【イベントレポート】大学産業医が実践|withコロナ時代のメンタルヘルスマネジメント&在宅勤務での勤怠管理の極意

去る2020年8月4日、打刻ファースト運営のIEYASU株式会社は、無料のセミナー「大学産業医が実践|withコロナ時代の社員のメンタルヘルスマネジメント&在宅勤務での勤怠管理の極意」を開催いたしました。

本セミナーでは、産業医を務める帝京大学の小川医師にもご登壇いただき、「誰でも気づけるメンタルヘルス悪化のサインと対策」について講演していただきました。
さらに、無料の勤怠管理システムIEYASUで行う在宅勤務の管理方法や、企業の対応状況や傾向(フレックス導入など)を実際のお客様の声も含めてご紹介いたしました。

セッション1 - 無料の勤怠管理システムIEYASUの効率的な使い方

スピーカー:IEYASU株式会社 代表取締役 川島寛貴

勤怠管理システム「IEYASU」とは?

人数無制限・無料で利用することができるクラウド勤怠管理システムで、Webブラウザもしくはスマートフォンアプリから簡単に打刻ができるサービスです。カードリーダやNFC対応機器を利用し、手持ちのSuica等で打刻することも可能です。さらに、拠点のIPアドレスを設定することで不正打刻を完全に防止!

出退勤時刻はもちろん、有給取得等の各種申請の管理をすることもできます。日報管理・給与明細の管理機能も無料で利用できる。
課金して有料版にアップグレードすることで、データの永続的な保持や、オンライン問い合わせ等のサービスが追加されます。

●無料のクラウド勤怠管理システム 「 I E Y A S U 」
●無料のクラウド日報管理システム 「 I E Y A S U 日報管理 」
●無料のWeb給与明細システム 「 I E Y A S U 給与明細 」

IEYASUは労働生産性の向上をめざす

日時勤怠管理では「予実管理」が、そして日報管理では「プロジェクト毎の工数管理」を行うこともできます。単純な時間管理をするだけではなく、作業にかかる時間を意識することを促すシステムを作っています。効率化できる部分とアウトソースできる部分を見極め判断し、有効的に時間を使う働き方を実現させましょう!

2020年6月に「IEYASU」に寄せられた声〜在宅勤務について〜

新型コロナウイルスの影響により、2020年3月-6月にかけて勤怠管理システムIEYASUの申込者が急増しました(通常の約3倍)。そのIEYASU利用者の方々にお話しをお伺いすると、緊急事態宣言が解除された6月以降も各システムのクラウド化など在宅勤務の対応に追われる企業様が多いようです。

社員向けに行なった在宅勤務に関するアンケート結果でも「思いの外在宅勤務は良かった」「意外とできた」「通常勤務に戻りたくない」という意見が多いと伺います。この状況で、緊急事態宣言が解除されたのですべて元どおりにする、在宅勤務から通常勤務に戻すだけでは社員は離れていきます。

【参考】

出典:東京都産業労働局「テレワーク「導入率」緊急調査結果

【2020年3月-6月の申し込みのきっかけ】

2020年3月-6月に勤怠管理システムIEYASUにお申し込みいただいた方々の申し込みのきっかけをお伺いすると、「在宅勤務を続けたい」「フレックスタイム制、時短勤務などに対応する必要がある」等が挙げられました。また、「新型コロナウイルスの影響で経営が悪化したため、もともと利用していた勤怠管理システムから変更し少しでもコストを削減するため」というご意見もありました。

低コスト(0円〜)で、在宅勤務やフレックスタイム制にも対応できる勤怠管理システムIEYASUをご活用いただけますと幸いです。

IEYASUのご好評をいただいている便利な機能

・打刻から情報確認まで全てスマートフォンで完結
・レポートも自由に出力可能。グラフ等ビジュアルで見ることも可能
・予実管理が可能で、予定と実績をグラフで見れる
・日次勤怠画面から業務割合を申請できる
・日次勤怠画面から経費精算・資料添付ができる
・勤怠アラートも自由に設定可能
・全社員に情報を発信できるお知らせ機能も実装
・slack、LINEでの打刻
・労働基準法に完全対応した残業管理レポート
・打刻漏れなどのエラーを一覧で確認できる勤怠エラーレポート
・様々な人事労務システム、給与計算システム等とのAPI連携
・人気機能ランキングベスト5

各種マニュアル・コンテンツも充実

各種マニュアル・FAQコンテンツ・記事・動画などを充実させています。
もし何か設定で分からないことがありましたら検索エンジンで検索していただければヒットするようにしておりますので是非ご活用ください。

●IEYASU_FAQサイト
「どの種類のICカードが利用できますか?」「休憩時間の自動追加はできますか?」等、具体的な「Q:質問」と「A:回答」をセットで掲載しております。随時内容は更新しておりますので、設定や運用にて何か疑問がございましたら、まずこちらのサイトから検索してください。

IEYASU_FAQサイト

●人事労務メディア「打刻ファースト」
人事労務に関する情報や人事担当者がチェックすべき内容等を記事にして定期的に発信しています。
他にもIEYASUの活用方法なども記事にしています。
(例)勤怠管理IEYASUの使い方『届出申請を利用した「残業申請」の使い方』

人事労務メディア「打刻ファースト」
●IEYASU_YouTubeチャンネル
IEYASUの初期設定動画や、機能を紹介する動画はもちろん、無料公開しているセミナーやオンライン質問会の動画、さらには人事労務に関するお役立ち情報を配信するNEWS動画など、様々な動画を配信しています。

IEYASU_YouTubeチャンネル

在宅勤務における勤怠管理のポイント

在宅勤務を推進するためのポイントが4つございます。

①出退勤は確実に
在宅勤務やフレックスタイム制により勤務開始・勤務終了の境目が曖昧になりがちになります。特に、子育てを行ながら在宅勤務を行う場合などは、中抜けしなければならない場面も多く正しく勤怠を管理することが難しくなります。

クラウド勤怠管理システムを導入して、まずは出退勤だけでも正確に記録してもらう、できるだけ打刻で記録してもらうことが重要になります。

②フレックス対応
在宅勤務なら必須と言えるほど、在宅勤務と同様にフレックスタイム制を導入する企業が多いです。
就業規則等の整備に加え、フレックスタイム制を管理できる勤怠管理システムの準備・設定等が必要になりますので、まずは社会保険労務士に相談をしましょう。

③メンタルヘルス対応
在宅勤務におけるメンタルヘルスにも注意を向ける必要があります。「通常勤務よりも家族の問題に向き合う機会が増える」「同僚や上司等とコミュニケーションが取りづらい」「孤独を感じやすい」等の課題を抱えやすく、メンタル面での健康管理も重要になります。(IEYASUへのお問い合わせも、メンタルヘルスに関するお問い合わせが6月は増加しました)

④会社としての対応
まずは、社員の状況について確認するためのアンケートを取る等、在宅勤務に会社として取り組む姿勢を示しましょう。
アンケートと取り在宅勤務を継続したいという声が多いのであれば、対応せざるを得ない状態になります。まずは実態を把握すること、対応せざるを得ない状況をつくることが、在宅勤務推進のポイントになります。

セッション2 - 現役産業医が実践!!withコロナ時代の社員のメンタルヘルスマネジメント

スピーカー:株式会社ジェイエルネス 代表取締役 樗澤一樹 写真(左)
講師:小川佳子(帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科講師/産業医) 写真(中央)
講師:湯浅陸(ウェルネスメンター)写真(右)

テレワーク在宅勤務におけるお悩み

新型コロナウイルスの流行により、「罹患したらどうしよう、誰かにうつしたらどうしよう」という未知の感染症に対する不安や、「この先どうなるんだろう」という将来や仕事に関する不安を抱く方が多く、心理的ストレスが増加している状態にあります。加えて、在宅勤務などの働き方や生活習慣の変化により、身体・精神的両方で健康に悪影響を及ぼしています

ストレスが対応力を上回ると心身に反応が出る

この状況下では、自分自身でいかにストレスを解消していくかが重要になります。

新型コロナウイルスによる心身への影響(皆さんが感じている不調・心身の反応)自体は、別におかしなことではありません。人間の身体がもつストレスへの自然な反応です。ストレスが溜まると、「心理面」「身体面」「行動面」に反応が出てくることは極自然な反応ですので問題はありません。

問題になるのは、ストレスが身体が対応できる許容量を超過してしまった場合です。
身体が対応できる上限を超えてストレスを溜め込むと、強いストレス反応が出るようになり、いわゆる「心の病気」に繋がっていきます。労働者の場合は、欠勤、休職、離職、最悪の場合自殺等の原因にもなってしまい、本人にとっても会社にとっても不利益になります。

ですので、「いかにストレスを溜め込まないか」「いかにストレスを解消するか」が最重要になります。

把握しにくい心の状態をどうチェックすべきか

ストレスが溜まると、「心理面」「身体面」「行動面」に反応が出てきます。
この中で「心理面」と「身体面」については第三者からは気づきづらいので、セルフケアで随時チェックしていただく方が効果的です。
上司が部下の状態を把握する場合は、特に「行動面」に現れたストレス反応を確認します。

・飲酒量が増える
・喫煙量が増える
・遅刻が多い
・ミスが多い
・報告が遅い
・口数がすくない
・表情がなくなった
・趣味に興味がなくなる 等

上記のように、「行動面」に現れるストレス反応は、第三者が本人以上に気づきやすい特徴ですので、これらの反応を見逃さないようにしましょう。

労働者の精神疾患の現状

厚生労働省の調査によると、職業生活で強いストレスを感じる人が6割近くいるという調査結果が出ています(平成29年:58.3%)。

また、職業生活における強いストレスの要因を調べた調査では以下のような結果になっています。
62.6% 仕事の質・量
34.8% 仕事の失敗。責任の発生等
30.6% 対人関係(セクハラ・パワハラ含む)
23.1% 役割・地位の変化など
22.1% 会社の将来性
14.0% 雇用の安定性

今回の新型コロナウイルスの影響により、現在下位にある「会社の将来性」「雇用の安定性」等が、今後ストレス要因として増えてくることが懸念されています。

精神疾患を原因とする労災認定件数も年々増加しております。
自殺した労働者数は、平成21年をピークに減少傾向にありますが、それでも1年に6000人以上が自殺されているという現状です。

いかに心の健康を保持していくかが、国としても、個々の企業としても重要な課題となっています。

厚生労働省(=国が推進する)4つのケア

厚生労働省は、労働者の心の健康の保持増進のために、メンタルヘルス指針を発表しています。その中で、以下の「4つのケア」を提言しています。

参考:厚生労働省「職場における心の健康づくり

ストレスチェックの項目にも変化が

厚生労働省が、労働者の心の健康の保持増進のため推進しているポイントとしては、「ストレスチェック」も挙げられます。

50名以上の労働者を常時使用している事業場で義務付けられているストレスチェックは、「メンタルヘルスを未然に防ぐこと(一次予防)」を目的として実施されています。

ストレスチェックは、質問紙を用いて実施することが一般的になっていますが、法律で定められたフォーマットはありません。以下の項目が含まれていることが求められます。
・仕事のストレス要因を調べる項目
・心身のストレス反応を調べる項目
・周囲のサポートの有無の項目(家族、上司、組織)

厚生労働省が推奨している質問票では、「心身のストレス反応」に関する項目は29個あります。

この29の項目には、「イライラ」「不安」「抑うつ」などの精神症状だけでなく、「疲労感」や「身体愁訴」等の身体に現れる反応をチェックする項目も多く含まれます

「メンタルヘルス」と言うと、精神症状に注目されがちですが、実際には身体にも様々な症状が出ます。
むしろ、うつ病などの精神疾患に進行している場合は、精神症状よりも身体症状の方が表出しやすいため、その身体の症状を把握することでメンタル悪化を防ぎます。

「腰痛=メンタルが原因」と早合点してしまうことは危険ですが、メンタル悪化が身体症状にも現れるという観点は重要ですのでよく注意しておきましょう。

心と身体の関連性〜どのような身体症状が現れるか〜

ストレスが原因で現れる身体症状は本当に多彩です。

頭痛、肩こり、腰痛、めまい、目の疲れ、動悸、不眠など、その症状は本当に多彩で、どこに症状が出るかは分かりません。

症状が出る場所は人によって異なりますが、頭、腹、喉、腰など「その人の弱いところ(よく体調を崩しやすいところ)」に症状が出やすい傾向にあります。

また、様々な症状が、身体のいたるところに、出たり出なかったりする状態を「不定愁訴」と言いますが、この不定愁訴の背景にはストレスがあることが多いことが判明しています。

※症状が出る場所は人によって異なりますが、産業医として話を聞いている限りでは、「ストレスからくる肩こり」「ストレスからくる腰痛」が多い印象をうけます。

ストレスサインが出た場合の対応策

ストレスサインが現れた場合、セルフケアはもちろん重要ですが、先ほどご紹介した厚生労働省が提言した「4つのケア」を活用しましょう。

(例)「4つのケア」の例

まず1つ目に、ストレスチェックでまず自分がストレス状態にあることを認識すること・セルフケアを行う対策があります(図中央)。ストレスチェックの結果や、心理面・身体面での身体の調子から、自分が置かれている状態を客観視し、自分自身でケアを行います。

2つ目は、ストレスチェックの内容をもとに「集団分析」を行うラインです(図右側)。
「集団分析」は努力義務となっていますが、厚生労働省は集団分析を推奨しています。個人ではなく、集団でストレス状態を分析することで、部署ごと・チームごとなどストレス要因を解明・改善することができます

(例)部署Aは高ストレス者が多い → 業務量・業務内容・人間関係のチェックし改善する

3つ目は、高ストレス者に対して医師が面接指導を行う対策です(図左側)。
ストレスチェックの結果、高ストレス者と診断された社員に対しては(社員の希望にそって)医師が面談を行う制度になっています。医師は、その面談の結果を「意見書」として会社に提出し、会社が事後措置として職場環境を改善する流れになっています。

今後の課題:高ストレス者への面接実施率の低さ

問題は、医師による面談が必須ではないことあります(高ストレス者の医師による面談は、必須ではなく本人から申し出があった場合に面接が行われます)。

ストレスチェックの実施率は約80%
努力義務である集団分析の実施率も約50%ある一方で、
医師による面接指導を受けた割合は1%にも満たないのが現状です。

●ストレスチェックが浸透していない
 (高ストレス者が医師の面接を受けられることが認知されていない)

●自身の症状に無自覚
(「医者と面接するほどではない」と考えてしまう)

●産業医に相談することへの抵抗感
(「外部の人間にはこのストレスはわからない」「産業医だから会社と繋がっているのでは」など)

医師による面接が浸透していない原因はいくつか考えれますが、高ストレス者への面接実施率をあげることが今後の課題です。

事業場外資源によるケアの活用

●自分自身の身体的ストレス反応から
 自分のメンタル状態状態に気づき改善すること

●上司・同僚・部下の行動的ストレス反応に
 職場内の人間関係の中でで気づくこと

が理想的ですが、それが難しいという会社が多いことが現状です。また、会社の産業医や衛生管理委員会によるケアも、上記の面接実施状況を見ると、十分な効果を発揮するとは言えません。

社内の人間関係や社内制度でストレス改善が難しい場合は、厚生労働省の4つのケアの4つ目にあたる「(会社外の専門的な機関や専門家による)事業場外資源によるケア」を活用します。

会社の外部に、心身の相談をできる専門家・専門機関を設けておくことで、社員は気軽に健康に関する相談をすることができるようになります(完全に社外の専門家であるため愚痴を含めた本音を引き出すこともできます)。また、会社にとっても、会社外に支援してくれる存在がいることは心強いと思います。社員の健康増進は、社外の専門家に一任し会社は本業に専念するという運用も、1つの手段として検討されてはいかがでしょうか。

【予防の観点】身体のケアがメンタルヘルスもたらすよい効果

身体の症状・精神の症状を分けて捉えてしまいがちですが、そもそも1つの人間の身体で起こっている問題ですので、切り離して考えることではありません

●身体全体の機能を調節する自律神経系

●身体の機能を調整する物質ホルモンの分泌をつかさどる内分泌系

●ウイルスから身体を守る免疫系

ストレスが、これら3つの対応能力を超えてしまうと身体に症状に出てきます。つまり、逆に言えば、この3つの働きを向上させればストレスに対する対応力も向上、心の病気の予防・改善にも繋がります。

【予防の観点】席に座りながらできるエクササイズ!

新型コロナウイルスが流行してからは、「腰痛」「肩こり」の症状を訴える方が増加しています。

小川先生がおっしゃった「ストレスからくる腰痛・肩こり」はもちろん、「在宅勤務により適切な作業環境を用意できない」「会社で作業をする以上に"座りっぱなし"の状態になることが原因として挙げられます。

今回は、「腰痛」「肩こり」の症状を改善する「席についたままできる腰痛・肩こり改善ストレッチ」をご紹介します。

ストレッチ等により日頃から体調を整えておけば、ストレスによる身体症状にも気づきやすくなりますので、ぜひこのストレッチを実践していただけますと幸いです。

【予防の観点】社外メンターで貴重な人材の離職を予防

株式会社ジェイエルネスが運営する「Wellpower」は、ココロとカラダの専門家が貴重な人材の離職を予防する社外メンターサービスです。


詳細は、Wellpowerサービスサイトをご覧ください。

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登壇した2社のセミナー内容レポートでした。
これらをぜひ参考に、貴社の働き方も見直してみてはいかがでしょうか。

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