要注意!セクハラ~ケースからセクハラを防止する

最近、「セクハラだ!」と訴える方が多くなりました。10年位前、新聞紙上をよくにぎわしていたのはディープな内容でしたが、ここにきてちょっとしたことで訴える方が増えてきたのです。つまり、我慢をしないで不快なことには、すぐに声をあげることができる環境になったといえます。そこで、企業にとってセクハラ問題を起こさないために気を付けたいポイントをご紹介します。

セクシュアルハラスメントとは

セクハラとは、一般的には「相手の意に反する性的な言動」です。また改正男女雇用機会均等法では「職場での性的な言動により、被害を受けた社員が嫌な思いをし、それによって働く環境や条件が悪くなること」です。
セクハラになるかならないかは、相手の意図とは関係なく、平均的な女性労働者の感じ方を基準とするのですが、受け止め方には個人差があります。そのため、受けた本人が不快と思えばセクハラになるケースが多いのが現状です。だから、「偶然手が触れた」「故意に手を触った」どちらのケースでもセクハラと訴えられる可能が高いのです。なぜなら、被害者は、相手が偶然か故意かわからないからです。

セクシュアルハラスメントの種類

セクハラには、「対価型セクハラ」と「環境型セクハラ」があります。「対価型セクハラ」とは、社員の意に反する性的な言動に拒否や抵抗をした場合に、その社員が解雇・降格・減給などの不利益を受けることです。「環境型セクハラ」とは、社員の意に反する性的な言動により、就業環境が不快なものになり、能力の発揮に悪影響が生じることです。昔は対価型が多かったのですが、今は環境型がほとんどです。

環境型セクシュアルハラスメントのケース

  1. 身体への不必要な接触
    身体への不必要な接触は、故意の場合がほとんどですが、パソコンを教えてて偶然肩が触れたとか書類を渡すときに偶然手が触れた等偶然の場合もあります。偶然でも相手が不快だと思えばセクハラになるので、偶然の場合は、すぐに「ごめんなさい」とか「失礼しました」等謝っておくことが肝要です。
  2. 食事やデートへの執拗な誘い
    職場でデートや食事に誘うことは、何ら問題ではありません。ただし、誘うたびに断られているのであれば、自分は嫌われていると思ってあきらめるべきでしょう。それなのに何度もしつこく誘うという行為がセクハラになるのです。
  3. 女性社員を下の名前で呼ぶ
    男性社員は、名字で呼ぶのに、女性社員だけ下の名前で呼ぶ行為です。また、部下に対して名字を呼び捨てにしている場合もセクハラになります。きちんと名字にさんをつけて呼ぶべきでしょう。
  4. 「デブ」「ハゲ」「おばさん」等、不快な表現を使う
    これ以外にも容姿等について不快な表現を使う場合は、セクハラとなります。年齢の高い女性社員に対して「おばさん」と呼んでいた会社が訴えられたケースがあります。
  5. 「女らしくしろ」「男のくせに根性がない」等の発言をする
    女性は女性らしく、男性は男性らしくという考えの方に多いようです。
  6. 雑誌等の卑猥なグラビアや記事等を見せる
    休憩時間に雑誌等を読む行為は問題ありませんが、過激なグラビアを職場で見る行為が問題なのです。わざと見せなくても、偶然近くを通った女子社員に何を見ているか除かれてセクハラになった事例もあります。
  7. カラオケでデュエットを強要する
  8. 宴会でお酌等を強要する
    上記2つで注意をしていただきたいのは、強要です。「お酌をしろ!」と強要するとセクハラになりますが。「お酌をしてほしいのでお願いします」と言えば強要ではなくお願いとなります。お願いはセクハラに当たりませんし、お願いであれば断りやすいでしょう。
  9. 電子メールを夜遅く送ってくる
    最近の多いのは、メール利用のセクハラです。メールアドレスは教えていなくても、緊急時のためにラインを利用している職場が多くなり、連絡先が分かってしまうのです。緊急時でもないのにラインを送ってくる行為です。仕事が終わった夜遅くや休日に、仕事に関する内容だとしても緊急時でないラインの利用はセクハラになります。基本的に就業時間外の連絡を緊急時以外に取る行為は、パワハラであり、内容によりセクハラになります。

企業におけるセクハラ防止

セクハラについてどのような言動が当てはまるのか、具体的に周知をすることが重要です
それとともに、セクハラに関する懲戒規程も周知しましょう。セクハラを行って上司による注意だけでは、セクハラは無くなりません。また、管理職に対しては研修等でセクハラについて認識を深め、職場でのミーティングなどの機会を利用して、注意喚起や指導の徹底を行います。
さらに、職場環境を害するような言動や日頃から差別的発言を繰り返す人の言動、電子メールでの問題行動を見逃さないようにします。そしてセクハラに対する相談を受ける場合は、真剣に話を聞き、迅速な対応を心がけます。上司に相談をしたのに「これくらいは大したことではないと」聞き流されて、退職後に裁判を起こされた話はよく聞きます。

まとめ_知らないうちに加害者になってしまうケースも

セクハラは、知らないうちに加害者になってしまうケースがあります。「そんなつもりはなかった」「偶然触れただけ」と言っても相手は納得しないでしょう。またしつこい誘いや行為の強要も要注意です。普段から自分の言動に注意をすることが、何よりの防止策になるでしょう。

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