小学校休業等対応助成金が2022年度で終了!2023年度は両立支援等助成金に特例

新型コロナウイルス感染症が2023年のゴールデンウィーク明けにも5類感染症に移行する流れを受け、新年度より、企業に向けた支援体制が少しずつ変化する見通しです。今号では「小学校休業等対応助成金・支援金」について、2023年度以降の取扱いを確認しましょう。

小学校休業等対応助成金・支援金は、「2023年3月末までの休暇分」で終了

小学校休業等対応助成金・支援金とは、新型コロナウイルス感染症の影響により小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子どもの保護者である労働者を支援するため、正規雇用・非正規雇用を問わず、有給の休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を取得させた企業に対して支給される助成金です。
2023年1月23日に開催された第55回労働政策審議会雇用環境・均等分科会によると、2023年度以降の小学校休業等対応助成金・支援金について、2023年3月で終了する旨の方針が示されています

関連:厚生労働省「第55回労働政策審議会雇用環境・均等分科会

学校休業数、助成金申請数がいずれも減少傾向

小学校休業等対応助成金・支援金が終了となる背景には、「学校全体としての臨時休業」「本助成金の申請数」が共に減少に転じていることが挙げられます
もっとも、10歳未満の新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数は依然として高い水準にありますが、陽性者が生じた際の対応としてはあくまで特定の学年・学級の臨時休業に止まっており、これはインフルエンザ流行期における対応と同様です。結果、2022年12月時点での公立学校における学校全体の臨時休業率は、わずか0.1%となっています。

併せて、申請件数についても、第6波に該当する2022年1月1日から3月31日までの休暇の申請期限である2022年5月をピークに、大幅減となっています。さらにその申請内容についても、実際に感染した等で「小学校等を休むことが必要な子ども」に関するものが大半となっているとのことです。 以下は、第55回労働政策審議会雇用環境・均等分科会資料内の「小学校休業等対応支援金の申請・支給状況(新規)」を示すグラフです。

2023年3月31日までの休暇分に係る申請期限は「2023年5月31日」

これらの背景を踏まえ、小学校休業等対応助成金・支援金は、2023年3月末日までに取得した休暇に関わる申請をもって終了となります。2022年12月1日から2023年3月31日取得分の休暇に係る申請期限は2023年5月31日となっていますので、対象労働者がいる現場においては期限内に漏れなく申請しましょう

2023年度以降は、企業における両立支援制度整備を後押しする制度の創設へ

2022年度いっぱいで小学校休業等対応助成金・支援金が終了することを受け、2023年度以降は新たな形での企業支援が予定されています。未だ2023年度予算案の審議前であり、今後内容が変更される可能性がありますが、現時点での方向性を確認しておきましょう(2023年2月9日現在)。

2023年度新設予定 両立支援等助成金「新型コロナウイルス感染症対応特例」

● 対象となる子ども
① 新型コロナウイルス感染症への対応として、臨時休業等をした小学校等(※)に通う子ども
※ 小学校等:小学校、義務教育学校の前期課程、特別支援学校、放課後児童クラブ、幼稚園、保育所、認定こども園等
② ⅰ)~ⅲ)のいずれかに該当し、小学校等を休むことが必要な子ども
ⅰ)新型コロナウイルスに感染した子ども
ⅱ)風邪症状など新型コロナウイルスに感染したおそれのある子ども
ⅲ)医療的ケアが日常的に必要な子ども又は新型コロナウイルスに感染した場合に重症化するリスクの高い基礎疾患等を有する子ども
● 支給要件
以下①②をどちらも講じた上で、労働者が特別有給休暇を取得したこと
① 対象となる子どもの世話を行う必要がある労働者が、特別有給休暇を取得できる
制度の規定化
② 小学校等が臨時休業等した場合でも勤務できる両立支援の仕組み(テレワーク勤務、短時間勤務制度、フレックスタイム制度など)の社内周知
● 支給額
1人あたり10万円、1事業主につき10人まで(上限100万円)

出典:厚生労働省「第55回労働政策審議会雇用環境・均等分科会_小学校休業等対応助成金等について

新型コロナウイルスの流行から4年目を迎え、これまで行われてきた臨時・緊急的な一律の支援が見直され、今後は現場における「ウィズコロナ」を踏まえた対応が求められることとなります。これに伴い、2023年度は国による企業支援の形に変化が見られる年となりそうです。打刻ファーストでは、今後も引き続き、最新情報をお伝えしてまいります。

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