雇用調整助成金特例措置は「2021年9月末」まで継続!特例措置の適用となる「業況特例」「地域特例」を総復習

東京は4度目の緊急事態宣言発令となり、感染再拡大について依然として予断を許さない状況が続きます。これを受け、厚生労働省からは、現在講じられている雇用調整助成金の特例措置が9月以降も継続となる旨の方針が発表されました。雇用調整助成金の特例措置について、2021年7月16日時点の最新情報をまとめます。

9月末までを対象とした雇用調整助成金特例措置の内容

上図の通り、2021年5月以降の雇用調整助成金の助成内容は、9月末まで延長となる見込みです。10月以降の取扱いについては、8月中に決定・公表されます

今号では、特例措置の対象となる「業況特例」「地域特例」について、今一度確認しましょう。

業況特例

業況特例の対象となるのは、「判定基礎期間の初日が属する月から遡った3ヵ月間」の生産指標の月平均が、「前年または前々年の同期」と比べ3割以上減少した全国の企業です

生産指標は、売上高や生産量の他、雇用の変動と密接に結びつく指標も幅広く含まれ、個別に判断されます。宿泊業であれば「客室の稼働率」「客数」、建設業であれば「工事請負契約数」、造船業であれば「手持工事量(受注残高)」「操業量」、労働者派遣事業であれば「労働者派遣契約の件数」「就業中の派遣労働者の数(休業中の者を除く)」等が挙げられます。

会社を立ち上げて1年未満である等、比較対象となる生産指標がない場合は業況特例の対象となりません。必ず、前年同期か前々年同期と比較する必要があります。 また、比較に用いる月は、「雇用保険適用事業所となっていること」「その期間を通じて雇用保険被保険者である従業員がいること」が条件となります。

地域特例

地域特例は、以下の場合に適用されます

  • 特例の対象となる区域内で事業を行う飲食店等の事業主が、
  • 知事の要請等を受けて、休業、営業時間の短縮、収容率・人数上限の制限、飲食物の提供(利用者による酒類の店内持ち込みを含む)又はカラオケ設備利用の自粛に協力し、当該区域内の要請等の対象となる施設において、
  • その雇用する労働者の休業等を行った場合

地域特例の対象となる区域、及びそれぞれの対象期間は、以下より最新の情報をご確認いただけます。

参考:厚生労働省「緊急事態措置及びまん延防止等重点措置に係る雇用調整助成金の特例について(区域一覧)

緊急事態措置を実施すべき区域に指定された場合、指定された日を含む判定基礎期間について、その実施すべき期間より前に行った休業について特例の対象となります。

(例)愛知県が2021年5月12日に緊急事態措置を実施すべき区域に指定
休業:2021年5月1日~5日(対象区域指定前)
   2021年5月12日~31日(対象区域指定後)
⇒判定基礎期間(2021年5月1日~31日)の申請を行う場合において、2021年5月1日~5日、2021年5月12日~31日が特例対象となる

複雑化する雇用調整助成金の理解に役立つ「雇用調整助成金FAQ」が随時更新中

コロナ禍を乗り切るために積極的に活用したい雇用調整助成金ですが、原則的な取扱いに加え特例措置が講じられ、さらに特例措置自体も対象区域・期間に変動が生じるということで、ますます複雑化しています。雇用調整助成金の申請時に役立つのが、厚生労働省が公開するFAQ集です。マニュアルに記載のない事項、特例措置の変動等に対応していますので、判断に迷う際にはまずご一読いただくと良いと思います。

参考:厚生労働省「雇用調整助成金FAQ

新型コロナウイルス感染拡大が再び顕著となり、企業においては依然として厳しい状況が続きます。活用できる支援を最大限に活用しながら、今できること、取り組むべきことに目を向けてまいりましょう!

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