【学校の働き方改革】民間企業の取り組みを参考にした「ゆう活」の導入(国立大学法人香川大学の取り組み)

学校の働き方改革を考える上では、「夏季期間の取り組み」がカギとなることは既に別記事でご紹介した通りです。

参考:打刻ファースト「【学校の働き方改革】2019年夏、教員の「夏休み取得ルール」の見直しが急務!

今号では、教育現場においてはいち早く、夏ならではのワークスタイル「ゆう活」の導入に踏み切った、国立大学法人香川大学の働き方改革をご紹介しましょう。

「ゆう活」とは?

出典:政府広報オンライン「ゆう活 - はじめよう!夕方を楽しく活かす働き方

「ゆう活」とは、夏の日照時間の長さを利用し、働く時間を前倒しにすることで、長い夏の夜の活動を充実させようという取り組みです。
家事や子育て、介護、家族・友人と過ごす時間や自己啓発、余暇など、仕事以外の生活を充実させることで、ワークライフバランスの実現につながると考えられています。

世界各国では既に70ヵ国以上がサマータイムを導入し、夏の間、時計の針を1時間早めて生活しています。
「ゆう活」はまさに「日本版サマータイム」として2015年7月よりスタートし、定着が目指される制度です。

香川大学の「ゆう活」導入事例

政府や民間企業における「ゆう活」の導入では、労働生産性の向上や従業員のモチベーションアップ、長時間労働の抑制やコスト削減等の具体的な効果が出始めています。
こうした情報をいち早くキャッチし、学校の働き方改革に活かそうと立ち上がったのが、国立大学法人香川大学でした。

香川大学では、「ゆう活」を「楽しく働ける明るい職場づくりと、業務の合理化・効率化を両立できる取り組み」と捉え、導入を実現。
夏の3ヵ月間の勤務時間を、従来の「8:30~17:15」から1時間前倒しした「7:30~16:15」とし、まずは参加可能な部署から制度運用が始まりました。

香川大学での「ゆう活」導入効果

試験的な導入段階では、事務職員全体の47.4%にあたる209名が「ゆう活」を実践しました。「ゆう活」の導入効果は、下記の通りまとめられています。

・女性職員を中心に「時間のゆとりができたことで、子どもと接するときにも気持ちの余裕が生まれた」との好意的な声が挙がった
⇔一方で、「早い時間は幼稚園や保育所が開いないので、参加が難しい」との課題が明らかに

・光熱費の削減が実現
・「だらだら残業」が減り、人件費の削減に繋がった
・業務の効率化や意識改革にも役立った

実施後のアンケート調査では、参加職員の約7割から「参加して良かった」との回答があったとのこと。
大学としても「ゆう活」導入のメリットは想定した以上に大きく、今後もより良い形を検討しながら制度を継続させていく方針とのことです。

参考:政府広報オンライン「「ゆう活」導入企業インタビュー(国立大学法人 香川大学)

学校の働き方改革は「とりあえずやってみる」の姿勢が重要

香川大学では、今号でご紹介した「ゆう活」導入の他、一週間の連続休暇制度や育児短時間勤務制度の導入、男女の育児休暇の取得促進、託児所の設置等、学校における働き方改革を積極的に進めてきました。
取り組みにおいては、教育現場という特性上、「こんなに休んで良いのか?」等の声が挙がったこともあったようですが、「固定観念を捨てて色々なことを試していくべきだ」というスタンスで乗り越えてきたとのことです。

また、香川大学の事例では、社内における調整はほどほどに、とりあえず参加できる部署から取り組みを進めていったことも、働き方改革推進におけるカギとなっている様に感じられます。
学校全体で既存の働き方を変えることは、決して容易ではありません。だからこそ、一度ですべてを変えようとするのではなく、まずはできる人から試していくことから始め、効果があれば全体に浸透するような制度設計を検討していく姿勢が重要になるのです。

クラウド勤怠管理システムIEYASUなら、「ゆう活」導入で多様化する勤務パターンにも柔軟に対応。御校の働き方改革推進にお役立てください!

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