即戦力採用の一助に!「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)」活用のススメ

アフターコロナに突入し、多くの企業が採用活動を再開させた2023年度。新卒採用の求人倍率が回復傾向にある一方で、深刻化する人手不足を背景に中途採用を強化する企業も増えている様です。今号では、これから即戦力採用を進めていきたい現場で活用すべき、「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)」をご紹介しましょう。

「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)」をわかりやすく解説

「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)」とは、中途採用者の雇用管理制度を整備した上で中途採用の拡大を図る事業主に対する助成金制度です。「中途採用率の拡大」については1事業所あたり50万円が、「45歳以上の中途採用率の拡大」については1事業所あたり100万円が助成金として支給されます。

支給要件となる「中途採用率拡大目標値」の計算方法

「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)」では、支給要件として「中途採用率拡大目標値」が設定されています。具体的には、

  1. 中途採用計画開始日の前日から過去3年間、及び中途採用計画期間終了時について「対象労働者の要件」に該当する労働者を算出した上で、
  2. 計算式(1)(2)それぞれに当てはめて計算し、
  3. 「(2)-(1)」を20ポイント以上とすること
    が必要とされています。対象労働者の要件、計算式を順に確認しましょう。

〇 対象労働者の要件
① 申請事業主に中途採用により雇い入れられた
② 雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れられた
③ 期間の定めのない労働者(パートタイムを除く)として雇い入れられた
④ 雇い入れ日の前日から起算してその日以前1年間に、雇用関係、出向、派遣、請負または委任により当該事業主の事業所で就労したことがない
⑤ 雇い入れ日の前日から起算してその日以前1年間に、申請事業主と密接な関係にある事業主に雇用されていた経験が無い
⑥ 雇入れ時の年齢が45歳以上である(「45歳以上の中途採用率の拡大」の場合のみ)

計算式


例えば、過去3年間の採用者総数が10人、そのうち4人が中途採用者の場合、(1)の中途採用率は40%となります。その後、中途採用計画期間における採用予定総数5人、そのうち3人が中途採用者予定数の場合、(2)の中途採用率が60%となります。このケースでは、「(2)-(1)」が20ポイント以上となるため、支給要件を満たすことになります。

なお、「45歳以上の中途採用率の拡大」に関わる助成金申請では、上記に加え、以下の「(2)-(1)」を10ポイント以上とする点に留意しましょう。また、同一の中途採用計画期間に、「中途採用率の拡大」と「45歳以上の中途採用率の拡大」の両方で助成金を受給することはできません。

あらかじめ、中途採用計画の作成・提出が必要

「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)」では、事前に中途採用計画の作成・提出、及び中途採用者の雇用管理制度の整備を行った上で、中途採用を進める必要があります。いずれの助成金申請にも共通することですが、所定の手順に則って取り組まなければ、たとえ支給要件を満たしたとしても、助成金の支給対象外となってしまうのでくれぐれもご注意ください。

中途採用計画立案のポイント

中途採用計画期間は1年間とし、過去3年間の中途採用率を元に、向こう1年間の採用予定者数を検討します。その際、中途採用率が20ポイント以上拡大するように、採用予定総数と中途採用者予定数を設定する必要があります。中途採用者予定数は、2名以上としなければなりません。
併せて、採用目的、配置予定部署・役職、採用時の評価方法、採用時のモデルキャリアについても明記します。

中途採用計画のひな型は、以下よりダウンロード可能です。

参考:厚生労働省「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)各様式ダウンロード(令和3年4月1日以降の中途採用計画の対象者にかかる申請の場合)

中途採用者の雇用管理制度整備とは?

中途採用計画の作成・提出後に行うべきは、中途採用者の雇用管理制度整備です。具体的には、中途採用者に適用される採用規程、就業規則、賃金規程、人事評価規定、雇用契約書、賃金台帳等を整備することが求められます。また、雇用管理制度上、中途採用者の労働時間・休日、雇用契約期間、評価・処遇制度、福利厚生などが新規学卒者と同等でなければなりません。

助成金受給のための事業主要件も要確認

今号では、「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)」の概要についてざっくりとご紹介しました。本助成金を受けるためにはその他にも細々とした要件を持たす必要がありますので、活用を検討される際にはあらかじめガイドブックを確認されておくことをお勧めします。

なお、雇用関係助成金の対象事業主となるためには、大前提として「労働基準法に則った労務管理」を講じている必要があります。「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)」でも、事業主要件に「出勤簿・賃金台帳・労働者名簿を整備、保管していること」を明記しています。「ウチはしっかり対応している」という現場がほとんどかと思いますが、特に出勤簿については「客観的方法による労働時間把握」が義務化されていますので注意が必要です。政府ガイドラインに則した勤怠管理なら、HRMOS勤怠byIEYASUにお任せください。

参考:
厚生労働省「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)をご活用ください。(令和5年4月1日時点版)
厚生労働省「中途採用等支援助成金ガイドブック(中途採用拡大コース)(令和5年4月1日時点版)
※いずれも以下よりダウンロードできます
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160737_00001.html

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