2022年1~3月の雇用調整助成金特例措置は、一部「上限額の引き下げ」の見込み

日々報道等で新規感染者数や重症者、死亡者の推移を確認する限りは、徐々に新型コロナウイルス感染拡大が抑えられつつあるように感じられます。諸外国の状況に鑑みればまだまだ油断は禁物ですが、このまま何とか終息していくことを願わずにはいられません。

さて、コロナ禍で活用が進んだ雇用調整助成金の特例措置について、先日、2022年1~3月の助成内容が公表されました。今後の感染状況や雇用情勢の変動に応じて変化する可能性がありますが、現時点での予定を把握しましょう。

2022年1~3月の雇用調整助成金特例措置では「上限額の引き下げ」に留意


出典:厚生労働省「令和4年1月以降の雇用調整助成金の特例措置等について

基本的には現行通りの助成内容、ただし原則的な特例措置では「上限引き下げ」

上図では、2021年11月時点で適用されている雇用調整助成金特例措置と、このたび新たに公表された2022年1・2月及び3月に適用される予定の特例措置の内容が並んでいます。原則的な特例措置の助成率、地域特例・業況特例の助成率と助成上限に関しては2022年3月まで現行制度が継続されますが、赤字の通り、原則的な特例措置の上限額が段階的に引き下げられる予定です

「業況特例」「地域特例」については、以下の記事で解説しています。

関連記事『雇用調整助成金特例措置は「2021年9月末」まで継続!特例措置の適用となる「業況特例」「地域特例」を総復習

休業支援金についても、雇用調整助成金同様の変更あり

従業員の休業に際しては、企業が雇用調整助成金等を活用して休業手当を支払うことが大前提ですが、企業からの支払いがない場合、従業員が国に直接休業支援金を申請できる制度もあります。こちらに関しても、2022年1月以降、原則的な特例措置の助成上限が引き下げられます

休業支援金の詳細については、以下よりご確認いただけます。

関連:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金

雇用調整助成金が申請できるケースとは?

今号では、2022年1~3月の雇用調整助成金特例措置の予定について解説しました。繰り返しになりますが、助成内容に大きな変動はないものの、一部上限額の変更が生じる点に留意しましょう。

ここからは余談になりますが、雇用調整助成金については「どのような時に申請できるのか」といったご相談をいただくことが多々ありますので、ここで簡単にご説明しておきましょう。

そもそも雇用調整助成金は、「売上げが下がり、従業員を休業させる必要があった事業主」が、「従業員を計画的に休業させ、休業手当を支払った」場合に支給申請できます。コロナ禍においては「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例(今号では「特例措置」として表現しています)」が講じられており、これを適用できるのは以下に該当する事業主です。

✓ 「新型コロナウイルス感染症の影響」により、
✓ 経済上の理由により「事業活動の縮小」を余儀なくされた場合に、
✓ 従業員の雇用維持を図るために、「労使間の協定」に基づき、
✓ 「雇用調整(休業)」を実施する事業主

よく「コロナ関連で休業させた場合には幅広く雇用調整助成金を申請できる」と誤解されがちですが、「経済上の理由による事業活動の縮小を起因とする休業」である必要があるため、社労士宛にご相談いただいても適用対象外となるケースが数多くあります。その一例として「ワクチン接種に際しての休業」がありますが、この点に関しては社会保険労務士の南里先生が解説されていますので、以下の記事をご覧いただくと良いでしょう。

関連記事:『【雇用調整助成金】ワクチン接種日も申請できる?副反応に備えた休業は?

雇用調整助成金の対象となるケースを始め、申請手順やスケジュール管理等に関わるご質問・ご相談は、労務管理の専門家である社会保険労務士までお寄せください!
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