旧水道局での「残業代未払」が発覚 「記録」と「実態」の乖離はなぜ起きる?

働き方改革を背景に、近年では勤怠管理への意識が労使を問わず高まりをみせ、現場における取り組みは一層進みつつあります。その一方で問題となっているのが、勤怠記録と実態の乖離です。
日常の勤怠管理は、意図せず「形だけのもの」になってしまう実態が珍しくありません。御社は大丈夫でしょうか?

旧千葉県水道局で判明した残業未払い 職員500人に対し3850万円

2019年8月30日付の千葉日報の記事によると、2019年8月29日に千葉県より、「旧千葉県水道局で昨年11月から今年3月、職員500人に計約3850万円の残業代未払いが発覚した」との発表があったとのこと。2019年2~3月に実施された、旧水道局本局、千葉と船橋の水道事務所それぞれに対する労働基準監督署の立ち入り調査をきっかけに判明したようです。労基署の指導により、管理職を除く旧水道局職員903人分の残業申告内容とパソコンの稼働記録を照合し、時間にずれがあった職員に聞き取るなどした結果、500人が申告なく計1万4046時間残業していたことが明らかになりました。

参照:千葉日報「残業未払い500人 3850万円、職員過少申告 旧千葉県水道局」

「残業時間の過少申告」が常態化していませんか?

このたび、なぜ旧水道局においてこれほどまでの未申告残業と、これに伴う残業代未払が発覚したかというと、その原因は「職場風土」にあったものと報じられています。同局では残業する場合、午後5時までに管理職へ業務内容と終了時間を申告することになっていましたが、当初申告した予定終業時刻を超えた場合、申告を修正しない職員が大多数であったとのことです。これについては上司からの指示や圧力等はなかったとのことですが、「残業時間の過少申告(事前申告の残業時間を超える就労に関わる時間を申告しない)」が当たり前になっていたようです。

民間企業においても、残業を事前申告制とする現場は決して珍しいものではなく、むしろ標準的な社内ルールとなりつつあります。このような手順を経ることで、管理監督者が従業員の労働時間を適正に把握しているものと思いきや、実態としては十分に機能しておらず、申告制度自体が形骸化しているケースは少なくありません。

御社ではいかがでしょうか?

勤怠の「記録」と「実態」の乖離を防ぐためには?

すでに打刻ファーストで解説している通り、労基署の監督指導時には勤怠の「記録」以上に「実態」が重視され、厳密に調査される傾向にあります。具体的には、労働者が申告する記録ではなく、入退館記録、パソコンのログ記録、金庫の開閉記録、警備システム記録等の客観的な記録を元に、実際の労働時間が算出されています。
管理監督者の意図しない部分であっても、実態として残業の不正申告や賃金未払いが生じれば、必ず労使紛争の火種となるでしょう。このようなリスクを回避するためにも、企業側は客観的データに基づく労働時間の適正把握に努めなければならないのです。

勤怠の記録と実態の管理を防ぐために、勤怠管理システムを活用した対策ができる場合があります。IEYASUについてはどうか、という点については下記よりご確認いただけます。

【参考記事】 【勤怠管理】労働時間は「記録」と「実態」の乖離に注意!クラウド勤怠管理システムは不正打刻対策を

労働時間の適正把握のガイドラインで理解を深める

その他、労働時間の適正把握に関わる政府の方針については、ガイドラインにて理解を深めることが可能です。

参考:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」

近年、一層重要度を増す「勤怠管理」。果たして、今の方法で大丈夫でしょうか?クラウド勤怠管理システムIEYASUを活用し、実態把握に取り組みましょう!

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