残業なしの極意とは? 働き方先進国「ドイツ」に学ぶフレックスタイム制の使い方

長時間労働・残業削減など「働き方改革」が叫ばれる日本ですが、海外では日本よりゆとりのある働き方でより高い生産性を誇る国があります。今回はその代表とも言える「ドイツ」にフォーカスをあてます。フレックスタイムを活用し、なぜ日本よりも生産性が高くなるのか、働き方にどんな違いがあるのかをご紹介します。

1.残業知らず!短時間で結果を出すドイツ人

2014年のOECDによる調査によると、ドイツ人1人の労働生産性(労働時間あたりの国内総生産) は64.4ドル。日本は41.3ドルとなっており、ドイツの労働生産性は1.5倍以上日本より高い事がわかります。

なぜこれほどの差が生まれるのでしょうか?

その大きな要因としてはドイツの「短い労働時間」があげられます。

2014年のOECDの調査によるとドイツの年間の平均労働時間は1371時間
日本の1729時間に比べて 358時間、約21パーセントも短くなっています。

つまり、ドイツ人は短い労働時間で仕事をこなす事で高い生産性を上げているのです。

しかしながら、「短時間で集中して働く」以外にもドイツに学ぶ点がまだまだあります。

2.多様な働き方を認めるドイツ

ドイツでは単純に労働時間が短いだけでなく「多様な働き方」が認められています。

その代表的なものが「フレックスタイム」です。

【参考記事】大手企業の11.2%が既に導入済み。フレックスタイム制を検討しなくて大丈夫?

武石恵美子氏の「働く人のワーク・ライフ・バランスを実現するための企業・職場の課題」によると

ドイツでは出社時間を個別に決められるフレックスタイム勤務が認められているの人が全体の31.2%もいます。

日本は6.8%とドイツの1/4以下であり、ほとんどの人が出社時間が固定されている「フルタイム勤務」となっています。
(厚生労働省調べで大企業のフレックス導入比率は11.2%)

またオフィスへ出社しない自宅勤務の比率は日本の0.1%に対し、ドイツは6.5%に上り、働く場所にも多様性が見られます。

3.ドイツはみんな早起き?早朝出勤の理由

フレックスタイムを推進しているドイツですが、実際にどんなタイムスケジュールで働いているのでしょうか?

ドイツでは午前6時台、7時台に出社する人の割合が全体の43.9%、対する日本は6.7%とドイツでは朝早くに出社する人が非常に多い事がわかります。

また日本は8時、9時台に出社する人の割合が90.7%、ドイツの46.7%と比べると圧倒的に集中している事がわかります。

またドイツでは遅くに出社する人の割合も全体の5.8%と日本の1.4%と比べると多く、全体的に出社時間が分散しています。

4.ドイツは退社するのも早い

ドイツ人は退社するのも早く、午後5時より前に退社する人が51.1%、午後6時前までには78.2%もの人が退社しています。

対する日本は6時以降も会社に残っている人が55%以上おり、退社するのも遅くなっています。

イタリアの働き方でもありましたが、ゴール(帰宅時間)に向けて業務の内容やクオリティ、タイムスケジュールを逆算して組む欧州式が早い退社時間のポイントかもしれません。

【参考記事】日本の労働生産性向上に向けたヒントはサッカーにあった!?

まとめ_残業なしのドイツに学ぶ

ドイツの高い生産性の鍵は「短時間労働時間で仕事にコミットする(終わらせる)力」に加えフレックスタイムを認める企業が多く、従業員ごとにニーズに合わせた働き方を尊重していることが結果的に生産性の向上につながっているように見られました。「早く出社して早く退社する」という意識が強いのもその一つの「結果」なのかもしれません。

日本がこれから「働き方改革」を推進していく上で避けて通れない課題が「労働生産性の向上」です。
今回の記事では触れておりませんが、「早く退社するために」いい意味で「諦めている部分」「あえて実施しないこと」などが多く含まれていると思います。いま労働時間の短縮・残業削減が必達の中、効率化を求める中で「やらないことを決める」ことも非常に重要なポイントになってくると思います。

無理無駄を発見する前に従業員の勤務時間を把握する必要があります。無料のクラウド勤怠管理システムIEYASUを使うのもひとつの方法です。

※記事内のデータは経済産業研究所 武石恵美子氏の「働く人のワーク・ライフ・バランスを実現するための企業・職場の課題」を参考にさせていただきました。

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