身近に潜む新型コロナウイルス・・・万が一に備え、職場における適切な初動対応を知る

新型コロナウイルスが感染拡大の一途をたどる今日、巷では、もはやだれが、いつ、どこで感染しても何らおかしくない状況があります。例えば明日、従業員から「コロナ陽性になりました」と報告があったら、御社ではどのような対応をとるでしょうか?企業として、顧客・従業員・事業を守るための適切な初動対応を理解しておきましょう。

「感染予防策」「感染者含む体調不良の従業員への対応」「その他必要な対応」を理解

新型コロナウイルスという未知なる脅威への企業対応については、蔓延からおよそ1年半が経過し、ようやく体系的にまとめられつつあります。

中小企業における感染予防、初動対応については、東京商工会議所「職場で新型コロナウイルスの感染が疑われたら読むガイド~お客様・従業員・事業を守るための初動対応を中心に~」が分かりやすく、参考になります。ガイドブックには、事業場における日頃の感染予防策、従業員の中にコロナ感染者や感染が疑われる人が出た場合の対応、その他従業員のコロナ感染に伴い必要となる対応がまとめられています

職場における感染予防策

日常的な感染予防策としては、ごく基本的なポイントとなりますが、以下が挙げられています。

✓ マスク着用、手洗い・手指消毒の徹底
✓ ソーシャルディスタンスの確保
✓ 3密回避を意識した事業運営、換気、食事・会話に関わる配慮
✓ 施設内のこまめな清掃・消毒

その他、事業の実情に応じて、可能な限りテレワークや時差出勤などの制度導入に目を向けるべき点も重要な観点のひとつに挙げられています。

感染が疑われる体調不良の従業員対応

コロナ禍以前は、少々発熱がみられても出勤するかどうかは本人に委ねるような対応をする事業場は少なくありませんでした。ところが、新型コロナウイルス感染拡大を背景に、従業員から発熱があると連絡を受けた場合や社内で発熱者が出た場合の適切な対応としては「自宅待機、就業中であれば帰宅させる」ことが原則とされています。この場合、使用者都合による休業に該当するため、休業手当支給や特別休暇付与等が必要となりますので、会社として従業員へのアナウンスや対応が不可欠です。

感染が疑われる従業員への対応フローは、以下の通りです。

感染者が発生した場合の感染従業員への対応

従業員の中にコロナ陽性者が発生した場合、速やかに管轄の保健所や産業医に報告し、指示に従います。陽性の従業員本人は療養のために休業とし、保健所の健康観察を受けながら体調回復に努めることになります。会社は必要に応じて、労基法上の休業手当、健康保険の傷病手当金、労災申請(業務起因性・遂行性のある感染の場合)等の情報提供を行います。

復職時の証明書提出は原則求めない

コロナ陽性となった従業員対応で特に注意すべきは、職場復帰のタイミングです。従業員に対して「陰性証明」や「復職診断書」の提出を求める事業場もあるようですが、こうした取扱いには注意が必要です。厚生労働省は、「医療保健関係者による健康状態の確認を経て、宿泊療養・自宅療養を終えるものであるため、療養終了後に勤務等を再開するに当たって、職場等に、陰性証明を提出する必要はない」と明言しているためです。

その他、コロナ陽性が発生した際のその他の従業員への対応、従業員対応以外に会社として取り組むべきことについてもガイドラインにまとめられていますので、あらかじめ目を通しておくと安心です。

参考:東京商工会議所「職場で新型コロナウイルスの感染が疑われたら読むガイド~お客様・従業員・事業を守るための初動対応を中心に~

依然として予断を許さない新型コロナウイルス感染拡大ですが、万が一の時に企業として適切な対応がとれるかどうかは、今後の従業員及び顧客、取引先からの信頼に大きく関わる重要なポイントとなります。あらかじめ必要な情報を収集・把握し、必要な準備を整え、会社として適切な対応を心がけてまいりましょう。

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