母性健康管理措置に活用可能な「休暇取得支援助成金」をわかりやすく解説!

全国的に感染者数が増加傾向にあり、依然として終息の気配をみせない新型コロナウイルス感染症。感染拡大を防止すべく、企業においては引き続き、テレワークや時差出勤など「新たな働き方」の実現への模索が続いているところかと思います。
今号では、新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が、安心して休暇を取得して出産し、出産後も継続して活躍できる職場環境を整備するために活用することができる、新たな助成金の「休暇取得支援助成金」について解説していきます。

進んでいますか?職場における母性健康管理措置

さて、現場においてとりわけ配慮すべきは、妊娠中の女性労働者への対応です。以前の記事で、新型コロナウイルス感染症に伴う母性健康管理措置の指針(告示)改正をご紹介しましたが、御社では適切に対応できているでしょうか?
医師又は助産師から指導を受けた妊娠中の女性労働者が、事業主に申し出た場合、事業主には、作業の制限、出勤の制限(在宅勤務又は休業)といった指導内容に基づいた措置を講じる必要が生じます。

関連記事:『【新型コロナウイルス】母性健康管理措置の指針(告示)が改正!事業主は、妊娠中の従業員に必要な措置を講じましょう

新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置に活用可能な「休暇取得支援助成金」

医師または助産師の指導により、妊娠中の女性労働者を休業させる必要が生じた際の対応として、「休暇取得支援助成金」の活用に目を向けるのが得策です。

本助成金は、下記の3つの取り組みを行った事業主が申請可能な制度です。
助成金額は、

  • 対象労働者1人につき「有給休暇ののべ日数が5日以上20日未満の場合は25万円、20日以上の場合は20日ごとに15万円を加算した額(ただし上限は100万円)」
  • 雇用保険の適用事業所ごとに「対象労働者20人」

とされています。

2020年5月7日から9月30 日までの間に

✓ 新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として、医師または助産師の指導により、休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が取得できる有給の休暇制度(年次有給休暇の賃金相当額の6割以上が支払われるものに限る)を整備すること
※法定の年次有給休暇とは別に休暇制度を創設すること
✓ 当該有給休暇制度の内容を、新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の内容と併せて、労働者に周知すること

2020年5月7日から2021年1月31日までの間に

✓ 当該休暇を、合計して5日以上取得させること

ただし、新型コロナウイルス関連のその他の助成金との併給調整が行われます。助成金制度詳細と併せて、厚生労働省ウェブサイトよりご確認ください。

参考:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援助成金をご活用ください

新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置 具体的な取り扱いをQ&Aで確認

妊娠中の女性労働者にとって、今般の新型コロナウイルス感染拡大は大きな不安要素であることは間違いありません。事業主であれば、こうした状況に鑑み、最大限の配慮措置を講じるべきと言えますが、具体的にどのような対応が得策かと問われれば、何かと判断に迷うケースもあるのではないでしょうか?

厚生労働省からは、新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の取扱いに係るQ&A集が公開されていますので、参考にしてみてください。

参考:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の取扱いについて(Q&A)

ここでは、現場でよく挙がる相談について、Q&Aの一部を抜粋してご紹介します。

今般の新型コロナウイルス感染拡大のような事態は、すべての企業にとって創業以降初めて迎える異常事態といえます。各現場においては何かと手探りの中での対応となるかと思いますが、労務管理の専門家である社会保険労務士を活用しながら、その時々で必要な対策を検討し、最大限出来ることに着手してまいりましょう。

LINEで送る

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事