<申請受付期間2021年12月1日~2022年3月31日>東京都「採用・定着促進助成金」とは?|助成金を活用しながら、コロナ離職者を御社の正社員に

新型コロナウイルス感染拡大からおよそ2年が経過し、徐々にウィズコロナの生活が進みつつある一方、新型コロナによって残された爪痕は依然として消えることはありません。現状でも、多くの労働者がコロナによる収入の低下や離職に苦しむ状況が続きますが、こうした苦境に対応すべく、各自治体が様々な支援制度を創設し、企業と手を携えて雇用創設に乗り出しています。
今号でご紹介するのは、2021年12月1日より東京都で受付が開始された「採用・定着促進助成金」です。

コロナ離職者の正規採用支援策!東京都「採用・定着促進助成金」とは?

東京都「採用・定着促進助成金」とは、コロナ禍での解雇や雇い止めを余儀なくされた労働者を正社員として雇い入れ、計画的な育成計画の元、人材の定着を図る企業に対する助成金制度です。コロナ禍においては、雇用維持が困難となった企業に関する報道が目立ちますが、一方で、コロナの影響により更なる人材の確保が必要となった業種もあります。また、コロナによって一時的に厳しい経営状況となっても、感染拡大が抑えられつつある今、再び人材確保を積極的に行っていこうという現場も少なくありません。人材確保が必要な企業にとって、ウィズコロナ、アフターコロナの採用戦略の一環として、東京都「採用・定着促進助成金」を有効にご活用ください。

対象となる事業主

対象は、以下のいずれか定義に該当する、いわゆる「中小企業事業主等」です。
業種区分については、日本標準産業分類(平成25年10月30日付け総務省告示第405 号)によります。

○ 資本金の額若しくは出資の総額が3億円を超えない事業主
※ただし、小売業(飲食店を含む)又はサービス業を主たる事業とする事業主については5,000万円
卸売業を主たる事業とする事業主については1億円
○ 常時雇用する労働者の数が300人
※ただし、小売業(飲食店を含む)を主たる事業とする事業主については50人
卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については100人

 
前述の「中小企業事業主等」に該当し、所定の要件を満たす事業主が、以下①②を満たす取り組みをした場合に交付されます

① ア、イのいずれかの事業に参加した者を正社員として採用(採用日時点の年齢が、34歳以下又は55歳以上の者)し、6ヵ月以上継続して雇用し、
ア 2021年度に東京しごと財団が実施する「雇用創出・安定化支援事業
イ 2020年度に東京都が実施した「雇用安定化就業支援事業
② ①の対象労働者に対して、3ヵ月の支援期間のうちに以下の支援を行い、なおかつ支援期間終了時に対象労働者が都内に勤務していること
ア 指導育成計画(3年間)の策定
イ 指導育成計画に基づく研修の実施
ウ 指導育成者(メンター)の選任及びメンターによる指導

助成額

対象労働者1人につき 20万円(最大60万円)

詳細は、以下よりご確認いただけます。個別のご質問・ご相談は、社会保険労務士にお気軽にお問い合わせください。⇒労務相談はコチラから

参考:東京しごと財団「雇用創出・安定化支援に係る採用・定着促進助成金

要項では、遵守すべき労働関係法令を明記

前項では、東京都「採用・定着促進助成金」の交付要件・内容をざっくり解説しました。「それでは、さっそく取り組もう」と前向きになっていただけた事業主様には、「対象となる事業主」の要件についてより細かくご確認いただきたいと思います。

支給要項には、第4条に支給対象事業主の要件が11項目明記されています。雇用関係の助成金支給要項を見ると、いずれの要項にも必ず労働関係法令遵守に係る要件が盛り込まれています。本助成金の支給要項にも、以下の通り、遵守すべき事項が具体的に記載されています。

ア 従業員に支払われる賃金が、東京都の最低賃金額(特定(産業別)最低賃金額)を上回っていること。
イ 固定残業代等の時間当たり金額が時間外労働の割増賃金に違反していないこと、
また固定残業時間を超えて残業を行った場合は、その超過分について通常の時間外労働と同様に割増賃金が追加で支給されていること。
ウ 法定労働時間を超えて労働者を勤務させる場合は、「時間外・休日労働に関する協定(36協定)」を締結し、全労働者に対し、協定で定める上限時間を超える時間外労働をさせていないこと。
エ みなし労働時間制(事業場外労働のみなし労働時間制、裁量労働制)において、労使協定又は労使の合意で定めた時間が法定労働時間を超える場合、その時間が月80時間以下であること。
オ 支給申請日の前日から起算して、過去6ヵ月以内においての時間外労働の平均が月80時間を超える労働者がいないこと。
カ 2020年4月1日から支給申請日の前日までの間において、労働基準法に定める時間外労働の上限規制を遵守していること。
・原則として、時間外労働は月45時間以内、年360時間以内
・臨時的な特別な事情がある場合は、時間外労働・休日労働の合計が月100時間未満、複数月平均80時間(年6ヵ月まで)、時間外労働が年720時間以内
※ただし、いずれも特別条項付きの36協定締結が必要
キ 厚生労働大臣の指針に基づき、セクシュアルハラスメント等を防止するための措置を取っていること。
ク 労働基準法第39条第7項(年次有給休暇について年5日を取得させる義務)に違反していないこと。
ケ その他賃金や労働時間等に関する労働関係法令を遵守していること。

 
いずれも、賃金や労働時間に関わる法定の取り組みばかりですが、中小企業等では対応できていない項目がいくつか発見されるケースは少なくありません。まずは社会保険労務士に助成金診断をご依頼いただき、課題の抽出、適切な労務管理体制の整備を進めましょう!

助成金体質企業になるための最初の一歩は、「適正な勤怠管理」

助成金申請について、労働関係法令遵守の観点から「すぐの申請は厳しい」と判断せざるを得ない現場においては、今からでも、助成金体質企業となるための取り組みを検討しましょう。コロナ禍の企業経営では、「助成金を有効に活用できるかどうか」がこれまで以上に重要となります。まずは、政府ガイドラインに則した勤怠管理から始めるのが良いでしょう。

勤怠管理にお悩みの現場には、無料のクラウド勤怠管理システム「IEYASU」の導入がお勧めです!働き方改革関連法令に完全対応しているので、助成金申請のために必要な勤怠管理がすべて完結します。

LINEで送る

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事