本当の幸せって?ベトナム人の労働観には日本人の忘れたそれがある

ベトナムという国をご存知でしょうか?東南アジアに位置する国で、近年オフショア開発や生産の拠点として日系企業の進出が盛んな国の一つです。
この国での働き方、価値観は日本のそれと大きく離れているどころか、どこか日本人にとって羨ましく思えるものがあります。

ベトナム人の転職は当たり前?給与と成長機会を最も重要視するのが彼らの働き方

ベトナム人が仕事を選ぶ上でもっとも重要視するポイントはなんでしょうか。株式会社Asia Plusさんが独自調査された内容によると、
■1位「給与」54%
■2位「職場環境」40%
■3位「自分のスキルが活かせること」39%
■4位「能力を高める機会があること」29%
■5位「将来性」28%
となっています。一般にベトナムの人たちは「給与が高いかどうか」と「成長機会があるかどうか」を総合的に判断し、企業を選ぶと言われています。
 それゆえ、今よりも少しでも良い条件のオファーがあると、ためらわずジョブチェンジします。いわゆる”ジョブホッピング”です。日本では、新卒学生が3年以内に転職する率が高いと報道されていますが、ベトナムではそれは当たり前です。1年たたずの転職も珍しい話ではありません。

ベトナムではダブルワークやフリーランスも至極当たり前。副業禁止なんてあり得ない?

ベトナムの平均給与は300USDと言われています。成長中のあるIT企業でも、新卒のベトナム人の初任給は200USDだと言います。もちろん物価が安いため、それで暮らせなくはないのですが、彼らはそれで満足しているわけでもありません。筆者の知人が言うには、目指したいのは月収1,000USDだとのことです。この金額は、一つの企業だけでは目指すのが難しいように感じてしまいます。
 そこで、彼らは副業という選択肢をとります。こちらの記事によると、ベトナム人若者の副業率は6割にものぼるそうです。
 さらに、ベトナムには個人を企業に縛る法律も概念もありません。いくつの会社と雇用契約を結んだとしても、それはただの個人の自由なのです。

人生で最も大切なのは家族。残業時間なんてものは基本的にゼロ!?

彼らの就業時間、帰宅時間は早いです。17時など、定刻になるとさっさと荷物を片付けて帰ってしまいます。それは、彼らにとってもっとも大切にしたいのが家族との時間だから。
 さらにベトナムの法律では、残業などの時間外労働に対して会社が支払う金額は日本のそれ以上です。日本の法律で定められた最低基準の残業代は、25%~60%増なのに対し、ベトナムでは50%~200%増です。国としても基本的に残業をしないよう促しているのが伺えますね。

【参考記事】本当に合ってますか?その残業代(割増賃金)_正しく計算するための5か条(月給編)
(参考記事)【ベトナム・労務】ベトナムの残業代(労働法第97条)(弁護士西遊記~ベトナム、ミャンマー、ときどき中国。さんより)

 そして、実家が田舎で一人都心部で暮らしているような人は少なくとも月に一度もしくは毎週、帰省していることが多いです。家族と幸せに暮らすため、家族を助け合うために、勉強をしたり働いたりするというのが彼らの価値観なのです。

ベトナム人の感性を象徴する憲法:家族は社会的細胞

ベトナムはもともと農村社会です。それゆえに家族の絆が強いといいます。もし家族のうちの誰かが失業してしまったら、親戚一丸となって新しい就職先を探そうとします。もし家族の誰かが病気になってしまったら、ためらわず仕事は休みを取るのです。そんなベトナムの憲法には、”家族は社会的細胞である”との記載があります。この国では「良い家族があってこそ、良い社会が作られる」と信じられているのです。ゆえに彼らは家族をもっとも大切にするのです。これは、多忙すぎる日本という国に忘れられつつある感覚ではないでしょうか。

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