【雇用調整助成金】まだ間に合う?間違えやすい申請期限

コロナ禍の厳しい雇用情勢に応じて、雇用調整助成金の特例措置(助成率や日額上限額のアップ)や申請期限は何度も延長されています。しかし、それぞれの延長時期を混同してしまい間違えて認識している方が多いのも実情です。また、申請期限についても厚生労働省のガイドブックやマニュアル等を読み込んでも表記が理解しにくく、正しく理解されていない方が非常に多いように思います。

今号は、間違えやすい申請期限について解説します。もう間に合わないと諦めている方もひょっとしたら間に合うかも!?要件に該当しても申請期限を過ぎてしまったら支給されませんので、必ずご確認ください。

申請期限は従来通り2か月以内

特例措置(助成率や日額上限額のアップ)が12月末まで延長されたことはこれまでにも解説していますが、申請期限に関しては、以下のようになっています。

関連記事:『【新型コロナウイルス】雇用調整助成金の特例措置等、コロナ関連諸制度期間延長が続々決定

支給対象期間の初日が
・令和2年1月24日から6月30日までの休業⇒9月30日まで
・令和2年7月1日以降の休業⇒支給対象期間の末日の翌日から起算して2か月以内(=従来通り)となります。

例えば、
・賃金締日:20日、6/21~7/20の申請⇒9月30日まで(受付終了
・賃金締日:20日、7/21~8/20の申請⇒10月21日まで(受付終了
・賃金締日:末日、7/1~7/31の申請⇒9月30日まで(受付終了
となります。

よって、賃金締日が末日の会社は9/1~9/30の申請期限は11/30(受付中)ですが、7/1~7/31、8/1~8/31はそれぞれ9/30、10/31が申請期限となり既に過ぎてしまっています。

参考:厚生労働省「雇用調整助成金支給要領(令和2年9月30日改正)P36 0701イ、P60 1112aホ

まとめて申請すると間に合うの?

ネット等の情報で「連続して申請すると期限切れ分も認められるらしい」という情報があるようですが、実際はどうなっているのでしょうか?

正確には連続する3つの判定基礎期間(※判定基礎期間=賃金締日ごとの1か月単位の期間)まではまとめて1つの支給対象期間として申請することが可能であることが、もともと規定されているのです。

上の例のように、
7/1~7/31、8/1~8/31のそれぞれを1つの支給対象期間とし、別々のタイミングで申請する場合は期限切れとなりますが、
7/1~7/31、8/1~8/31、9/1~9/30を1つの支給対象期間としてまとめて申請すると申請期限は11/30までとなり、7月分、8月分もまだ間に合わせることができます!!

ただし、「7月中、9月中は休業日があったけど、8月中は休業日がなかった」というケースでは、連続した2または3つの判定基礎期間の申請を同時に行うことができないため、対象外となります。

参考:厚生労働省「雇用調整助成金支給要領(令和2年9月30日改正)P26 0501ロ

申請期限日が土日、祝日等の場合は?

当助成金は会社の賃金締日ごとに申請期限が決まりますが、申請期限日が土日や祝日の場合、労働局やハローワークは閉庁しています。どうなるのでしょうか?

行政機関の休日に関する法律により、「国の行政庁に対する申請や届出は、期限日が行政機関の休日に当たるときは、行政機関の休日の翌開庁日をもつてその期限とみなすとあります。※別段の定めがあるときを除きます。
行政機関の休日とは、土曜日、日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日、12月29日~翌年1月3日を指します。ですので、月末締の会社で10/1~10/31の申請は翌年1月4日ということになります。

参考:厚生労働省「雇用関係助成金支給要領 P13 0401

理由書を添付すれば期限切れも認められるって本当?

ネット等で「申請期限が過ぎたとしても理由書を出せば認められるらしい」という情報もあるようですが、本当でしょうか?

こちらは、雇用関係助成金支給要領に
「天災その他支給申請期間内に助成金の支給を申請しなかったことについてやむを得ない理由があるときは、当該理由のやんだ後1か月以内にその理由を記した書面を添えて申請することができる。」を根拠にそのような対応がなされているかと思います。
実際に、申請期限を過ぎてしまったことが天災と同等のやむを得ない理由に該当するか判断を下すのは各労働局・ハローワークとなります。
単に「期限を忘れていた」「期限を読み違えていた」では理由として弱そうに見受けられますが、気になる方は各自所轄の労働局・ハローワークに問い合わせてみてください。

参考:厚生労働省「雇用関係助成金支給要領 P13 0401

早めの入念な確認をお勧めします

いつまでに申請する必要があるのか確認することは言うまでもなく非常に大切です。しかし、度重なる改正で探している情報を見つけにくかったり、行政の文書はどうしても言い回しが難しく理解しにくかったり、結果情報を掴むことができないまま日にちが過ぎていって・・・ということもあり得るかもしれません。助成金は期限厳守です。少しでも不安であれば身近な社会保険労務士や行政機関に都度確認して、申請漏れだけはないようにしましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

社会保険労務士 南里有紀(ナンリユキ)事務所

1985年生まれ。大学卒業後、コンサル会社(東証JASDAQ上場)にて中小企業向け財務・労務コンサルティング業務に携わる。 終電・休日出勤を厭わず楽しく夢中に働いた20代を経て、目まぐるしく変わる社会情勢の中、労働者の大きな意識の変化を感じています。 なんとなくやってきた労務管理が通用しなくなりつつある今、人の気持ちに寄り添った実現可能な良い会社作りのお手伝いをします。