【日本とどう違う?】ラテン系の人々の、時間に対する考え方と働き方

「ラテン系」と聞くとなんだか陽気なイメージがありますね。
時間に厳しくキビキビとした気質をもつ日本人に対し、いわゆるラテン系の人たちは時間にルーズとされています。

本記事では、スペイン・チリ・コロンビア・メキシコ・エクアドルという国々で現地のラテン系の人たちと一緒に働いた私が、その経験をもとに、「ラテン系の時間に対する考え方と働き方」を日本と比較しながら深掘りしようと思います。

ラテン系の時間 – 交通機関の場合


日本の新幹線や地下鉄の時刻表をみると発着時間が分単位で設定されていますね。そしてその時間通りに電車は発着します。このような鉄軌道や、交通渋滞に影響される市バスであっても、日本の交通機関は驚くほど時間に正確です。

ラテン系の人たちが日本に来てまず驚くのはこの列車や地下鉄の時間の正確さなのですが、それ以上に驚くことが。
それは、日本の列車は発車の時間になると急いで乗り込もうとしている人がいても、容赦なく目の前でドアが閉まるということです。ラテン系の国であれば、乗り込もうと走ってくる人がいる場合は待ってあげるのが普通です。たとえ走ってくる人がいなくとも、「もう少し待てば遅れてきた人が集まるだろう」と判断すれば発車時刻を数分遅らせることさえあるのです。

ラテン系で人気なサッカーは時間に正確なスポーツ


ラテン系の国ではサッカーが盛んで、そのサッカーはご存知のように時間に正確なスポーツです。きっちり前半45分、後半45分と決まっており、延長はあっても15分のみ。それで決着がつかなければPK戦で決めてしまうスポーツです。

ラテン系の企業における社内会議や客先での面談なども、サッカーと同じように行われます。
日本での会議だと、時折みんなが考え込むなどし沈黙の時間が起こることがあります。これはいつ終わるのは不透明という点で野球のようだと言えるでしょう。
ラテン系の人が主導をとる会議ではそのようなことは決して起こりません。日本人が混ざった会議で沈黙が続きそうになると、会議をリードして結論に導くラテン系の社員が必ず登場します。そして結論が出ない場合は、別の日時を設定しそれまでに各自考えをまとめておくよう提案されるのです

日本人は時間に裕福?むしろ時間意識の高いラテン系?

あるときの私の体験談をご紹介します。

入札案件があり、日本の本社から来ていた日本人の熱血社員とその準備をしていた時のこと。17時くらいになったとき彼が「そろそろ晩御飯を食べに行こう」と言うので、ラテン化した私は驚いてしまいました。晩御飯を食べに行って腹ごしらえした後に、ゆっくり残りの仕事を片付けようという日本の習慣を提案されたのです。
しかしその時やっていた仕事は、入札準備とはいうものの徹夜してやる程のものではなく、あと2時間ほど集中してやれば終わってしまうようなもの。晩御飯に行きペースを落としてしまうと、晩御飯の時間を入れて4時間くらいかかってしまうのは目に見えています。ならば先に仕事を片付け、早く帰った方が良いと思ったのは、ラテン系の同僚も同じでした。お腹が空けば晩御飯を食べてしまうのではなく、軽くスナックでもつまみながら仕事をした方が、効率的なだけでなく家にも早く帰れます。
上述した会議の件同様、時間はいくらでもあると思っているのは、ラテン系の人よりもむしろ日本人かもしれません。

ラテン系での納期確認は要注意!

ラテン系の人にとっては、時間はお金と同じで、『節約するものではなく消費するもの』という価値観を持っているようです。

日本人である我々がお金を使うときは、今ある手持ちのお金と今月使用可能な残高計算を、とっさに考えるのではないでしょうか。
仕事のときも同様に、何か仕事を頼まれると、かかりそうな時間に加え予測不可能なタスクも考慮し余裕を持った納期を伝えます。そして、仕事を頼む側の日本人も余裕を持った提案がされていることを理解し、指定された日には確実に出来るものだと考えます。

しかし、ラテン系の時間は『消費するもの』なのです。
ラテン系の人に納期の提案を頼むと、余裕をもったスケジュールは伝えてくれません。全てがうまくいった場合を想定した、「ベストの納期」が返ってきます。しかし先の長い納期であればあるほど予期していなかった状況が発生し、最初に伝えた納期通りにはいかないのは想像に難くないでしょう。しかしラテン系はそういう考え方をするのです。そしてその納期を聞くラテン系の人も、言われた納期はベストの場合だと分かっており、その時点で既に遅れることを予想しています。

ラテン系の人と働く日本人がこの習慣を知らないと大変なことになります。ラテン系の人から提示される納期も、当然それで完成するものだと思ってしまうため、「なぜ今日中(今週中)と言ったくせに今日(今週)できないのか」とイライラしてしまうという事態が起きがちなのです。

ラテン系パーティーは1時間後集合が当たり前?そのワケは?


ラテン系の人はみんなで集まってワイワイすることが好きで、フォーマルなものからカジュアルなものまで様々なホームパーティーがよく開かれます。
このパーティの集合時間についても、時間に対する価値観が我々とラテン系で異なっているように感じています。

日本人であれば、招待された時間の前に着くのが礼儀だと考えるでしょう。一方ラテン系の国では時間通りに来るべきであり、まして招待された時間よりも早く着くのはむしろ失礼だという価値観を持っています。
さらに言えば、早く行っても人が集まっておらず居心地が悪いので、パーティーへは「最低」でも1時間ほど遅れて行くのがむしろ優雅であり、招待する方もそれを見越して準備をするのです。つまり時間通りに来た場合、主催者はまだ準備の真っ盛りなのです。

カジュアルなパーティーだとそもそも正確な開始時刻は指定されず、「お昼食べてから来てね」や「晩御飯食べる前に来てね」といったように招待され、いったい何時に行けばよいのかとマニュアル好きな日本人は悩んでしまいます。

ラテン系の抱く「時間」の価値観

これまで述べてきたように、「時間」というものの価値観が日本人とラテン系では異なっています。
『時間はみんなで共有するものであり、自分が遅れることで他の人に迷惑がかかる』と考えるのが日本人、『時間は人それぞれ使い方も違うもので、誰もが合わせやすいように余裕をもって設定する』という考え方をするのがラテン系の人、といったところでしょうか。

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ABOUTこの記事をかいた人

EUCA

大学卒業後大阪の船会社に勤め、その後スペインに留学してバルセロナの日本企業に5年間勤務。縁があって南米3ヵ国の総合商社現地法人会社で営業管理職、また事業投資会社で管理部門の管理職を約20年間務め、日本の製造業の会社でメキシコ工場の立ち上げに携わって現在に至る。16歳のラテン生まれラテン育ちの男児の母で、ジプシー生活はまだ続く見込み。