

確かに1日単位で見ると、小さな数字でも1ヶ月も積み重なればある程度の数字となるでしょう。始業時間前に関しては、長い時間でなければ問題になりませんが、終業時間の場合はきちんと計算することをお勧めします。

タイムカードの利用は、要注意

タイムカードは、確かにきちんと時間が把握できるので便利ですが、終業時間を過ぎると即残業とされてしまうので注意が必要です。終業後ロッカールームで同僚同士おしゃべりをして遅くなったとか、私的なことで遅くなることはままあることでしょう。その場合は、その事情をタイムカード等の余白に記入することが肝要です。そうしないと、仕事以外で会社にいた場合の時間も残業代を支払うことになってしまいます。

タイムカード等と賃金台帳の突き合わせ

助成金の申請書類の審査の際には、タイムカード等と賃金台帳を突き合わせて、残業代がきちんと支払われているかどうかチェックされます。その場合の残業時間は、タイムカード上で終業時間を過ぎた時間から1分単位で1ヶ月分を計算し、それに見合う残業第が支払われているかどうかです。ただし、残業時間より残業代が少なかった場合、何かしら事情があればそれを説明することでわかってもらえます。そのためにも、終業時間後の残業に関しては、残業指示書等の管理が必須になります。指示書以外の残業があれば、本人に確認をして、残業の理由を問うことが必要でしょう。

また、始業時間も30分以上前に来ている場合は、問題になるケースもあるようです。道がすいていたため自家用車で早く会社に着いてしまった、通勤で混雑する電車に乗るのを避けるため早く会社に来ている等、様々なケースがありますが、個人の事情で早く会社に来ている場合には、タイムカードを押す時間を考える必要があるでしょう。

さらに、休日出勤も問題となります。休日に仕事をしている場合、タイムカードや出勤簿上では休日に就業していることになります。休日手当を支払っていないのであれば振替日を明示しておいてください。ただし、くれぐれも代休にならないように注意が必要です。代休となれば、休日の割増分を別途支払わなければならなくなります。なお、振替休日はきちんと就業規則に振替の成立要件を記載している必要があり、記載がないとすべて代休扱いとなり、割増が発生します。

助成金申請時には、未払い残業に要注意

コロナの影響もあって、助成金の申請が多くなってきました。また、今までは助成金に関心のなかった企業も、助成金申請を考えるようになってきています。ただし、タイムカード等に従って、残業代を払わないと「未払い残業」となり、申請が認められなくなることがあり、せっかく苦労して申請書類を提出したのに残念な結果となってしまいます。そこで、これから助成金の申請を考えている企業は、残業時間にそってきちんと残業代が支払われているかどうか今一度チェックをしてみてください

また、残業に関しては助成金の申請だけでなく、労基署の調査でもチェックされますので、タイムカードの使い方に関しては、服務規定等でルール化するとよいと思います。

無料のクラウド勤怠管理システムIEYASUであれば、正しく勤怠管理をできることに加え、助成金に必要な出勤簿を、タイムカードや紙の出勤簿より楽に用意をすることができます。きちんと勤怠管理をするために、もこれを機にクラウド勤怠システムの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

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