【教員の働き方改革】残業上限指針案は「月45時間以内」「繁忙期100時間未満」【労働基準法改正2019】

遅々として進まぬ教員の働き方改革が問題視される中、ついに残業時間の上限に関わる指針案が示されました。今後は、学校においても民間企業同様、「時間外労働の上限規制」への対応を迫られることになります。現場では、先生たちの就労環境に関わる見直しを進める必要が生じます。

教員の残業上限は「月45時間以内」「繁忙期100時間未満」

2018年12月6日に開催された教員の長時間労働是正策を議論する中教審の特別部会において、公立小中学校の教員の残業時間を原則「月45時間以内」、繁忙期でも「月100時間未満」とする指針案が了承されました。併せて、「2~6ヵ月の月平均で80時間」、「年720時間まで」の上限も設定されるとのことです。

こうした上限は、民間企業における働き方改革を参考に算出されたものとのこと。
しかしながら政府の教員勤務実態調査では、現状、公立小学校教諭の約8割・公立中学校教諭の約9割が、ひと月当たり45時間超の時間外労働をしているとの実態が明らかになっており、現場での対応に注目が集まりそうです。違反した場合の罰則が設けられないことから、基準はあれど形骸化するのではないかという懸念は避けられません。

学校での働き方改革実現に向けた環境整備が急務

長時間化しがちな教員の労働時間を見直す上では、現場における環境整備を早急に進める必要があります。
2018年11月26日に行われた第119回中央教育審議会では、学校における働き方改革の方針が公開され、今後検討すべき視点が明記されています。

①勤務時間管理の徹底と勤務時間・健康管理を意識した働き方の促進
②学校及び教師が担う業務の明確化・適正化
③学校の組織運営体制の在り方
④教師の勤務の在り方を踏まえた勤務時間制度
⑤学校における働き方改革の実現に向けた環境整備

出典:文部科学省「中央教育審議会(第119回)_資料2-1 新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申骨子案)

今後は、教師の業務見直し・負担軽減、慣習的業務の廃止、学校・教師以外への積極的な業務移行に目を向けていくことが、学校の働き方改革を実現する上で重要なポイントとなります。具体的には、休み時間や校内清掃への地域人材参画、成績処理等への校務支援システムの活用、部活動の外部指導員の活用、サポートスタッフの配置等による労働時間削減がカギを握りそうです。

教員の働き方改革は「勤務時間管理の徹底」から

教員の働き方改革は、環境の整備と併せて「勤務時間管理」を適切に行うことが不可欠です。労働時間を客観的に把握することが、現状の働き方に目を向ける第一歩となります。しかしながら、現状としては多くの学校で「報告や点呼、目視によって管理職が把握」「出勤簿への押印」といった勤怠管理の実態があるようです。

参考:打刻ファースト「【なぜ教師は忙しい?】教員の長時間労働是正に向け、正しい勤怠管理を

これでは、教諭自身「自分が何時間働いたのか」を正しく把握することができず、労働が長時間に及ぶことを避けられません。また、管理職が教諭の勤怠を目視で確認しなければならないとすれば、管理職への負担は大きなものとなってしまいます。

教員の残業上限指針案が了承され、今後、文部科学省は必要な制度改正に向け検討を開始します。
いよいよ本格的に動き出す学校の働き方改革に対応するため、客観的に労働時間を把握できる勤怠管理システムを導入しましょう。

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