【学校の働き方改革】地方自治体策定の「教員の働き方改革に関する実行計画」をチェック(つくば市の取り組み事例)

民間企業で働き方改革への取り組みが本格化する中、教育現場においても同様に、教員の働き方に関わる見直しが進められています。公立学校の働き方改革を実際に推進していくのは地方自治体であり、目下、市区町村ごとに様々な取り組みが検討されているところでしょう。

今号では、研究学園都市として知られる茨城県つくば市で策定された「教員の働き方改革に関する実行計画」をご紹介します。

学校における働き方改革推進のキーワードは「迅速性」と「計画性」

このたびの実行計画策定に先立ち、つくば市では、スタディサプリ教育AI研究所、国立大学法人 東京学芸大学、株式会社チェンジウェーブ、NPO法人 東京学芸大こども未来研究所の合同調査により、つくば市内の小学校全教員504名の働き方の実情を調査。勤務時間の状況や業務量の推移、現状負担となっている業務、働き方改革を妨げる要因として考えられる課題を徹底的に抽出しています。こうした調査の結果を踏まえ、教育局職員と教員で構成する「つくば市教員の働き方改革プロジェクトチーム」が具体的な施策の検討を重ね、いよいよ2019年12月23日、「教員の働き方改革に関する実行計画」をリリースしました。

研究学園都市 つくば市の「教員の働き方改革に関する実行計画」とは?

つくば市策定の「教員の働き方改革に関する実行計画」では、基本方針として

  • 早期に着手可能な短期的な施策と中長期的な施策を区別し、早期に着手可能な施策については迅速に実行に移しつつ、中長期的な施策については、効果の高い施策を優先しながら、計画的に検討を開始すること
  • 学校や教員だけでなく、国県市等の行政や地域が共に学校を支える姿勢で取り組むこと
  • 教員の働き方改革は教員のためだけでなく、こどもたちのための取組として位置づけること

を掲げています。

基本方針一つ目の「迅速性と計画性」の視点は、一見すると当たり前のことの様に感じられますが、「計画性」の部分は、結果を急ぐあまり現場でつい見落としがちなポイントです。働き方改革は、すべてをすぐに変えようとするのではなく、長い目で見て計画的に取り組むことが肝心。時間を要する施策も、段階的に、かつ優先順位を考慮しながら着実に進めていく姿勢が求められます。

学校環境を整備しつつ、教員の業務そのものの見直しに着手

つくば市の「教員の働き方改革に関する実行計画」によると、教員の働き方改革実現に向けた施策は主に「環境整備」「業務見直し」という2つの視点から構成されています。

  • 勤怠管理の適正化や校務システムを活用した業務効率化、組織体制・マネジメントの改善といった学校環境の整備に取り組むことで、組織として働き方改革の土台を作る
  • 従来の「学校業務」について見直しを行い、学校・教員以外の主体への積極的な移行を目指していく

これらは、概ね文部科学省が各都道府県教育委員会等に宛てて通知した「学校における働き方改革に関する取組の徹底について」を主軸としていますが、「教員の業務適正化(前述後者)」についてはつくば市独自の取り組みを具体的に示す内容となっています。

一例としては、

  • 運動部活動指導員を有効に活用する体制を整えるため、筑波大学と連携を図り学生への周知要請及び説明会を実施し、人員の確保に努める
  • つくば市イノベーションスイッチ事業により、株式会社リージットのタスク管理システム「ログタス」を導入し、教員の調査負担を軽減の上、教員業務の「見える化」を行うことで、無駄な業務の削減につなげる

など、地域との積極的な連携を図ることで現状の課題に取り組む施策が目立ちます。

その他の施策内容については長くなりますのでここでは割愛しますが、下記より詳細をご確認いただけます。

参考:
つくば市「教員の働き方改革_教員の働き方改革に関する実行計画(本編)
文部科学省「学校における働き方改革に関する取組の徹底について(通知)(平成31年3月18日)

ついに自治体レベルで具体的な実行計画が策定|まずは勤怠の把握から

つくば市内の小中学校における働き方改革は、現状、「IC カードによる出退勤管理」など既に開始されているものから「勤務時間の上限に関するガイドラインに係る取組」といった今後更なる検討が必要となるものまで様々ですが、いよいよ自治体レベルで具体的な実行計画が策定される段階に入ったことを鑑みれば、学校の働き方改革は着実に進んでいるものと考えることができます。つくば市をはじめとする全国の教育現場がどう変わっていくのか、今後の展開に注目が集まります。

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