残業?休暇?労働時間貯蓄制度という超過時間の扱い方

 あなたの会社は残業がありますか?それが当たり前になっていませんか?
 「労働時間貯蓄制度」という制度があります。こちらは日本ではまだ積極的な導入が進められていませんが、労働時間に関するモデルとして着目する価値がある制度です。制度の概要を理解し、導入する意義があるかどうかを検討してみると良いかもしれません。

先駆者は欧州から!ドイツを中心に進んできた労働時間貯蓄制度

 労働時間貯蓄制度はドイツを中心とする欧州で導入が行われてきました。基本となる労働時間を定めた上で、それ以外の時間に労働を行った場合にはその時間を貯蓄として貯めていくことができるのが特徴的な制度です。
 日本の一般的な制度では、定められた時間外に労働を行った場合には残業手当などを支給することにより対応します。労働時間貯蓄制度では、残業代を支払うのではなくその時間分の有給休暇を作ったり、短時間労働を行えるようにしたりする制度です。もちろん細かなルールは個々の企業で異なっていますが、基本的には余計に働いた分は別のタイミングで休みにできるという仕組みになっています。

社員の怠慢が目立つ職場には、特に導入を検討すべき制度かも・・・

 労働時間貯蓄制度を導入するメリットは、仕事と私生活にメリハリを生みやすくなることです。従業員が仕事に従事したいときには思う存分従事し、反対に休みたいときには十分休むことができるようになります。
 職務上、ある時期に連日のように長時間労働をしなければならない場合もありますが、そのときに労働をした分だけまたある時期にまとまった有給休暇を取り私生活を楽しむことが可能になります。現場で必要とされているときに必死に働き、必要性が低いタイミングで仕事から離れて私生活に時間を費やすのです。
 このように、仕事と生活にメリハリを作ることができる制度として広まっているのが労働時間貯蓄制度の特徴です。

休暇のタイミングが取れるかどうかが鍵!労働時間貯蓄制度に適切な環境とは?

 労働時間貯蓄制度を導入するときには、それが現場の実情に合うかどうかを吟味しておかなければなりません。基本的には残業手当を支給しない仕組みになりますし、かつ代わりの休みをとることができる環境でないといけません。残業はしたけれどなかなか休みが取れないという環境になってしまっては、結果としてサービス残業をしている形になってしまいます。
 そんな状況が生じると、むしろ労働者のモチベーションが低下してしまうでしょう。そして仕事の能率をも下げることにつながりかねません。休みを取れるタイミングがあるかどうか、現場の状況を判断した上で導入を検討することが必要です。

導入を検討しているあなたへ。意思決定は先駆者から学べ

 実は、労働時間貯蓄制度は20年以上もの実績がある労働時間のモデルです。つまり、事例は思った以上にたくさんあるのです。
 自社の現場に合っている制度かどうかを考える際には、運用されてきた実例を確認することで良い判断材料を得られます。検討の際には、ぜひ欧州から事例を集めてみることをおすすめします。

LINEで送る

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事